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2022年7月30日 (土)

シュテファン・ツヴァイクの「人類の星の時間」

コロナ第7波の勢いが止まらない。7月末に九十九島の日帰りバスツアーを予約していたがコロナ患者急増で結構危うくなってきたと感じてキャンセルした。もっぱら散歩と読書の日々を送っている。
シュテファン・ツヴァイクの「人類の星の時間」をこのとこShutephanzwk1 ろ読んでいる。書名がちょっと魅力的で図書館から借りて来て読み始めたのだが、12の歴史的瞬間を描いていてそれがともかく面白い、タラタラと読んでいる。短い歴史ドキュメンタリーの形で、そうだったんだと思わせるところが多々ある。はじめの方でトルコ軍によりコンスタンチノープルが陥とされたその日の有様を描いている。ヨーロッパの国々の関心の薄さ、あの東ローマの歴史的都市がトルコという異教徒に蹂躙されようとしているのに援軍は来ない、目先の争いにかまけている。必死に防戦したものの城壁の小さな門の防御が忘れ去られていて大軍がなだれ込んでくる。あっさり陥落して略奪虐殺の限りが尽くされる。なんとなくウクライナを思い出してしまう。
ナポレオンがワーテルローで敗れた時のことも興味深い。全軍の1/3を割いてプロイセン軍追撃にまわった部隊の指揮官が無能だった、本隊の救援に戻るべきという全ての部下の進言を聞かず戻らなかった上、敵に遭遇できずに彷徨い続けた、戻って来たのはプロイセン軍の方でウエリントン軍と合流した軍はたちまちナボレオン軍を打ち負かした。そういうことだったのか。知らなかった。
チューリッヒにいたレーニンが第一次大戦中にもかかわらず滞在中のスイスからドイツ・スカンジナビア経由の列車で革命が勃発したロシアに大手を振って戻れたその経緯、これも興味深い。通過国のだれかがnoを出せば戻ることができなくて革命は失敗したかもしれなかったがそうならなかった。
わからないのは、ヘンデルが死にそうな病だったのが突然回復してメシアを書き上げたあたりや、ゲーテのマリエーンバート悲歌誕生の瞬間、等を地球の歴史に刻まれるべき特別な時間として取り上げているその感覚だ。歴史的というより文学的空間にいるようだ。単なる実話もの、今の週刊誌や雑誌に暴露される真相はこうだという記事とはそこらあたりで異なっているのだろう、だが限りなく近いようにも感じてしまう。

味わい深い本だがそのリズム感に読みづらいところもある、何度も返却日の延長を行ってもういい加減返さねばという頃合いで慌てて読み進んでいる。考えてみればこんな日々もミクロな地球の歴史の一コマなのだろう。

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2022年7月28日 (木)

コンサートを聴いて7月が過ぎて行く

このところ街に出かけるというとコンサート位になっている。一昨日はここ福岡でオールスター戦があったのだが、何となく行きそびれてしまった。滅多にない機会だ、でもドームが満員になるほどの混雑した場へのためらいがどうしてもある。次にやってくるのは2030年ころだろうか。
コンサートも人込みではあるが、九響の定期演奏会ならそれほどでもない、というかこのくらいなら大丈夫かと何度も行って感じている。大規模スポーツ観戦とはわけが違う。
7月の九響定期公演は21日にサンパレスで開かれた。そろそろアクロスの改修工事も終わりそうだが秋にならないと公演会場はアクロスには戻らないようだ。Kyukyo202207
今回はあまり知られていない曲のせいか、空席が結構ある。
指揮者はオーストリアのクリスティアン・アルミンク、新日本フィルの音楽監督を2003年から10年間勤めていたが東日本大震災発生以降は原発事故の影響を恐れて暫く来日していない。今年で51歳とまだ若い。今回の来日では新日本フィル、広島響、九響で指揮するようだ。
演目はよく知らない曲で聴く立場として今一つ気合が入らない。最初の曲はドヴォルザーク/チェロ協奏曲 ロ短調 作品104。オケの人数が少なくどこか扁平な音に聞こえてしまう。席は1階後方の真ん中で、前回丁度バランスがよく聞こえた場所だ、センターラインに近いことが重要で舞台との距離はこのくらいのホールならさしたることではないと思っていた。しかし今回はちょっと違うようだ。このくらいの規模の編成だとやはり前方の席がよかったかと思ってしまう。チェロもソロパートでハイライトされるところが弱く聞こえる。そんなせいもあって、あまりいい曲ではないな、とも思ってしまった。アンコールはバッハ無伴奏チェロ組曲第1番サラバンドだったがやはりこちらがずっとよく聞こえてしまう。
次のツェムリンスキー/交響詩「人魚姫」では、オケは大人数となりいつもの迫力がある。ただ金管でミスあり些細だが気になってしまう、前の曲のドボルザークでもやはりオケの金管にミスがあった、九響では聴いた限りではこんなことはこれまでなかったように思う。指揮者とうまくいっているのだろうか、と思ってしまう。
コンサートで音楽を聴いてのこんな感想は頗る個人的なものだ、多分に聴き手の状況があるように思う、しかしそれが音楽を聴くリアルだと思っている。

終わっていつものように博多港を巡って駐車場から帰る。7月の海風が気持ちいい。

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2022年7月27日 (水)

元首相の銃撃が

20日ほど前のことだった、アオバズクを見に午前に那珂川の現人神社に行った後戻って庭に水まきしていると家内が出てきて安倍さんが撃たれたという。兎に角驚く。どういうことだろうかとそれからテレビにくぎ付けとなる。その日の日記メモには「 暗殺なら韓国関係かと邪推するが、どうやらガンマニアのよう。造った手製銃で人を撃ちたかったよう。たまたま自宅近くに来た安倍を襲ったよう。」と記している。

次第に事件のあらましが明らかになってきた。現場で取り押さえられた狙撃犯人は旧統一教会に家庭・人生を破壊された恨みがあった、全人生をかけてもいいと思うほどの恨みがあった、統一教会とつながる政界の頂点が安倍と思っての銃撃だったということのようだ。
その後の政界と統一教会の繋がりが次第に明らかにされつつあるのを見て、大学時代のことを思い出してきた。全共闘が学内封鎖する直前の時代、講義が終わると待っていたかのように原理研究会と称する一団が演壇にあらわれ統一原理なるものを説き始める、しつこい、ほとんどすべての学生はあほらしくて教室を後にしてもっと本質的な宇宙の原理を語ってくれればいいのだが、などとぼやいていたことを思い出す。原理研究会は反共運動である勝共連合の別動隊であり、勝共連合を60年安保で学生運動に手を焼いていた岸元首相が後押しをしていたというのはいかにもありそうな時代だったと今から振り返ると思える。
勝共連合が更に統一教会の別動隊だったとは多くの人が知らなかったように思う。冷戦の終結で反共もしぼみ統一教会が世界的に展開する宗教活動の財源確保に日本での活動の軸足が移ったのだろう。それに政界とのコネクションが利用され続けたのだろう。
ともかく安倍が射殺されるに至った元をたどると60年・70年安保闘争の時代の政治情勢に行きつくようだ。更には朝鮮戦争にまで辿れるのかもしれない。

このあたりで半世紀以上引きずってきた古臭い対立軸を基盤とする動きに終止符を打つべき時代になってきたように思える。ウクライナの戦争もそういうことかもしれない。それができないところでとんでもないことが起こるようだ。

平和な平成が終わり争いの令和に、時代はサイクルで巡っている、次は何が。

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2022年7月26日 (火)

2回目の梅雨明けと生き物達と

今年は梅雨明けが2度あったような気がしている。勿論梅雨という呼び名は人間が勝手に名付けたものだから自然はそんなこと知ったことではない。1回目の梅雨明け(ここでは6月28日とされた)は太平洋の高気圧の張り出し(500hp高度の5880mの張り出し)、ジェット気流の衰退、どれをとっても所謂梅雨明けだ、暫く暑い日が続いた後太平洋の高気圧が弱まり日本海に切離低気圧が寒気を伴って暫く居座り、梅雨を特徴づけるオホーツク高気圧による寒気ではないが、兎に角北の寒気と南の暖気の境目となる停滞前線が日本の上に暫く居座り丁度梅雨のような天気になった、そして今また太平洋の高気圧が勢いを戻し、日本海の寒気もやっと弱まり、2度目の梅雨明けの様な暑さがやってきつつある。これは長そうだ。ともかく本格的な夏だ、クマゼミがうるさい、6月末の1回Kumazemi 目の梅雨明けではクマゼミはまだついてこれず地中から抜け出せずにいたがやっとクマゼミのうるさい夏が来た(右)。

鳥の方も様々だが今は子育てに忙しい時期だ。若いスズメは群れになって遊びまわっている、砂浴びで遊ぶのも今の時期だ、寄生虫退治という説明がされるが、砂浴びしているのは多くが嘴の根元が黄色い若い雀だ、遊んでいるとしか思Suzumesunaab えない、見るのが楽しい(左上)。ムクつけきムクドリも若鳥は初々しくて嫌味がない。

アオバズクは毎年この時期決まった神社に現れるので、覚えておいて見に行けば会える。今年もそれほど時期は変わらず見ることができた。子供の数は3-4羽で家族で移動している、子供が家族を越えて群れになって遊ぶということはまず起こらない。しかし家族そろって巣から現れるとなんだかうれしい(左下)。

今年は市街地の街路樹にササゴイのコロニーができているというので、行けばわかろうと現地といわれるところに見に行ってみた。が、見つけられない。もう巣立ったのかもしれない。 近くの川でササゴイの飛行は見れたので、外れでAobazuku はないが、結構活動的で忙しく動いていて写真には撮れずじまいに終わった。5年くらい前の夏に自宅近くの公園にササゴイの若鳥が飛来して写真に収めたことがあった、夏場にはこの辺りを徘徊しているのは変わらないようだ。

梅雨明けが2回あろうと生き物たちは着々と日々の営みをこなしている。こんな様は何か心強い、地球はまだまだ大丈夫そうだ。

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2022年7月17日 (日)

コロナ4回目接種と小椋佳ファイナルコンサートと

もう半月前のことになるが市から接種券が届いてワクチン4回目の接種を受けた。前回は近くの医院には接種場所がなく集団接種場所である博多駅kitteビルでモデルナの接種を受けたが、今回はファイザーが入ったようで近くの医院でファイザーの接種となった。モデルナは1日たって結構な発熱が家内に出たが今回はファイザーだから大したことあるまいと思っていた、でも今回は自身もそれなりに体温の上昇があった。とにかく解熱剤を飲む、すぐに下がってどうということもない。ワクチンの発熱は脳がウイルスが来たと誤認して発熱させるものだから、解熱剤で下げればそれで十分のはずだ。翌日に福岡市民会館の小椋佳ファイナルコンサートのチケットを買ってあって、少し気にしていたが平熱で問題無く入場できた。しかしいつになったらコロナ騒ぎから離脱できるのだろうか。スペイン風邪は3年3波でほぼ終息しているが、こちらは2年8か月たっても第7波が到来して終息の兆しもない、重い日々が続く。

Ogurakei
コンサートの方は、小椋佳78歳でこれが最後というのなら見ておこうかとチケットを買っておいたのだが、見ると確かに老人になっている、座っての舞台でたまに歩くと背中が丸くなって頭を出す老人歩きだ。声は一応出るのが立派ではある。スケジュールを見ると 2021.11埼玉/戸田から始まって既に北海道から沖縄まで廻ってここが22公演目だ、今年の11月東京までで全34公演を終わる予定が組まれている。前座もなくおよそ2時間の舞台を一人でこなしてこれだから立派だ、老人と軽く言うことはできない。ホールは満員、観客にも老人が多い、ファイナルらしい。
歌の方は、さすがに音程苦しいところもあり、だいぶよれている、もはや骨董の領域かもしれない。老人話が多いが、話が面白い。不細工な顔だが、生まれた時の話として顔を見た御祖母さんがこの子は一生食うに困らない顔をしていると言ったと後に聞かされた、確かにそうなった、とか、寺山修司と親交あり『 マッチ擦るつかのま 海に霧深し 身捨つるほどの 祖国はありや 』の短歌を紹介する、言葉を学んだと。井上陽水ともポリドールで売り出し時期が一緒で仲がよかった、白い一日は彼との合作、等話は尽きない。持ち歌の他、他の歌手に提供した歌を次々に歌う、総決算なのだろうか。ファイナルコンサートといっても完全に引退するとは言い切っていないようで、まだまだやる気を感じてしまう。本当に死ぬまで音楽を続けそうだ、小椋佳という人生を眺めるようで確かに見た方がよかったコンサートだった。

終わってバYuuyake0702b3 スで帰る、バス待ちに見た夕焼けが凄みのある美しさだ久し振りに見た、振り返って思うとどこか重なるところを感じてしまう。今後どう生きていくのだろうか。

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2022年7月 6日 (水)

2022年6月の福岡市南区周辺及び訪問先の野鳥

6月11日に梅雨入り宣言28日に梅雨明け宣言と短い梅雨になって夏の到来が早い。若鳥が色々現れているが全体として見れる数は減ってきた、この暑さだ、しょうがない。上旬に東京に行ったついでに羽田の近くの昭和島のコアジサシを見ようと寄ったが少し早かったのか見れなかった。下旬に壱岐を廻ってみたがウグイスの数が多いのには驚いた。各地各様の鳥の動きがあって暑い夏もそれなりに面白い。

手元のメモに残された記録は下記の通り:


2022.6.1 12:00 曇り/晴れ 風力0-1 7Ac070  Kawasemi0601da 福岡市南区長丘周辺の野鳥   中公園:スズメ15-6、メジロ5、カワセミ1、ハシブトガラス1-2、ツバメ2   新市楽池:バン1、ハシブトガラス若1、スズメ2-3、シジュウカラ1-2、
Kijibato0608c
2022.6.2  10:00 晴れ 風力0-1  福岡市城南図書館裏西ノ堤池の野鳥 バン1、スズメ15、ムクドリ5、ドバト10、ホシハジロ♀1、ツバメ1

2022.6.3 7:00 晴れ 風力0-1  Hakusekirei0608e  福岡市南区長丘周辺の野鳥   中公園:シジュウカラ声、スズメ5位、ツバメ5  新市楽池:シジュウカラ5、ハシブトガラス若1

2022.6.7  13:50 晴れ 風力1-2  福岡市南区長丘周辺の野鳥  鹿助池:シジュウカラ声、メジロ声、スズメ5+、マガモ2♂♀、バン親子声、カワラヒワ飛行5+声2-3  新市楽池:カラス2  中公園:スズメ、メジロ声3-5、シジュウカラ声、カワセミ声1、マガモ2♂♀、Mejiro0612aa

2022.6.9 13:30 晴れ 風力0-1  福岡市城南図書館裏西ノ堤池の野鳥 バン2、ムクドリ10+、スズメ30+、ホシKawau0615aa1 ハジロ♀1、マガモ♂1、ドバト5+、(ベニシジミ)

2022.6.12  13:30 曇り 風力1-3  7Cu/Sc050-020 」福岡市南区長丘周辺の野鳥   中公園:ムクドリ2、コゲラ1(ドラミングも)、スズメ2、メジロ15、キジバト声1、マガモ2♂♀、  新市楽池:バン1、スズメ3、ヤマガラ1、キジバト1 鹿助池:バン親1若5 +親2若6、マガモ3♂2♀1、ツバメ2給水、

2022.6.14 14:30 雨 風力1-3  福岡市南区長丘周辺の野鳥  鹿助池:スズメ、バン2、  中公園:スズメ、ツバメ

2022.6.15  13:30 晴れ 風力1-3  福岡市城南図書館裏西ノ堤池の野鳥 カワウ2、バン1、アオサギ1、スズメ約20、ドバト約20、マガモ2♂、ホTsubame0619a シハジロ♀1、ムクドリ声

2022.6.16  9:45 晴れ 風力0-1  4Cu030 福岡市城南図書館裏西ノ堤池の野鳥 カワウ1、バン2、アオサギ1、スズメ約20、ムクドリ4、ドバト15、マガモ1♂、ホシハジロ♀1

2022.6.17  7:00 晴れ 風力0-1  福岡市Magamo0619b 南区長丘周辺の野鳥   中公園:ムクドリ4、スズメ約20、シジュウカラ声1、ハシブトガラス声2-3、マガモ2♂♀、ツバメ2、メジロ声1、ハクセキレイ1  新市楽池:スズメ声、ハシボソガラス声

2022.

Kogera0619b

6.19 10:00 晴れ 風力0-1  3Cu050モヤ有  福岡市南区長丘周辺の野鳥   中公園:スズメ6

、カワセミ1、マガモ2♂♀、ツバメ2、メジロ声、シジュウカラ1、ムクドリ3、コゲラ1  (モンシロ、シオカラトンボ)  新市楽池:ハシボソガラス1 (ベニシジミ、ナガサキアゲハ、モンシロ)

2022.6.21  14:00 曇り 風力1-2  8Cu050  福岡市南区長丘周辺の野鳥   中公園:スズメ8、ツバメ2、ハシブトガラ ス1、バン2  新市楽池:バン2ヒナ5、メジロ声1-2、スズメ3-4、ツバメ2 鹿助池:、マガモ♂1、アオサギ1、iバン声1姿1、メジロ3、ハシブトガラス2、スズメ約Banhina0621d 30、ドバト2

Uguisu0627aa1 2022.6.26  19:00 曇り 風力1-2   壱岐市石田町大浜の野鳥 ホトトギス1、ウグイス多数、ホオジロ2-3、カモ類2、アオサギ1

2022.6.27  5:30 曇り 風力1-2   壱岐市石田町大浜の野鳥 ホオジロ10+、ウグイス多数、ミサゴ1、カモ類2、セッカ声、キジバト/ドバト10+

2022.6.28  15:50 晴れ 風力3+   福岡市南区長丘周辺の野鳥 Misago0627aa 鹿助池:バン若5+、スズメ、ヒヨドリ1、シジュウカラ2  新市楽池Banhina0630a :ハシブトガラス3  中公園:マガモ♂1、スズメ5+、メジロ

2022.6.30  7:20 晴れ 風力0-1   福岡市南区長丘周辺の野鳥   中公園:シジュウカラ声、メジロ声、スズメ5+、アオサギ1、カワラヒワ声1  新市楽池:バン親2+ヒナ5、 



写真は上Aosagi0630b から 、カワセミ(6/1)、キジバト(6/8)、ハクセキレイ(6/8)、メジロ(6/12)、カワウ(6/15)、ツバメ(6/19)、マガモ(6/19)、コゲラ(6/19)、シジュウカラ(6/19)、バン親子(6/21)、ウグイス(6/27壱岐)、ミサゴ(6/27壱岐)、バン雛(6/30)、アオサギ(6/30)

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2022年7月 4日 (月)

壱岐へのツアー その2

壱岐へのツアー2日目、天気は結局大丈夫そうだ。石田町の宿から起き掛けに浜まで散歩する。ウグイスがこれでもかというくらい鳴いている、姿を見せたままのも結構いて、中には換羽前なのかボロボロの羽で鳴いIki13 ているのもいる。浜ではミサゴがゆったり飛んだり鴨が忙しく行き来したりもしている、マガモではなさそうだが種類はよくわからない。いい浜だ。
今日は原の辻遺跡から回る。NPO法人のガイドが非常によく知っていて、テキパキと次々に説明していく。ツアーならではだ。遺跡は一支国博物館の下に広がる平野にあり弥生時代の遺物が多く出土している。発掘調査後遺跡は埋め戻されてその上に復元建造物が色々建てられている。階段や木組みの一部も当Iki17 時のものが出土していて復元は現在得られる情報を最大限に利用しているようだ、根拠のある復元ということができる。まだ発掘は20%くらいという。魏志倭人伝時代の2000年前頃に王都が拡がっていたこの平野(長崎県で2番目に大きい平野という)の多くの地点が発掘対象となっているようだ。入江が多く漁業に適した島だが水田も広く農業も盛んで豊かな国のイメージが湧く。一方で後世の2度の元寇の時には島の大半が殺戮破壊されてしまったようで、Iki19 国境の島の厳しさも感じる。
次は松永安左エ門記念館だ。何?という感じがなくもないが壱岐出身の電力界の大物で福岡市立博物館にも氏が寄贈したコレクションの展示ルームが設けられている。館長が詳しく説明してくれる。松永は思っていたよりずっと広範に電力及び電気輸送事業分野の中枢で活躍しており、福岡市の路面電車事業を皮切りに、雨後の竹の子状態だった九州の電力事業をまとめていき、戦後には全国の電力を主導する立場にもなっている。西鉄が天神をターミナルとして大牟田まで伸びたのも松永の執念だったようだ。松永に付けられた電力の鬼という呼び名は、戦後国内の電力インフラが貧弱な状態にあった際設備投資資金を得るため全国電力料金の70%値上げを敢行して付けられた鬼のように値上げするという形容詞だったというがいつの間にか鬼神のようなイメージに変わっていった気もする。こIki19a んなに大 きな役割を果たした人とは知らなかった。
次はお土産屋を経て月読神社にいく。全国の月読神社の本宮(もとみや)という。日本書紀にも関連した記述のある非常に古くからある神社のようだが現在の社殿は少々貧相なものだ。漂う歴史だけを感じる。

Iki21

 

壱岐には古墳も多く、その一つ掛木古墳(西暦600年前後のものと推定されている)を見に行く。円墳で石室周りには大きくて立派な石が使われている、恐らく島に豊富な玄武岩を使ったのだろう、石棺も残されている。豊かな豪族が支配していた時代が偲ばれる。

 

Iki22

国民宿舎で昼食、終わるころまた次の団体が昼食に到着してくる、補助金が出るようになったこともあり壱岐旅行は人気のようだがこんな調子ではまたコロナがぶり返すかもしれない。
西の半島部の先端にある黒崎砲台跡と猿岩を見に行く。砲台は対馬海峡の守りに戦前建設されたもので現在は円形の穴があるだけだった。それでも歴史の一部となってきている戦史遺跡としてちょっと見応えがある、またいつか別の形でこんな用途ものを作らねばならなくなる時代が来るかもしれない、感じるものがある。
砲台近くに、壱岐では最も有名な景観となっている猿岩があIki23 る。写真では大したインパクトを感じなかったが現物を見ると違う、その立体感が素晴らしく猿に似ている、眉のあたりなど自然にできたとは思えないほどだ。しかしバスで少し進んだ地点から眺めると猿はどこにも見えない、岩の重なりで丁度そのように見えるポイントがあ るだけということのようだ。誰かがそのポイントを発見したのだろうがその人がエライ。

 

 

Iki24

 

少し南側の半島部に移動して鬼の足跡といわれる景観を見る。海食崖の一種ということになるが、それを含む広々とした海の眺めがいい。やはり壱岐は海がいいようだ。最後に壱岐最高峰(213m)の岳の辻の展望台を訪れる。Iki25 テレビアンテナや電波塔が林立しているが、島全体を見渡せる、田んぼも多く改めて自給自足で暮らしていける丁度いい大きさの島というものを感じる。

帰りはジェットフォイル「ヴィーナス2」で1時間10分で博多港へ帰りつく。フェリーの半分の時間だ。このジェットフォイルはボーイング製で、もうボーイングとしてはこの事業から手を引いているが未だに堅実に運用されている。KHIがボーイングからライセンス製造の権利を得て15隻くらい製造したようだが(壱岐航路のもう一つのジェットフォイル「ヴィーナス」はKHI製)現在は主に維持整備支援を行っているのだろう。走航中はシートベルト着用で動けないのはちょっとつらい。外の景色は窓側の席の人しか見えない、航空機でもシートベルト着用サインは巡行中は消えるがこちらはそんなことはない、ずっとだ。まあ早いから我慢するのだろう。

目まぐるしい壱岐の旅を終え博多港の駐車場からクルマを出して夕食に向かう。壱岐は思いのほか多相な歴史を抱えているようでもあった、学ぶことだらけだ。こんな旅もたまにはいい、しかしちょっと疲れた。

写真は順に、朝の大浜、原の辻遺跡、松永安左エ門記念館の自筆掛け軸、月読神社、掛木古墳、黒崎砲台跡、猿岩、鬼の足跡、岳の辻の展望台

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