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2023年8月20日 (日)

山鹿灯篭千人踊りを見る、ゆっくりしたテンポがみやび

お盆の季節になった。お盆というとかっては盆踊りが定番で以前住んでいた宇都宮の住宅団地ではこの時期団地内の公園で盆踊りが開かれていた、しかし住宅地だけに周辺住民に対する騒音などの影響が問題視されるようになり盆踊りはその内やらなくなってしまっていた。福岡に転居してからも盆踊りは近くではお目にかからない、この地では小学校校区ごとに夏祭りが行われているようで今住んでいるところでは盆踊りのない夏まつりだけだ。小学校校庭での盆踊りを維持している地区もあるようだが、よそ者としてわざわざ出かけていく気にもならない。
九州の盆踊りとして映像的に気になっていたのは灯篭を頭につけた女性たちで踊られる山鹿灯篭踊りだ。一般の人が参加できる普通の盆踊りではないが数百年の歴史があるようで珍しく、写真で見る限り綺麗で一度は見るべきかと思っていた。この頃は一度は見るべき=今見るべき と解釈せざるを得ない年齢になってきているが、そんな折山鹿灯篭千人踊りバスツアーの広告を見つけこれこれとばかり申し込んだ。博多駅帰着が0時近くなってそこからは何とかタクシーを見つけて帰るしかないのが気になったが、何とかなるだろう、ならなくても大したことにはなるまい、と自分自身に言い聞かせながらその日を迎えた。8月16日のことだ。このツアーも全国旅行支援の対象で、ツアー代金20%補助、買い物ポイント1人2000円分が配られる。どうもこの施策は地域の経済活性化に有効ととらえられているところが多いようだ、なかなか終わらない。
昼過ぎに福岡を出発して、買い物ポイントを使える道の駅に寄って買い物をしたりブドウ園に寄ったりしながら17時半ころに山鹿の駐車場に到着、市内を歩く。千人踊りの会場は18時30分に開場19時頃から催しが始まるというので、ツアーはばらけて、八千代座という昔風の芝居小Yamagatoro0816ca1 屋を覗いて見たり、山鹿灯篭民芸館で山鹿灯篭について学んだりしながら会場となっている小学校グランドへ向かう。ぶらぶら見ていくと山鹿は思いのほか歴史的な文化遺産が残っている、面白い。そうでなくとも祭りの雰囲気で満ちている街はとにかく楽しい。
会場では子供踊り、和太鼓演奏や市長挨拶があったあと千人踊りに移行するのだが心配された雨がぽつらぽつらと落ちはじめ、慌ててお囃子隊の上の雨よけテントの設営などが始まる、雨模様なのはわかっていたはずなのに手際がいいとは言えない。踊り子が入場し始めると頭につけた灯篭にはビニールの雨よけがかぶせてあってやや興を削ぐ。雨の方は暫くするとパラパラも落ちなくなって、頃合いを見計らって灯Yamagatoro0816ba 篭のビニールカバーは取られる、この辺りは手際がいい。1000人というと結構な人数で入場だけでも時間がかかって神社の神主さんの儀式が行われた後やっと踊りが始まる。地元の民謡「よへほ節」のゆったりしたテンポで踊りが進む。優雅だ。時々照明が落ちて頭につけた灯篭の明かりが揺れる、綺麗だ。曲が代わったりしながら続いていく、ただただ眺めるだけだが心地よい。21時の終了予定時刻の10分くらい前になって雨粒がはっきりと落ちだして、スタンドでは傘をさすわけにもいかず観覧席から退散する。踊り子はまたビニールをつけたようで踊りは続いていく、観覧席を降りたあたりで人の頭越しに眺めていると照明が紫に変わったりする、やり過ぎ照明と思ったが戻ってSNS投稿などを見るとこれが幻想的でよかったという声も結構あって、そういうものかと思ってしまう。確かに写真映えはする。

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ツアーバスは22時出発予定のところ全員が10分前には戻ったので早目の帰路出発となった、ここでも暗い中全員がバラバラに離れた集合場所によく戻れると感心してしまう。
博多駅帰着も予定より20分くらい早く、とにかくタクシーで自宅へ戻れたのだが、前日来の新幹線の混乱がこの日も深夜まであとびいたせいかタクシー待ちは長い行列となった。これも時代と共に生きている感じで生々しく、思い出になる。
 
山鹿灯篭踊りはもう見ることはないだろう、見ておいてよかった、振り返って素直にそう思える。限りある命の残り何回目かの夏が静かに過ぎて行く。

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