雨の連休初日はサクソフォーンのコンサートで
連休が始まったがあまり浮き浮きした気分にはもうなれない。予想通り雨となったのもある。そうはいっても、29日にある九響とサキソフォンの須川展也が共演するというコンサートがちょっと気になってチケットを買っておいたのでとにかく街へ出かけた、天神のFFGホールだ。須川展也の名はどこかで聞いたような位だった が前回の九響コンサートでもらったビラで日本のクラッシク界ではナンバー1のサキソフォンプレーヤーとあったのが引っかかった、自分自身昔福岡にいた頃ブラスバンドでテナーサックスを吹いていたということもある。雨だからクルマにしたいところだが連休初日の雨とあってめぼしい駐車場はどれもネットで満表示が次々に出てくる。公演が終わるのは17時頃でその頃が雨のピークと予想していたがどうしようもない、あきらめてバスにする。天神で降りて直ぐ近くの地下街入り口から地下に入る。雨に風も加わってバス待ちや地下に入るまでの少しの間にも小ぶりの折りたたみ傘では結構濡れてしまう。しるしい。
地下街を抜けるがFFGホールには地下街からそのままは行けない。一旦地上へ出てまた傘をさして地下へ降りる。
開演40分前位に着いたがもう人が続々来ている。席は前のブロックの最後列で悪くはない、傾斜もあって舞台に近い感じでよく見える。壁が面白い。
オーケストラは40数人で小ぶりだ。ビラに室内オーケストラと書いてあったのはこういうことか。第2バイオリンが少ないかなとの感じがする。ラベルのクープランの墓から始まる。こんな曲だったっけとの思いで聴くが綺麗な曲だ。サキソフォンの須川 展也の登場は次の真島俊夫の曲「シーガル」からだ。白っぽいシャツに赤い還暦記念アルトサックス(ヤマハ)を携えて現れ、演奏。歌うように柔らかな音、クラシックともいえないような雰囲気だが豊かな音楽がある。この後指揮者太田 弦と須川 展也による解説トークを挟む、須川 先生!との間柄と弦。 次は挾間美帆のサクソフォン・ソナタ 第1番「秘色(ひそく)の王国」。今回の管弦楽版は[世界初演]!でこれが今日の目玉の様だ。これも須川 の委嘱で作られた曲という。始まりは、何だ現代音楽か、という調子だがすぐにジャズっぽくなっていい感じとなる、いい曲だ。特に3楽章がダイナミックだ。オーケストラとサキソフォーンのせめぎあいが白熱する。切れ味がいい。アンコールにはアルルの女よりサクソフォンソロ。やわらかい、優しい、豊か、いかにもクラシックのサキソフォンだ。休憩後はビゼーの交響曲 ハ長調、(サキソフォンは無し)。ビゼー17歳の作品との説明がある。曲を聴く。若い、それに尽きる。若さの勢い、単純さ、未来へ向かう、そんなものが端々に感じられる。しかし面白い曲だ。
知らない曲ばかりを聴いた、しかし今日のような曲が九響には向いているのではないか、響きがいい、歯切れがいい、そんなことをふと思ってしまった。
帰りは予想通り厳しい雨となる。隣のビル地下の食堂街で夕食しバス停のある大丸前まで地下街を歩く、人出が多い、この街らしい若さがある。バス待ちは長くはないが激しい雨で屋根はあってもまた濡れる。
こんな風にして連休初日は過ぎて行った。こんな日々が続くならそれも面白い。
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