反田のピアノとショスタコ―ビッチの打楽器が面白い
このところ梅雨は中休み状態だったがそれももう終わりで今日の昼からまた雨の日々が始まった。
如何にも丁寧な梅雨という感じがする。毎日公表される世界各地の高層大気ゾンデデータから低層(高度250m)や高層(9500m)の天気図 を描いて眺めているがこのところシベリア方面の低層の気温がみるみる上がっている(右図、赤く塗った領域は気温20度以上、青は10度以下)。夏至が近くなって白夜になりつつあり大陸北部が冷えにくくなってきているようだ。それでもオホーツクの冷気は未だ頑張っていて梅雨前線は押しあがりそうにない。毎年のことなのだろう。温暖化でも太陽と地球との関係に変わりはなく梅雨は早く始まっても簡単には終わりそうにない、巨大なメカニズムだ。
うっとうしいコロナの梅雨は気晴らしが必要だ。梅雨の中休みになる前の、今から1週間くらい前、九州交響楽団の定期演奏会を聴きにアクロスへ出かけた。
プログラムは
ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18 ショスタコーヴィチ/交響曲第 15 番 イ長調 作品141
指揮 : 熊倉優
ピアノ : 反田恭平
だが、指揮とピアノは元々外国人の予定だったものをコロナの渡航制限で来日できず、4月頃日本人への交代が発表されていた。元は指揮 : アンドリス・ポーガ ピアノ : チェ・ヒョンロク でどちらも全く知らない人でもあり、交代したピアノの反田の名はよく聞いていて一度は見てみたいと思っていた、ちょうどよかったと思えていた。
席は3Fの左壁前。ピアノやオーケストラ配置を真上近くから見る形で、よく見える、但し少し怖い。ピアノの手の動きなどはテレビや映画で見るような真上からの視点だ、よく解る。オーケストラの奥の打楽器の配置や動きなどもよく見えて面白い(右下は開演前の状況)。
ラフマニノフ2番は有名な曲で、映画アラビアのロレンスの中で多用されてもいる。たまたま前日BSで再放送されたばかりで砂漠のシーンをいやでも思い出す。ピアノの手の動きが面白い。右手と左手がそう離れずに動き回る。激しい動きが続くがミスタッチというものがない、当然なのだろうが不思議なくらいだ。プロフェッショナルな技巧が光る。万雷の拍手でピアノソロ曲 をアンコールとして演奏した。ピアノの指慣らしのような曲でやたらに指が動き回る。恐らく日常的に指慣らしとして弾いている曲なのだろう。それでもちゃんと音楽らしく弾く。
後で調べると モシュコフスキー/15の技巧的練習曲集 作品72 より 第6番 へ長調 だった、ピアノ弾 きの内輪では技術を磨く知られた曲なのだろう。
次のショスタコービッチの15番は全く初めて聞く曲だ、最後の交響曲という。音の動きがめまぐるしいが特に打楽器が多彩だ。真上からの眺めではあちこち打楽器チームが活躍しているのがよくわかる。打楽器の種類や人数も通常の数倍いる感じだ。感動というものはないがとにかく面白い。こんな作曲はどうやってやるのだろうと素直に思ってしまう。
いいものを見た。いいものを聞いたというべきなのだろうがこの日に限っては視覚的インパクトが強い。こんな席でこんな曲に相対するのもたまにはいい。
コロナを気にせずに出かけられる日々が待ち遠し。
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