« アランフェスを聴く | トップページ | アオバトを見に豊前へ »

2019年9月12日 (木)

「ラファエル前派の軌跡」を観る

め「Raphaeru ラファエル前派の軌跡」という美術展が久留米の久留米市美術館(旧石橋美術館)で開かれていてもうそろそろ終わりになるというので見に行った。先週のことになる。ここが終わると大阪あべのハルカスに巡回する様だ。
ラファエル前派の展覧会は宇都宮にいる時も何回か見に行った記憶があり、悪くないという印象があった。
久留米までは電車で行ってみるかとのつもりもあったが大気不安定で午後は雷雨かもしれない空模様でもあったのでやはり車で行くことにした。高速も時間的にそれほど速くはならなそうなのもあってここは節約して下道とした。高速道路のような県道17号線を使えばそれほど時間もかからないだろう。走ってみると1時間半くらいでついた、悪くない。下道で行くと最後が2車線の道を右横断して美術館の駐車場に入ることにはなるが他はどうということもない。
平日だけに行列はないが終わり近い展覧会ということもあって結構人が入っている。
見始めると見るべきものの量が多い、これほどとは思わなかった、お陰でぼんやりしていた「ラファエル前派」とは何か、が少しは解ってきた。要するにきらびやかなルネサンス後期の否定でありその前の、すなわちラファエル以前の時代に戻ろうという一派ということになる。イギリス画壇だ。しかしラファエル前派ばかりうんざりするほど見てしまうと、嫌なところをどうしても感じてしまう。即ち:
小難しいイギリスの画壇
印象派の明るさがない
男のような顔の女性
きつい顔の女性
あげつらいだすと色々出てくる。
何かが足りない
技巧的 職人的
題材が神話、キリスト教 に偏って 生活感がない。等々。。。

圧倒されるのはその表現技法というか描写技術だ。
水彩の技術は驚くばかりで 線が細かい
鉛筆画の迫力 リアリティは圧倒的だ。
印象は一様ではない。
装飾的な壁紙などをビジネスとして提供し始めるに至ったというのも自然の成り行きのように思えてしまう。
こんな世界がある、ということなのだろう。日本の絵が影響を及ぼしているようでもある。
色々考えさせてくれる、それだけにいい展覧会だったと思ってしまう。

ちょっと複雑な思いで絵を見終わってランチをとった後石橋文化センター内の庭を散策する、ぶらぶらしているとハクチョウが2羽いる、コブハクチョウだ。何だか大きいし近い。何か餌でもと手持ちの菓子の残りを探していると近づいてきて更には池から上がろうとする動きまでしてギョッとする。ドバトでも気持ちよくないのにこんなのが襲ってきたら敵わない。急いで菓子の残りを投げてやると大人しく食べてほっとする。
Hakucyou0905 ここで飼っているのだろうか、そうでなくとも日本にいるコブハクチョウは元は全て飼い鳥だ。あまり有難い感じはないが公園にいると様になっていい。戻ってコブハクチョウについて少し調べると、特に子育て中は気が荒くなって近づいてきた人間を羽で打倒してその後足で踏みつけて溺れさせ遂に殺害してしまった事件があったという、恐ろしいことだ、確かに向かってくる時の動きは人を恐れる風がなく嫌な感じだった。

コブハクチョウに対する、見た目はいいがどこか安心できない、という感じがこのラファエル前派と通じるものがあるように思えてくる、後からか考えると何だか面白くもある。
暑いので散歩は早々に切り上げて帰る。ともかくこんな展覧会はちょっと出かけてみてもあれこれ刺激を受けてなかなかいい。

|

« アランフェスを聴く | トップページ | アオバトを見に豊前へ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« アランフェスを聴く | トップページ | アオバトを見に豊前へ »