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2022年5月15日 (日)

山下洋輔の元気なピアノでラプソディーインブルーを聴く

5月の連休が今日で終わるという日にサンパレスに山下洋輔-九響のコンサートを聴きに行った。毎日が日曜日の生活でも連休は混むといって何もしなくなるとどこか虚しい気がしていた、時にはという感じだ。
サンパレスで聴く時はいつも利用している波葉で昼食をとり、クルマはそのまま置いて博多港沿いを少し歩いてコンサートホールに入る。港の散歩は好きだ。
14時開演の40分くらい前に着く、定期演奏会ではないががよく入っている。今日の出し物は2曲目の山下洋輔がピアノを弾くラプソディーインブルーが目玉だ。指揮する茂木大輔という人はよく知らなかったが、もともとN響の首席オーボエ奏者で25年前くらいから指揮もやるようになったようだ、山下洋輔とはオーボエで共演もしており曲も捧げられてもいる、趣味Yamashita9kyou0508a がジャズピアノともあってジャズをやる人でもあるようだ、この演奏にうってつけの指揮者のように思えてくる。
まずはビゼーのアルルの女#1始まる、オーケストラはよく音が出ていて弦の音色もいい。編成も数えると70人くらいのようで大がかりだが、次の目玉のラプソディーインブルーでは更にサキソフォン群やバスクラなどが加わって80人を超えるように見える。とにかく迫力がある。ピアノパートは原曲からいじっているかもしれないがよくわからないなあと思って聞いている、ジャズらしいリズム感があるわけではないなと思うが、そもそも山下のフリージャズはリズムを含めて壊してしまったようなジャズだったと思い出してくる、とにかくリズム感がないソロだ、クラッシック的といえばそうかもしれない。そのうちオーケストラとの掛け合いが始まる、こんなところは原曲にあったとはとても思えない、オーケストラが突然運命を奏でてくる、山下がそれに打ち返す、更にヴィヴァルディがくる、これも打ち返す、更にさらに新世界が来る、これも打ち返してフリージャズの雰囲気が強まってくるとオーケストラの管楽器もそのような雰囲気で打ち返す、これはなかなかだ。そうはいっても終盤は別にしてオーケストラの打ち出すメロディは交響曲の切り取りで、Jazz的というにはちときつい、でもこんなやり方しかないだろうオーケストラとJazzをやろうとすれば。
数か月前に小曽根真と九響の組み合わせのコンサートを聴いたがこの時は演目では小曽根はクラシックの小曽根に徹してアンコールでファゴット奏者とのデュオで掛け合いのJazzを披露した、これも一つの行き方だ、しかし今回の山下のようにオーケストラ全部と演目で掛け合いのJazzをやってみるというほうが確かに面白くはある、新しい形態に突っ込んでいる。アンコールはなかった。元気だけれども山下の方は今や78歳で馬力がそこまでは続かないのかもしれない。
次のドヴォルザークの8番は弦の音の良さが光っていた。演奏そのものがいいのに加え真ん中の席で聞けたのがよかったのだろうか。サンパレスのスピーカを使う歌謡ショウの様な音響が改まったようでそれも効いている気もする。とにかくいい。
駐車場まで戻り博多タワーのトイレを借りて、帰る。いいコンサートだった、それに尽きる。

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