ウスバキトンボ
毎日その日撮った写真をインスタグラムにアップするということをこのところ続けているが、思いの他毎日新しいことを見つけることになって刺激的だ。
最近ではウスバキトンボというトンボに少し驚いている。この一ヶ月くらいあちこちの公園で黄色いトンボをたくさん見かけるようになった。最初 はアキアカネの羽化したてのトンボかと思っていたが、インスタグラムに上げようと写真に撮ってよく調べるとウスバキトンボというトンボでアキアカネではないと解る。更に世界的に多い種で海を渡って北上して来たトンボとも解る。もちろん1世代では長い渡りはできない、途中で世代を引き継いでの北上となっているらしい。不思議なのは冬を越せない位寒いところまで北上して戻りがない片道切符の渡りとなっているいうところだ。一体何のための北上なのだろうか、明快な説明はなされていないようだ、謎とされているようにいえる。
面白いので少し考えてみる。北上するという習性は多くのウスバキトンボに共有されているようで、経験が引き継がれたのではないことが明らかな以上何らかの形でDNAに書き込まれた行為としか思えない。
種の多くの個体を存在せしめ続けるのがDNAの目的ならば南方で過剰なほどに孵った個体は、無駄な縄張り争いをするより何割かは北上して居場所を増やしてくれた方が都合がいいということだろうか。その子孫が死滅しても毎年北に送り込めれば地球上の広い地域をカバーして夏場の地球全体の個体数を数多く維持できる、夏場だけでも目的は達成されるということだろうか。
結果的にはそうでも何だか変だ。これは、現在よりはるかに温暖な時代があってその時代の行動様式を未だに保ち続けている、それができている、ということではないかて思ってしまう。今も続く氷河期のサイクルが始まってまだ3百万年くらいしか経っていない、トンボという種はそのはるか昔から地球上に存在していてその頃はずっと暖かく北に行っても冬を越せない程の低温になることなどなかったということは十分考えられる。温暖化はトンボにとっては氷河期という環境破壊がやっと終わりかけてくれるという事なのではなかろうか。ウスバキトンボにとってはこの日のために渡りの習性を温存できたという事ではなかろうか。
温暖化による環境破壊だと己の生き残りのことばかり叫びたがる人類はもっと謙虚になるべきなのではなかろうか、そんなことも思ってしまう。
ウスバキトンボ一つでも奥が深い、この世は面白くも興味深いことで満ちている、生きて感じることすべてが貴重だ。
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