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2019年4月20日 (土)

にっぽん丸で南大東島と久米島を巡る


2年位前から小笠原や日本海や五島などの船の旅を何回かやってみて、なかなかいい印象を持っていた。
そんなこともあって、以前に何かの拍子で買った商船三井の株が少しだけ手元にあり「にっぽん丸」のクルーズが割引される株主優待券というのが毎年二回送ってくるのも、ちょっと気になっていた。少し高めのクルーズでためらっていたが株主優待券の有効活用も悪くなかろうとこの春の3泊4日の南大東島・久米島クルーズにエイッと申し込んでみた。
那覇港発着で沖縄までは自分で行かねばならないがマイルを使った”おともでマイル”でこれも安く行ける。
出発の日が近づいたところで気になるのはやはり天気だ。波というのが正しいかもしれない。去年のゴールデンウイークは波が高くて船が出そうになくなって2つばかり旅行をキャンセルした思い出がある。3年前も沖縄で波が高くて渡嘉敷島に行けなかったこともある。波は船の旅には影響が大きい。
今回はいずれの島もにっぽん丸が着岸できる岸壁は無くて上陸には通船(テンダーボート)と呼ばれる本船に搭載されている小舟に乗り換えて接岸する必要がある、通船の運航基準の波高は1.5mとなっているらしい、1.5mはちょっと荒れるとすぐに越える。
波の予測はネットのwindy(欧州気象局の予測)が見やすくてもっぱらこれに頼り 気象庁のMSM波浪予測も日が近づいてくれば見ることにしていた。
出発4-5日前の予測では 南大東島付近では波高が1.5m前後で通船が出せるギリギリだ。島なら風向きで風に対する島影が出来てどこかに波の弱まる海域ができるはずだ、なんとかなるのではないかと思っていた。久米島の方にはその翌日訪れるのだがこちらは夜のうちに前線が通り天気は良くなっていくがものの風は強く波は2m越えが予想されていた。南大東島は何とかなっても久米島は駄目だろうと半ばあきらめの気持ちがあった。
福岡出発当日になってもその予測は変わらず、どうなることかと沖縄行きのJAL便に乗り込んだ。福岡は涼しいが沖縄は半そで位の気温で着るもNipponnmarukume2 のも難しく荷物がどうしても大きくなる。
那覇空港から専用の連絡バスが出てクルーズ埠頭に行く。埠頭での受付の後は荷物は部屋まで運んでくれる、そこは楽だ。乗客は定員500人弱 の船で前に乗ったコスタクルーズよりはやや小ぶりだ。
出航して程なく夕食となる、立派だった。フルコースの本格的な食事でこれがにっぽん丸の最大の売りのように思われる。日本船だが東南アジア系の船員が多くサービスは片言の日本語が飛び交う、しかしサービスそのものはよく教育されていて丁寧だ。風呂は泡の出る大浴場があって部屋のシャワーは使わなかった、多くの乗客がそうだろう。ここらもいい感じだ。
船は少しは揺れるがよく眠れて、翌朝洋上の日の出を見る、6時少し前が日の出だ。予想通り雲が多く天気はいまいちだ。7時からの朝食を直ぐに食べてテンダーボート降ろしを眺める。慎重に下げていくが海面まで降ろせない。船内放送があってうなりが大きく通船を出せるか検討中という。島の周りをまわりながらいい場所を探ったりして、その後、今のところやはり出せないとの放送がある。南大東島から出てきた漁船のような船と連絡している風でもある、結局南大東島の港近くでも波が高く通船の運航を断念するとの放送がある。予想外だ。ちょっと見た目では波はそんなに高いようにも見えないし白波も殆ど立っていない。
Minamidaito 南大東島側も受け入れ準備を色々してマグロの解体ショーのような催しも計画されていて軽い決Borodino 断では無かったようだが今一つピンとこないところがあった。
旅から戻って南大東島のことを詳しく書いた本(「南大東島の人と自然」)を読んでいくと島の近くでは沖から来た波が増幅され大きなエネルギー与えられ防波堤の内側に停めても波の力でたたきつけられる危険がある、このため漁船は一々クレーンで釣り上げて引き上げてきたとある。普通の港とは全く違うようで今回上陸予定だった漁港は岩盤をくりぬいて出来ていて普通は船吊り上げの必要はないものの漁港に入るのにうねりが強いとされているようだ。思った以上に少しの波でも船の運航には困難性が伴うように思える。調べると2015年からこのにっぽん丸による南大東島クルーズは行われているが上陸できなかったのは2015年と今年で後の3回は上陸できている。思のほか率がいいが今までは少し無理でも上陸を敢行したものの今冬にっぽん丸船長がグアムで船を岸壁にぶつけた事件があって今回はより慎重な判断になっているのかもしれないと思ってしまう。
南大東島島民が漁船で乗り込んできて踊りや太鼓、マグロ解体ショーを見せてくれ特産品の販売もあり少しは島の雰囲気を感じられたが、残念さは否めない。
翌日の久米島はこれではほとんど無理かと思っていたら翌日朝日を見に甲板に出ると通船を降ろす作業に取り掛かっている。前の日よりやる気があるようだ、しかし海は昨日より波が高いように見える。そのうち船は久米島の南側に入り島影に入ったためか北からの風も収まり波も低くなって通船を海面に降ろして試験走行を始めた。見ていると今日は行けそうだ。
何でこんなことになるか後で考えると久米島にはそれなりの山が島を横断してあり北からの風を防いでくれるが南大東島は海岸の崖の他には山はなく風を防ぐ衝立はないというのが理由としてありそうに思える。
単純な波浪計算では出てこない離島特有の条件を考えて運航の予測をする必要があるというのが海の世界のようだ。実感した。
予定通り通船が出て大して揺れもなく九時半過ぎに上陸する。(動画参照)。埠頭に歓迎のテントが並ぶが、とにかく予約していたレンタカー屋へ歩いていく。港から徒歩数分のはずだ。
レンタカー屋はすぐに見つかってスムーズに借り出すが、人手は少ないようで返す時は誰も店にいないかもしれないから何もなければガソリン満で置いといてくれればそれでいいという。離島ならではだ。

 

ともかく久米島をレンタカーで走り回った。
Ishigakecyou1 渡りの季節なので鳥も面白いかもしれないと久米島ホタル館によって野鳥の情報を教えてもらう。ホタル館横の沼もよさそうに見えたがここはハブが出る可能性があり館の人がガイドしないとまずい今日は館が休みで対応できないとある。やはりハブは気にすべきのようだ。ここならと教わった近くの場所である「だるま山公園」にまずは行ってみる。駐車場に止めると見たこともない不思議な蝶がいる。後で調べるとイシガケチョウという蝶だ。これは面白いところだと少し歩くが鳥の雰囲気はあまりない。やはり朝夕でないと出てこないのかなと思えてきて野鳥は見れたら位の感じで観光名所めぐり中心とする。
重要文化財の上江州家(うえずけ)住宅、天然記念物の五枝(ごえ)の松、と巡るが出会うのは「にっぽんJyuukyo 丸」乗客ばかりだ。昼になるのでやん小~(やんぐわ~)という久米島そばやに行くがここも混んでいて更に15名のにっぽん丸予約が入っていると店はあせっている。ともかく暫く待って肉もやしソバを食べだす、なかなかいい。まだ予約の15名は到達せずになんとかしのげた。
時間がだんだん無くなってきて、次は奥武島(おうじま)の畳石を見に行く。時間があれば入ろうかと思っていた海洋深層水の温浴施設バーデンハウスの裏にあたる、バーデンハウスにはとても入れない、ともかく畳石を見る、いかにも溶岩が節理で固まった景 観だ、面白い。海もきれいだ。すぐそばにウミガメ館というのがあってここも覗いてみる。色々なウミガメが間近で見られる、かわいい顔だが如何にも水槽から出たがっている風でちょっと可Tatamiiwakume 哀そうだ。
後は宇江城城跡を見れればいいかと、途中ホタル館で教わった海辺の水路に野鳥がいないかと寄ってみるが何もいない、どうも時間の巡り合わせが良くないようだ。
比屋定バンタで景色を展望して宇江城に向かう。島の最高地点にある。細い急な登り道をやっと上って到着する、軽ではちょっと苦しい感じもする。さすがにここは誰もいない。歩道を登りつめると久米島全体が見渡せる、港沖に泊まっているにっぽん丸も見える。確かに絶景ポイントだがよくぞここに城を作ったという気がする。14世紀ごろの築城らしい、天空の城だ。軍事的には優れたところで今も近くに航空自衛隊のレーダー基地がある。時代を経ても変わらぬ役割を担っている場所のようだ。

山を降り島を横切って港に戻る。途中、リュキュウツバメの群れが道一杯に飛びまわったり、イソヒヨドリがあちこちで姿を見せたりリュウキュウメジロが飛んだりするがエッと思うような渡Uegusukukume8 り鳥には出会わない。時期的にもう遅いのだろうか。
港からは15時30分の通船で戻る。少々疲れた。でも上陸できてよかった。
船ではまたまたこれでもかというような立派な食事が出て、のんびり過ごしてこの日は終わる。
Ryukyutubame8 翌日は九時頃に那覇港に降り立って飛行機で12時過ぎには福岡に辿り着く。時間距離は近いところだ、その気になればすぐに行ける場所ではある、しかしなかなか行けない。

帰って資料を改めて読み直すとやはり南大東島に上陸し損ねたのが残念に思えてくる。鍾乳洞がすごいという記述にいくつか行き当たる、できたらやはり行ってみたい。ここは飛行機で行くしか確実な方法はない、そんな気がしている、またトライできるだろうか。

 

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