温暖化とスズメバチとコロナと宇宙で生きていく
このところの天気の動きはどこか変だ。久しぶりの寒い冬が終わると、一気に湿った生暖かい大気が南から上ってきて5月中旬の梅雨入りだ。覚えている限りでは最も早い。
鳥の動きも慌ただしくて、いつもの年よりハチクマの春の渡りが早く、おまけに一度にどっと現れるピーキーな渡来になった。朝鮮半島で雨で 暫く足止め状態になっていたのだろう、雨が上がった翌々日、朝早くから次々に上空を流れていった、1日で軽く1000羽を越え、こんな数は春の渡りではこの地福岡では聴いたことがない、とにかく異例だ。ツバメも早かったし虫も花も早い。
梅雨に入ったと思ったらすぐに前線は日本海北部にまで上がり西日本は梅雨末期のような激しい降り様だ。この先の予測計算を見ると梅雨明けがすぐ来るというわけでもないようだ、梅雨が長いということになりそうで気が重い。太平洋高気圧がそれほど強くない、ただ湿気が多いということのようだ。何故こんなことになるのか、すぐには説明が難しい、北極の温暖化が進み南の暖湿な大気を吸い寄せている形かもしれない。
確かに昆虫の活動も早くて活発だ。1週間くらい前に自宅のツバキにつくチャドクガの幼虫をせっせと駆除していたら、大きなスズメバチのようなハチがブーンと出てきて奥には徳利を逆さにしたような奇妙なものが見えた。何だろうと思うが葉が茂っていて目線を外すともう見つからない。一体あれは何だったのか、引っかかっていた。2日ほど前になってチャドクガ対策でツバキを少し切っていたら再び「逆さ徳利」が現れた。今度はしっかりスマホで映す。部屋に戻ってネットで探ってみると解ってきた。コガタスズメバチの初期の巣の写真とそっくりだ、出てきた大きなハチはコガタスズメバチの女王バチということになる。この時期冬を越 えた女王バチが一匹でせっせとこのような形の巣を作り中で今年最初の働きバチとなるハチを育てるらしい。次々にハチの数は増えていき巣も拡大し遂には大型のスズメバチの巣に変身するというから怖い。今ならハチの巣の駆除も簡単そうだが自分でやるにはちょっと怖いところもある、ここは業者に頼む方が安全かと思いネットで探すと幾つも見つかる、いい商売の様だ。
4000円よりという字が見えたのでそんなものならいいかと電話すると2時間くらいで現れた、現場を見ながら見積もりというので頼むと16000円+税だという。随分高いがと聞くと4000円というのはミツバチだ、これはスズメバチなので危険度が全然違う、いわば命懸けでこれが相場だという。
少々不愉快だが押問答するのも面倒で、これで頼むことにする。それではと業者は直ぐに防護服に着かえてあっという間に除去して終わりとなった、10分もかからない、本当にいい商売だ。
除去した巣の中には育ちかけた幼虫とこれからの卵が計10位あって、ちょっと可哀そうだがしょうがな い、それにしても綺麗な造作で作ってある。女王バチには申し訳ない気持ちになる。世の中は単純ではない。
気候が変化していき、生き物は皆それに応じて生き方を変えていく、コロナももとを辿ればそこに行きつくのかもしれない、地球に生きるということは、というか、この宇宙で生きていくということは、こういうことなんだろう。そう思う外ない日々が過ぎていく。
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