年の初めはコンサートから
去年の反省から今年は見れるものは見、行けるところは行く、というのを考えている。あと延ばししてはろくなことはない。
1月はコンサートに2つ出かけた、大体多くても月一つというのがこれまでのペースだった。
いずれもアクロス福岡で、1つ目は1月8日の九響ニューイヤーコンサートだ。
行く前はマンネリぽい印象だったが聴いてみると思った以上に楽しく新鮮で すらあった。幕開けは ウォルトンの「スピットファイア」前奏曲&フーガだ。ウオルトンの没後40年ということでこの曲が選ばれた、と指揮者下野竜也の説明がある、今日の選曲は生誕または没後何十年といえる人を軸に選んでいるともある。とにかく聞いたことのないイギリスの曲だがもしやと思って戻って調べると、やはりあの戦闘機スピットファイアのことだった、設計者の苦難の物語を描いた映画「スピットファイア」の映画音楽として作られた曲がこの曲だという。あのナチスが引き起こした英国への空爆に対する空の戦いバトル・オブ・ブリテンが起こって2年後の1942年に映画は作られ公開されている、大戦中の映画ということになる、イケイケどんどんの曲想がなくもない、名曲というにはきつい。しかし今現在の時代の雰囲気にどこか響く、令和のウサギ年は戦いが似合う時代なのかもしれない。
休憩後の後半からは歌が入る、これがまたいい。特に2曲目の「夜の女王のアリア」のソプラノがすごい。人の声とは思えないほどの高音を自在に操って聴かせる。ソプラノは鈴木玲奈という人だ、知らなかったがこの歌声には驚いてしまう、相当の実力の人だ。
最後の定番「美しく青きドナウ」は合唱が入ってこれも本当に美しい。合唱あっての曲だと改めて認識させられる。年の暮れが第九の合唱なら、年の初めも合唱がいい、年の初めこそとも思う。
この日の曲目は
ウォルトン/「スピットファイア」前奏曲&フーガ
パッヘルベル/カノン
ブラームス/ハンガリー舞曲第1番
ヴェルディ/「ナブッコ」序曲
ワーグナー/「ローエングリーン」3幕前奏曲
(休憩)
モーツアルト/「魔笛」序曲
/「魔笛」より「夜の女王のアリア」
ドヴォルザーク/スラヴ舞曲第一番
/「ルサスカ」より「月に寄せる歌」
J.シュトラウスⅡ/喜歌劇「こうもり」より「侯爵様、あなたの様な方は」
/ワルツ「美しく青きドナウ」
アンコール曲
グノー/歌劇「ロミオとジュリエット」より「私は夢に生きたい」
オッフェンバック/喜歌劇「天国と地獄」より カンカン
(ウォルトン没後40年、パッヘルベル生誕370年 、ブラームス生誕190年、ヴェルディ生誕210年、ワーグナー生誕210年)
なかなかのニューイヤーコンサートだったのもあり、続けてアクロスの切符を買ってしまう。
2つ目のコンサートは1月16日 東京6人組によるランチタイムコンサートだ。弦のないアンサンブルだ。
12時開演、聴き始めて改めて音が綺麗なのに感心する。初めのプロコフィエフのロミオとジュリエトを聴いていると気持ち良くてうつらうつらしてしまう。続くハイドンもハイドンらしい上下運動の様な響きがあってもアンサンブルの綺麗さは失われない。フルート、オーボエ、ファゴット、ホルン、クラリネット、ピアノというそれぞれ音の出し方が違う楽器の組み合わせというのがいいのかもしれない。ランチタイムということもあってアンコール一曲で終了。
こんな風にいい演奏を聴きひたすらのんびりと時を過ごしていくのがこの危なくなってきている時代には必要なことかな、そう思ってしまう。今年が兎に角いい年でありますように。
この日の曲目は
プロコフィエフ/松下倫士 編:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」(ハイライト)
ブラームス/夏田昌和 編:ハイドンの主題による変奏曲 op.56a
アンコール;ハチャトゥリアン:「ガイーヌ」よりレズギンカ
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