最澄と天台宗のすべて を見る
先月のことになるが九州国立博物館で開かれていた最澄と天台宗のすべてという特別展示がそろそろ終わりそうだということで、ワクチン3回していることもあり、見に行った。ひと月も経つと忘れてしまいそうだ,時はするすると過ぎて行く。
結構それなりに面白かった印象があった。最澄と空海をどうしても比較してしま う、北部九州のこの辺では空海の足跡がいろんなところに残っていて例えば福岡市のすぐ近くの宗像は空海が唐から帰って上陸したところだが、空海が暫く滞在した時の火をそれ以来千二百年も絶やさずに今に伝える家があったりする。今でも生々しい。それにひきかえ最澄はどちらかというと印象が薄い。
一体最澄の天台宗は何だったのかという説明が無くて、戻って調べてやっと分かってくる。唐から伝えられた平安仏教の2派のうち、大乗仏教(誰でも救われる)が天台宗、小乗仏教(出家し修行しないと救われない)が空海の真言宗、で現在日本で普通に接する仏教は最澄の天台宗の流れを受けているといってもいいようだ。そんなこともあって展示品が全国の社寺から国宝・重文が集められている、これには驚く。栃木・輪王寺から勝道上 人の錫杖、岩手・中尊寺の秀衡経、佐賀・大興禅寺の多聞天立像 などなど。津々浦々からといってもいいようだ。明智光秀説もある天海の賛の付いた東照大権現霊夢像なども興味深い、勿論最澄自筆の書き物もある。貴重なものが多い。
展示は東京国立博物館、九州国立博物館ときて現在京都国立博物館で開かれている。
細かく調べると東京だけ、福岡だけという展示物も結構ある、地域性もあるしそんなに長く寺の宝を貸し出せないということもあるのだろう。貴重な機会だったことが後で分かってくるような気がしている。
何でも一期一会だ、見れるものはとにかく見ておかねば、そう思う日々が過ぎて行く。
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