AIとアメリカジガバチと
このところ AIを何らかの形で規制すべきという議論がうるくなってきているが、とにかくAI技術は進み方が早く未来に大きな影響を与えうるのは確かなようだ。チャットGPIでまだ遊んでいる、トンチンカンさは相変わらずだが和文英訳をさせるとgoogle翻訳よりもこなれた英語を返してくれるとか、色々使いでがあるようだ。
近頃進んできたと感じるのは写真に撮った花などの生き物の名前の判別だ。Googleの画像検索では以前は的外れな回答が結構あったのだが、このところ調べているものは100発100中の感じだ、ハキダメギクなど一発で判定してくれた。裏でAIが動いているのは間違いない。 つい2日ほど前でも、外の井戸水の蛇口の近くで見かけない蜂の様な虫が湿った地面を盛んに気にして何かやっているのがいる、何という虫だろうととりあえず写真に撮って(下の写真)一段落したところでgoogleの画像検索で調べると、出てきたのは英語のページばかりで、mud-dauberと出る。初めて聞く名前だが写真を見る限り殆どあたりの様だ、信じられないくらいあっさり当たる、日本語のページが出てこないのはそれを書いたページが少ないからな のだろう。日本名を探す方が骨が折れる。Sceliphron caementariumという学名から辿って日本語のページを探すとアメリカジガバチという名称に行き当たる。どうやらこれがmud-dauberの日本名のようでこのアメリカジガバチの画像を検索して出すとまさについ先ほど自宅庭に現れた虫と同じとわかる。AIの助けを借りなければボケた写真からここまでたどり着くことは容易にはできなかっただろうと思う、いい時代になった。
日本大百科全書(ニッポニカ)のアメリカジガバチの項では日本には戦争直後の1945年に侵入、原産地は北米とある。米軍が物資とともに連れてきた虫ということになる。平凡社世界大百科事典では1946年東京付近に侵入ともある。いずれにせよ敗戦の象徴的な虫の様だ。これまで見なかったように思うのは栃木に長く住んでいたためなのかもしれない、栃木には米軍進駐の痕跡は殆ど見られない。ここ福岡は朝鮮戦争のおかげもあって長らく米軍が居座っていた、アメリカジガバチが如何にもあちこちに住み着いていそうだ。
もしかしたら世界での米軍の展開とアメリカジガバチの世界的分布は一致しているのかもしれない。思いは拡散していく、面白い。
確かに事物の認識という基本的なところにAIは強力な影響を与えうる、人類はこれを警戒しながらも便利に使って認識の地平を拡大していく方向に進んでいくのは避けがたいことなのだろう。
| 固定リンク
コメント