Lion Airの737MAXが墜落,ボーイングに問題が
10月29日インドネシアでボーイングの新型機737MAXが墜落した。離着陸での事故ではなく離陸後しばらく飛行しての後の墜落で事故原因はまだ確定はしていないが新型機ゆえのシステムに一因する事故との見方が次第に濃くなっている。事故後16日目の11月15日に被害者遺族がボーイングを相手取った訴訟を起こした。近年にない展開となっている。
墜落事故の概要は以下の通り;
2018年10月29日(月)現地時間6時21分(世界標準時28日23時21分Z)インドネシア・ジャカルタのスカルノハッタ国際空港滑走路25Lをパンカルピナンに向けて離陸したLionAirの国内線JT610便(機体はボーイング737MAX8,登録番号PK-LQP)は離陸後程なくして6時32分に通信が途絶え海面に墜落した。乗員8名乗客181名全員が死亡。天候は2000ftにやや雲がある程度で視程は8kmあり問題となる気象条件ではなかった。墜落場所は水深30-35mの海上で順次遺体や残骸が発見されている。フライトデータレコーダは発見され解析が進行中だがボイスレコーダは未だ発見されていない。残骸は細かく分解したものが多く衝撃が激しかったことを物語っているという。
パンカルピナンはジャカルタの北約450kmのバンカ島にありバンカ・ブリトゥン州の州都となっていてこの航空路は頻繁に航空機が利用される路線だった模様。事故機は月曜早朝の便で満席だった。
737MAXという機体はボーイングの最新型の737で所謂リエンジンとして従来の737-800等の737NGシリーズのエンジンをバイパス比の大きい最新の低燃費エンジン(LEAP-1B)に変えこれに伴う改修を色々施した新シリーズの機体だ。2017年の5月から各航空会社に引き渡しが開始され事故機は今年8月に受け取って運用に供され始めたばかりの機体だった。日本国内ではまだ運用されてはいないが世界中で既に200機以上が運航している。
直ぐにボーイングから737MAXのユーザに対し従来の737と違い737MAXでは操縦輪操作では失速回避の強制頭下げコマンドは解除できず別の解除スイッチを押す必要になったこれに従うようにとの注意喚起が出された。米連邦航空局(FAA)からもそのような時には手順に従うようにとの緊急改善命令(AD)が取りあえず出された。
事故フライトのすぐ前で問題が発生した別のフライトではパイロットが解除ボタンを操作して事なきを得たらしい。
一応フライトマニュアルのどこかにはそのような記述があったらしいがボーイングによる737から737MAXへのパイロットの転換教育課程にはそのような内容は含まれておらず、この内容を知らされずにパイロットは機種転換可能と認められていたのが現実だったようで、米国の操縦士協会からもボーイングに対し厳重なクレームが発せられている。
737MAXの迎角センサーが異常な値を出したという報告は米国のサウスウエスト航空からも出されていてこちらは強制頭下げコマンドが発せらるまではならず普通に飛行したらしい。
迎角センサーが壊れやすい理由についてはまだ明らかになっていない、鳥が当たったりしたのだろうかとの憶測もある。迎角センサーに異常が起こりやすい所に問題のある機体との印象も受ける。
失速時の強制頭下げコマンドが自動で発されるようになったのは、大バイパスエンジンになってエンジン径が太くなりこれを従来の主脚長さを変えずに機体に取り付けるにはエンジンナセルをやや前に出して上にあげる他なく、こうすると失速時の大迎角時に大きなエンジンナセルが出す頭上げの空気力モーメントが更に大きくなって失速から抜けにくくなる。このため失速を迎角センサーからコンピュータが察知した時は間髪を入れずに頭下げ操舵を自動でやるようにせざるを得なかったものと推測される。Tテールのディープストール対策に多用されるスティックプッシャーの発想なのだろう。こんな手順の変更はきっちりパイロットに周知されるようにメーカーは意を尽くすべきだったしそもそももっと安全な対策を考え出すべきだった、ここまでのところではボーイングに落ち度があったとしか言いようがない。
墜落事故の概要は以下の通り;
2018年10月29日(月)現地時間6時21分(世界標準時28日23時21分Z)インドネシア・ジャカルタのスカルノハッタ国際空港滑走路25Lをパンカルピナンに向けて離陸したLionAirの国内線JT610便(機体はボーイング737MAX8,登録番号PK-LQP)は離陸後程なくして6時32分に通信が途絶え海面に墜落した。乗員8名乗客181名全員が死亡。天候は2000ftにやや雲がある程度で視程は8kmあり問題となる気象条件ではなかった。墜落場所は水深30-35mの海上で順次遺体や残骸が発見されている。フライトデータレコーダは発見され解析が進行中だがボイスレコーダは未だ発見されていない。残骸は細かく分解したものが多く衝撃が激しかったことを物語っているという。
パンカルピナンはジャカルタの北約450kmのバンカ島にありバンカ・ブリトゥン州の州都となっていてこの航空路は頻繁に航空機が利用される路線だった模様。事故機は月曜早朝の便で満席だった。
737MAXという機体はボーイングの最新型の737で所謂リエンジンとして従来の737-800等の737NGシリーズのエンジンをバイパス比の大きい最新の低燃費エンジン(LEAP-1B)に変えこれに伴う改修を色々施した新シリーズの機体だ。2017年の5月から各航空会社に引き渡しが開始され事故機は今年8月に受け取って運用に供され始めたばかりの機体だった。日本国内ではまだ運用されてはいないが世界中で既に200機以上が運航している。
フライトレコーダのデータは未だ公表されていないがこのような場合も通常はADS-Bで地上にオンラインで送られてくる飛行軌跡データをFlightaware等のサイトで入手して調べることができる。今回はこのADB-Dデータにエラーが多くデータの元即ち機体のセンサー系統に何らかの問題が生じていたことが推察されている。事故機のパイロットからは機体に問題が生じたので直ぐに引き返して着陸したいとの連絡が管制に入っていたという。
この機体による一つ前のデンパサールからのフライトJT043では同様に離陸後ADS-Bのデータが乱れていたが8分後に安定し飛行を続けたらしい。Lion AirはこのJT043のフライトについて技術的な問題が生じていたと認めている。一部の報道では高度と速度の指示に問題があったと伝えられピトー系統の問題が疑われていた。
その後データレコーダが回収されて解析の一部が漏れ伝えられてきているがそれによれば事故機は事故のフライトを含め4フライトのデータに異常が認められているという。ピトーセンサーと共に迎角センサーの値が異常を示したようで事故フライトではフライトコンピュータが失速に入ったと誤って判断し自動で機首下げの強制コマンドを発しパイロットはこれを解除できずに墜落した模様と伝えられている。直ぐにボーイングから737MAXのユーザに対し従来の737と違い737MAXでは操縦輪操作では失速回避の強制頭下げコマンドは解除できず別の解除スイッチを押す必要になったこれに従うようにとの注意喚起が出された。米連邦航空局(FAA)からもそのような時には手順に従うようにとの緊急改善命令(AD)が取りあえず出された。
事故フライトのすぐ前で問題が発生した別のフライトではパイロットが解除ボタンを操作して事なきを得たらしい。
一応フライトマニュアルのどこかにはそのような記述があったらしいがボーイングによる737から737MAXへのパイロットの転換教育課程にはそのような内容は含まれておらず、この内容を知らされずにパイロットは機種転換可能と認められていたのが現実だったようで、米国の操縦士協会からもボーイングに対し厳重なクレームが発せられている。
737MAXの迎角センサーが異常な値を出したという報告は米国のサウスウエスト航空からも出されていてこちらは強制頭下げコマンドが発せらるまではならず普通に飛行したらしい。
迎角センサーが壊れやすい理由についてはまだ明らかになっていない、鳥が当たったりしたのだろうかとの憶測もある。迎角センサーに異常が起こりやすい所に問題のある機体との印象も受ける。
失速時の強制頭下げコマンドが自動で発されるようになったのは、大バイパスエンジンになってエンジン径が太くなりこれを従来の主脚長さを変えずに機体に取り付けるにはエンジンナセルをやや前に出して上にあげる他なく、こうすると失速時の大迎角時に大きなエンジンナセルが出す頭上げの空気力モーメントが更に大きくなって失速から抜けにくくなる。このため失速を迎角センサーからコンピュータが察知した時は間髪を入れずに頭下げ操舵を自動でやるようにせざるを得なかったものと推測される。Tテールのディープストール対策に多用されるスティックプッシャーの発想なのだろう。こんな手順の変更はきっちりパイロットに周知されるようにメーカーは意を尽くすべきだったしそもそももっと安全な対策を考え出すべきだった、ここまでのところではボーイングに落ち度があったとしか言いようがない。
どうしたのだろうかボーイングは。そもそもが737シリーズの改修が限界に来ていたのに無理して大きなエンジンを付けてしまったことに無理があったようにも思えてくる。短い主脚が機体重量を軽くできるキーだったのでそこにこだわりたかったのかもしれないが思わぬところでほころびが出てしまったようだ。
時代は大きく変わっているそんな時代のコーナーに立っているのだ、いつもそう思い聞かせていないと誰でも間違いを犯してしまう、そんな時なんだ、今は。航空機事故は時代の教訓を示してくれる、そう思えてならない。
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