芥川賞「おいしいご飯が食べられますように」を読んでみる
今年上期の芥川賞は何うだろうと、発表された文藝春秋9月号を図書館に予約していたらそんなに待たずに順番が回ってきた。予約を入れたタイミングがよかったのだろう。早速受賞作;高瀬準子作おいしいご飯が食べられますように を読み始める。端的に言えば会社人間模様小説で会社の狭い世界を舞台にして描いている、読んでいて楽しさがない、読 後感が何か足りない。ただただ視点を変えながら書いている。リアルというのだろうか。こんな小説が受賞とはとも思ってしまう。よく書いている文章ではある、技があってとても自分には書けない文章だ、作者は小さいころからひたすら小説を書いてきたようで、今後も職業的に書き続けることになるのだろう。
今回の芥川賞の最終選考に残った5作品はすべて女性作家の手になるものだったという。そういう年もあるのだろうが、小説を書くという作業ができてしまうのは男性よりも女性の方が多いそういう社会に日本はなってきたのかなとも思ってしまう。社会の特質のようなものを何か表しているような気もする、平安時代に戻っているのかもしれない。
そんなことを考えていると今年のノーベル賞の文学賞がちょうど発表された、アニーエルノーというフランスの女性作家だ。ここでも女性か、どんな人なんだろうと、早速数冊の著作を図書館に予約した。楽しみではある。
小説を読むのは心の健康にいい、もうだいぶ以前からそう思い続けている。頭の回路が現実に密着しなくて済むそういう時間が貴重のように思っている。
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