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2021年4月29日 (木)

石田組のコンサートが

アクロスの4月のランチタイムコンサートは石田組というバイオリン中心の弦楽合奏で、よくは知らないがうまそうなので、とにかく聞きにいった。昼のコンサートは楽でいいが聴衆の層が限られているようではあり、演奏する側はどうなんだろうとも思ってしまう。

曲目はIsidagumi
1.メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲 変ホ長調 op.20 より 第一楽章 
2.アランシルヴェストリ/松岡あさひ 編:バック・トゥ・ザ・フューチャー
3.エンリオモリコーネ/近藤和明 編:ニュー・シネマ・パラダイス
4.レッドツェッペリン/松岡あさひ 編:天国への階段
5.Rainbow/近藤和明 編:スターゲイザー
6.フレディマーキュリー/松岡あさひ 編:ボーン・トゥ・ラブ・ユー
アンコール曲目
A1.ジョンウィリアムズ/松岡あさひ編:シンドラーのリスト
A2.Rainbow/近藤和明編:紫の炎(Burn)
A3.ビゼー/松岡あさひ編:「アルルの女」より "ファランドール"
と、1とA3以外はいわゆるクラシックではない。

黒ずくめの服装や髪型でやくざの様な雰囲気を出し、楽団員は石田のことを組長!と呼ぶ。何?と思ってしまう。
演奏は石田泰尚 のバイオリンが中心で1曲目のクラシックバイオリンよりそのあとの映画音楽やロックの編曲物の方がバイオリンのつやがよく出ていて音楽そのものがある様に思えて、いい感じで聴ける。但しクラッシック以外の曲では弦楽合奏の低音が今一弱い。このような演奏をするならばリズムをしっかり打つパートが必要のような感じがしてしまう。
ともかく音楽はいい、しかしやくざ風を押し出しているのがどうしても疑問に思う、いい感じがしない。
調べると福岡には工藤会系石田組という暴力団がリアルに存在することもある。大丈夫かなと思ってしまう。

クラシック音楽の縛りを解き放てばもっといい音楽が得られるのではないかという試みはこれまでも幾つもやられているが最近ではNHKプレミアムシアターでつい数日前放送された「モーツァルトとマンボ ~サラ・ウィリス in キューバ~」という映像が印象的だった。ベルリンフィルのホルン奏者であるサラ・ウィリスがキューバを訪れ、地元の管弦楽団とマンボ奏者とを交えてモーツァルトのホルン協奏曲からこれをマンボに転じながら自在に演奏していくシーンがあった。地元奏者はこのような演奏スタイルに慣れ親しんでいてむしろサラ・ウィリスより音楽そのものをよどみなく引き出しているように見えたしサラ・ウィリス自身もその様な発言をしていた。明るく健康的な映像だった。


石田組は異様なスタイルから脱却して音楽そのもので勝負すべきと繰り返し思ってしまう、なんだかもったいない

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