パキスタンでA320が墜落
新型コロナで航空輸送はばったり旅行客が減り何処も経営が苦しくなっているようだがここへきてパキスタンで旅客機が墜落し百名近い人命が失われた。この時期にしては結構な数の乗客が搭乗していたことになるが、パキスタンでは感染者が増加している中、経済が持たないと5月9日にロックダウンを解除した、それがそれなりの搭乗者のある運航をもたらしていたのだろう。パキスタンでは5月上旬に感染者が2万5千人位だったものが6月初めにはおよそ8万人まで急拡大している。経済と感染抑制を両立できない厳しい現実がここにはある様だ。
5月22日現地時間14:40頃(0940UTC)、カラチの国際空港近くにパキスタンのフラッグキャリアであるパキスタン航空の国内線エアバスA320が墜落した。フライトレコーダーやボイスレコーダーはすぐに回収され解析中だがまだ一向にそれに基づく速報が出てこない。取りあえずここまでの公開情報からわかることをまとめておくと以下の通り
になる。パイロットエラーの疑いが濃厚のようだ。機体は2004年製で機令が15年位と少し古いが3月に(定期の)検査をしたところで、特に問題は報告されてはいなかった模様だ。
機長はこの会社で最も経験豊かなパイロットだったようで(機長は54才、17000時間の飛行時間(A320の4,700時間を含む )を持つ)、気象条件も晴れで特に問題無ない状態でカラチ空港に着陸しようとしていた(カラチ空港METAR では 9:25で OPKC 220925Z
24011KT 7000 NSC 35/24 Q1004 NOSIGで 雲も無くほぼ正対の風が5.6m/s位で視程も7kmと良好な気象条件を示している)。
アプローチの高度が通常よりもかなり高かったため管制は注意したが問題ないと機長は応答しそのまま飛行した。高いまま着陸しょうとしたためかタッチダウンのポイントが滑走路の半ばくらいになってしまっていたが何故か脚を下ろしていなかった状態で接地した。管制に何の連絡もないため着陸装置に問題があって脚が出なかったとは考えにくい、脚の出し忘れと推定される。管制との交信の背後で警報が鳴っていたのが認められたとの記事がある。
ナセルが接地しゴーアラウンドしようとしたが跳ねて2度目の接地をおこないまたナセルを滑走路に打ち付けた後やっと上昇に転じた(生存者は3回の接地衝撃があったと証言している、左右エンジンナセルに接地の差があったのだろう)。この時地上から両エンジンからのはっきりとしたオイル漏れが確認されており、エンジン下部が両エンジンとも破損したと推定される。直後はエンジンは一応動いていたものの高度はあまり取れず小さな場周パターンを描いて再度着陸しようとするがついに両エンジンが停止し、滑走路までたどり着けずに手前の住宅密集地に墜落した。乗員乗客99名のうち生存者は乗客2名のみだった、というところが事故のあらましのようだ。
ここまでのところではこの超ベテランの機長の強引な飛行と脚下げ忘れというミスがあったことは明らかなようだ。脚下げ警報が鳴り響いていたことが管制との交信でも確認されており全く警報の言うことも聞かない飛行だったようなのも驚く。
何故機長がここまでの振る舞いをしたか、まだ解らない。

機長はこの会社で最も経験豊かなパイロットだったようで(機長は54才、17000時間の飛行時間(A320の4,700時間を含む )を持つ)、気象条件も晴れで特に問題無ない状態でカラチ空港に着陸しようとしていた(カラチ空港METAR では 9:25で OPKC 220925Z

アプローチの高度が通常よりもかなり高かったため管制は注意したが問題ないと機長は応答しそのまま飛行した。高いまま着陸しょうとしたためかタッチダウンのポイントが滑走路の半ばくらいになってしまっていたが何故か脚を下ろしていなかった状態で接地した。管制に何の連絡もないため着陸装置に問題があって脚が出なかったとは考えにくい、脚の出し忘れと推定される。管制との交信の背後で警報が鳴っていたのが認められたとの記事がある。
ナセルが接地しゴーアラウンドしようとしたが跳ねて2度目の接地をおこないまたナセルを滑走路に打ち付けた後やっと上昇に転じた(生存者は3回の接地衝撃があったと証言している、左右エンジンナセルに接地の差があったのだろう)。この時地上から両エンジンからのはっきりとしたオイル漏れが確認されており、エンジン下部が両エンジンとも破損したと推定される。直後はエンジンは一応動いていたものの高度はあまり取れず小さな場周パターンを描いて再度着陸しようとするがついに両エンジンが停止し、滑走路までたどり着けずに手前の住宅密集地に墜落した。乗員乗客99名のうち生存者は乗客2名のみだった、というところが事故のあらましのようだ。
ここまでのところではこの超ベテランの機長の強引な飛行と脚下げ忘れというミスがあったことは明らかなようだ。脚下げ警報が鳴り響いていたことが管制との交信でも確認されており全く警報の言うことも聞かない飛行だったようなのも驚く。
何故機長がここまでの振る舞いをしたか、まだ解らない。
おやと思うのは公式以外の解析が思いの外素早くネットにアップされ事故の飛行をそれらしく再現して見せていることだ。Flight24等で公開されている機上から送られてくるデータや管制との交信データをもとに作成されたシミュレーション画像がYoutubeにアップされていて、それらしい、これは相当の知識がないとできない解析を行っているように見える。そんな目がある中では公的機関の事故解析もいい加減なレポートは出せなくなっている、そんな時代なのだろう。Youtubeは:
https://www.youtube.com/watch?v=76osJupy_P8/
https://www.youtube.com/watch?v=76osJupy_P8/
パキスタン航空機による脚下げ忘れ着陸は、1986年2月,747でイスラマバード空港でも起こっている。同じことがまた起こったという内部の声もある様だ。
上記のそれらしいシミュレーションを見ても結局のところ分からないことが次々に出てくる、最初の脚上げで接地したのは純粋にパイロットのミス(コパイも含め)か或いは何らかの機器トラブルが発生していたのか、管制にパイロットからトラブル発生の報告は墜落寸前まで行われていないのは何故か、滅多にないと思われる旅客機の脚上げ着陸が以前にも同じパキスタン航空で起こっていたのには何かまだ改善されていない体質がこのエアラインに残っていたのか、1回目の高すぎる着陸進入でパイロットが管制の指示をまともに聴いていないようなのは何故か、等々と幾つも疑問が湧いてくる。
フライトレコーダーやボイスレコーダーで事故の詳細状況が公に明らかにされた後、解決さるべき、組織やコーディネーションや風土等の人の関わる問題がそこには横たわっているように思われてならない。こんな事故を経てエアラインは安全になっていくのだろう。
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