カナダの"熱波"を少しだけ調べる
ニュースを見ていたらカナダ西海岸が異常高温で山火事が頻発しているという。
カナダ東海岸の気温を調べて見ると報道のあったLytton(北緯50.233 西経121.583)での49.6℃は確認できないがその近くのAgassizのsynop点(北緯49.250 西経121.767) のデータがみつかり、2021.7.29 0:00UTC(現地時間28日14時)に気温40.4℃が確認できた。相当の高温には違いない。 どういうことだろうと、世界の850hp(約1500m)高度の気温分布(GSMデータ)をダジックアースで球面表示して、去年の同じ日の気温分布と比べてみる。
去年は米カナダ国境付近で止まっていたネバダ砂漠の熱気が今年は国境を越えてカナダに大きく侵入した形だ(米国のこのあたりにあるデスバレーは20世紀の初めころより長らく世界最高気温計測地点として知られていた)。(左図、左が今年、右が去年)
上空の気圧(500hp高度)をみると、その分布が今年はこの地域で高気圧的となっていることと関係しているように見える。(上が今年、下が去年)。
地球を巡る大気の波動が今年は少しずれたようだ。大雑把に見るとこんなことは何十年かに一回くらいは起こりそうだ。
100年に一回でも地球の歴史の時間では非常に短いサイクルに思えるがカナダという若い国にとってはびっくり仰天ということかなと思ってしまう。
地球温暖化議論はあくまでも平均気温の議論なので、これがいわゆる人類活動の結果CO2が増えたことによる温暖化のせいと簡単に言い切ってしまうことはできない。
単に人類が無知なだけのように思ってしまう。刺激的なニュースのみが求められる現代のネット社会ではあらゆることが驚きで測られているような気がしてきている。それに即して有象無象のメディアがびっくりニュースを垂れ流しているようだ。
そんな風景が面白くもある。
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