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2023年10月30日 (月)

市野あゆみ・安永徹による室内楽をアクロスで聴く

月1-2回クラシックのコンサートを聴くことにしている、今月は2回で2つ目は 安永徹&市野あゆみ珠玉の室内楽 と銘打ったアクロスのコンサートを10/28に聴きに行った。土曜日の15時開演ということでそのあと外で夕食というのもいいか、丁度もらったグルメチケットが手元にあって使うのにいいタイミングかなと気楽な気分だ。
ちょっと不安定な天気でクルマでがいいかもと出かけた。街はどことなく混んでいる。
演奏するのは安永徹&市野あゆみに九響の若手弦楽奏者が4人加わった形で、臨時編成メンバーだ。そもそも安永徹(vi)&市野あゆみ(p)という名前はどこかで聞いたような位だったSitunaigaku1028 が聴き終わった後調べてみると二人ともかなりの経歴の持ち主で安永はベルリンフィルの第一コンサートマスターをつとめていた、福岡市出身、ともある、それに二人は夫婦だともいう、年齢は70歳前後だ。へーという感じがしてしまう。

この日の演奏は、ミヨー、ヒンデミット、トゥリーナ、ワインガルトー という4人の作曲家の作品を順に演じ、現代音楽から時代を遡っていく感じのプログラムとなっている。ヒンデミットの曲など典型的な現代音楽で、安らぎは得られない心地がする、しかし音色そのものが美しい。ワインガルトーまでくると、聴きやすいが、第一次世界大戦前の古くて植民地支配の上に乗っていた滅ぶべきヨーロッパの最後の幻影のような感じがしてくる、生々しい当時の欧州の姿が浮かんでくるようだ。音のバランスを含めた音の響きそのものは美しい、曲の選定の巧みさといい、終わった後の心に残る印象といい,いい演奏だったように思う。アンコールは無い、それは求めすぎというものだろう。17時過ぎに演奏終了。ゆっくりと歩いて予約していたレストランRoji銀に向かう、この食事も予想以上だった。こんな秋の日は何度でもいいと思う。

この日の演奏:
出 演
ピアノ/市野あゆみ
ヴァイオリン/安永 徹
ヴァイオリン/山下大樹(九州交響楽団)
ヴィオラ/ブライアン・ルー(九州交響楽団)
チェロ/山本直輝(九州交響楽団)
コントラバス/皆川直輝(九州交響楽団)
曲 目
ダリウス・ミヨー:2つのヴァイオリンとピアノのためのソナタ op. 15
パウル・ヒンデミット:弦楽のための8つの小品 op. 44-3
ホアキン・トゥリーナ:ピアノ三重奏曲 第1番 op. 35
フェリックス・ワインガルトナー:ピアノ六重奏曲 ホ短調 op. 33

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2023年10月22日 (日)

村上春樹の「街とその不確かな壁」 を読む ノーベル賞は無理かな

今年2023年の4月に久し振りの村上春樹の長編が出版されてすぐに図書館に予約を入れておいたのだが、長い待ち行列ができていてつい1週間前にやっと順番が回ってきて借り出した。6か月かかったということになる。珍しくも著者あとがきのある小説だ。めったにみない。ちょっと頭の方を見た後あとがきを読んでみる。何と「羊をめぐる1_20231022230301 冒険」」より前に書き上げた同名の中編小説(文学界1980年9月号掲載)の大幅焼き直しとある。読み始めた感じが昔懐かしい春樹スタイルだという印象を受けたのはそういうことかと合点する。架空の世界をすかすか感のある書き方で書いている。乾いている。先ほど読み終えたが、パラレルワールドものという言い方で分類したくなる小説だ、プラトンの洞窟の比喩というより、SFの世界では時々現れる形式のような気がしてしまう。今回の本は655頁の長編だが普通に読んで6日で読み終えた、すらすら読める。読了直後の印象は、読んでいて引き込まれる小説だがこれはノーベル賞には無理かな、というものだった。ノーベル文学賞はその文学がオーバーに言えば世界史的な意義があるものかという基準で授与されているような気がしているが村上春樹はもはやその段階は通り過ぎたような感じがしてしまう、特別感がしない。あとがきに引用されているホルヘ・ルイス・ボルヘスの言葉ー作家は限られた数のモチーフを手を変え品を変え様々な形に書き換えていくだけだーというのが一番生々しい記述のように感じてしまう。
色々感じるが読みやすくて面白い小説であることには違いない。秋の夜長はやはり読書に限るのだろう。

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2023年10月15日 (日)

クープランの室内楽をアクロスの新・福岡古典音楽祭2023で聴く

クープランの室内楽コンサートがアクロスの新・福岡古典音楽祭2023の一環のランチタイムコンサートとして開かれるというので聴きに行った。地下のうどん屋で昼食し11時半開場まで少し待つ。12時開演、結構入っている。クープランというとラヴェルのクープランの墓という曲でその名前は知っているが、クープラン自身の曲をきちんと向き合って聞いた覚えがない、フランスのバロックを代表する作曲家ということのようだ、ヴェルサイユ宮殿の響きということになるのだろう。こ13409_1_l の日はバロックヴァイオリン、バロックチェロに、クラヴサン(チェンバロ)、バロックオーボエ、バロックフルートの入った5重奏だ。「劇場風」(11曲)「フランス人」(9曲)「スペイン人」(10曲)の3組曲が演奏されたが組曲ごとに演奏者は一旦退場するもののいわゆる休憩はない。1時間半くらいで結構長い。始まるとどこを演奏しているのかわからない。しかし響きは心地よいしリズム感・歯切れの良さ・空気感どれも演奏が一流であることは聴き始めて直ぐにわかる、とにかく心地よい、ずっと聴いていたくなる、考えが走る、眠くなる、まどろむ様な状態でずーと音に浸り続ける感じがいい。
渡された解説の表記通りの内容でもない、「スペイン人」の最後はフラメンコ風と書いてあるがそんな感じは全くしない、しかしそんなことはどうでもいい、こんなコンサートもあるものだと思ってしまう。音そのものがいい、快い。
1時間半だがもっと長い時間がたったような気がする頃終了、勿論アンコールはない、これ以上演奏してくれというのは酷な気がしてしまう。有難い時間をもらった気持ちが残る。軽い疲労感も残る。

いいコンサートだった。秋の日がするすると過ぎて行く。

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2023年10月 7日 (土)

ノーベル文学賞受賞者ヨン・フォッセの「だれか、来る」を読んでみる

ノーベル賞の季節だ。2日前テレビをぼんやり見ていたら文学賞の発表が速報で流されて今年の受賞者はヨン・フォッセと報じる。全く聞いたことのない人だ。どうも劇作家らしい、とにかく何か読んでみたいものだと市立図書館を検索する、1件だけ引っかかったが、もうすでに予約が入っていて3番目だすぐには来ない、それにインタビュー記事のようで作品でもないようだ。それではと代表作の一つとしてwikiなどに出てくる「だれか、来る」の載っている雑誌はないものかとグーグル検索してみると、見つかった。舞台芸術 という京都造形芸術大学舞台芸術研究センターが出している雑誌の05号に全文が掲載されていることがわかる。これこれとこの雑誌を市立図書館の蔵書で探すと、この05号が1冊だけ見つかった、すぐに予約する、待ちはない。1日置いて今朝Butaigeijyutu 一番でネットで調べると近くの図書館に届いているとわかる、便利な世の中になった。午前中に借り出してさっそく読んでみる。
詩のような短い言葉のやりとりだけで構成されていて37ページくらいなのでそれほど時間をかけずに読んでしまえる。「小説は言葉が多くなる。言葉の向こうにある世界を書きたかった」というヨン・フォッセの言葉がこの雑誌の主宰者である太田省吾によって紹介されているが、まさにそのような、通常の戯曲からコアの部分だけを取り出したような作品だ。登場人物は3人、彼、彼女、男 と書かれ名前はない、場面も海辺の家の外と内でほぼ同じ、それでいて直接的リアリティがある。要約することが難しい。1996年オスロで初演だから最新の、とは言えないが、新しい。
でも、これがノーベル賞!、というのが偽らざる最初の印象だ。舞台を観なければとも思う。日本初演は太田省吾によって2004年になされており、今後も注意していれば観る機会を見つけることもあるだろう。
ボブディランやこのヨン・フォッセが受賞する時代だ、村上春樹はなかなかかな、そんなことも感じてしまった。面白い時代だ。

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2023年10月 6日 (金)

「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」特別展を太宰府で見る

太宰府の九州国立博物館で「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」という特別展が開かれていると新聞やテレビで紹介があることもあって、平日なら混んでもいないだろうと出かけた。ここの博物館で気になるのは昼食をどうするかだ、コロナ前なら博物館の1階コーナーで簡単な食事ができたりホテルのレストランも出店していたりで昼食の心配はなかったのだが、コロナ以降食事施設はすべて閉じられた。それでもキッチンカ―が来たりしてなんとか食べれるようにはなっていたのだが念のため電話で確認するともうキッチンカーはやってないという。ビジネスとして成り立たなかったのだろう。ともかくコロナ以来世知辛く窮屈になってきた感をあちこちで感じる。しょうがない。昼前に出て途中のファミレスでランチを食べることにして出発する。
1時少し前に入館、そんなに混んでいない、見るにはちょうどいい感じだ。予備知識は殆どなかった、インディジョーンズが出てきそうな古い遺跡がメキシコにはいくつもあるという位だ。後で調べるとこの展示会は今年の6月-9月の期間に東京の国立博物館で開催されたのが巡回してきたもので、ここを終わると来年2月は大阪となっているようだ。それなりの規模だ。遺物の年代は最も古いもので(写真左のひすい石偶)紀元前11-前5世紀位で表記に5-Dsc_0158x 600年の幅を持たせてある、出土品だけからは年代決定が細かくはできないようだ。縄文後期くらいだ。アメリカ大陸の原住民はベーリング海峡を越えて北米に入ったと言われておりどこかで縄文とつながっているかもしれない。デフォルメされた人物像はどれも大きな耳の丸を持っていて気になる、福耳が豊かな印だったのだろうか。小さな粘土像のリアルな造形も気になった(写真下左から3つ目)、可成り巧みな技術を持った民族のように思える。16世紀前半にスペインの侵攻を受け略奪破壊で文明は終わる。最後にスペインの収奪を逃れた金製品が最近発見され展示されていた。何とも痛ましい思いがする。それにしてもこの文明はどのようにして形成されたのだろうか、古代メキシコの壮大なピラミッドには実はエジプトの知恵が伝わっていたということはないのだろうか。
人類は本当はどのような歴史を経験してきたのだろうか、まだまだ謎だらけだ、そんなことを考えながら会場を後にした。

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2023年10月 3日 (火)

7回目のワクチンを丁度カリコさんのノーベル賞受賞発表の日に打つ

7回目のコロナワクチンの接種券が福岡市から2週間くらい前に届いて早速近くの医院を予約しておいた。もう完全にルーチンワークの感じがする。こういう繰り返しがいつまで続くことになるのだろう。予定の接種日が来て昨日打ちに行った。午後の一番乗りですぐに打ってくれる。戻ってゴロゴロしていたがこれまでの内では副反応があまりないような気がしていた、手のしびれもない。が、翌朝になるとやっぱりちょっと変だ、前回の接種同様 朝かなり早く目が覚めて睡眠のリズムが狂うようだ。熱はないので大したことではないが何となく気分がすぐれない。前回の時よりはましのような気がする。コミナティRTU筋注(1価:オミクロン株XBB.1.5)というのがワクチン名称のようで5,6回目のコミナティ(2価:BA.4/5)とは少しは違うようだ。調べると今最もはやっていて免疫を逃れうるオミクロン株の変異株XBB.1.5を有効に抑え込むワクチンということになる。流行の大半がこの型になりつつあることから1価でいい(1種類のウイルスに対応するのでいい)という判断のように見える。ファイザー/ビオンテックのものだ。
ワクチンも打ったし、と、ゴロゴロしてテレビを見ていたらニュースのテロップでノーベル賞生理学賞・医学賞にmRNAワクチンを開発したカリコさんが受賞と流れる、ハンガリーから逃れるように渡米して一途にmRNAワクチンを完成させコロナのパンデミックに間に合わせた、物語のような人生を送っている人だ。Kariko 記者会見の模様が流されていたが、(海外の)記者から副作用は問題ではないのかというどうかと思うような意地悪な質問を受けていた、だれが見ても人類を救った研究を成し遂げた人だ、的外れな非難を浴びせる権利が記者にはあるのだろうか? ジャニーズ事件での記者会見の記者質問でも同じようなことを感じる、マスコミはそんなに偉いのか、そういうあんたは今まで何をしていたのだ、そういってやりたくなる。色んな意味で民主主義の限界が見えてきているのもこの頃の雰囲気の様に思えている。我々は一体どこへ向かっているのだろうか。

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2023年10月 2日 (月)

2023年9月の福岡市南区周辺の野鳥

暑さは続き、冬鳥と夏鳥の入れ替わりが長引いているようで鳥の姿が少なくなっている。鷹の渡りはいつも通り始まっているようだが今年はうまくは出会えない。こんな年もある。手元のメモに残された記録は下記の通り:

2023.9.1 10:10 雨 風力0-1 8Cu/Sc010 福岡市城南図書館裏西ノ堤池の野鳥 マガモ11、ホシハジロ♀1、アオサギ1、スズメ5+、ドバHoshiha0901a1a1 ト3

202Banoyako0904aa1 3.9.4 17:00 晴れ 風力1-3  福岡市南区長丘周辺の野鳥  中公園:ムクドリ30±、スズメ3、ヤマガラ疑1、 新市楽池:バン2(親子)、マガモ1

2023.9.7 13:20 晴れ 風力1-2 福岡市南区長丘周辺の野鳥  中公園:スズメ30+(砂浴び有)、ドバト(カラスバト似)1、新市楽池:バン若1 鹿助池:チュウダイサギ1、カワウ1、アオサギ1、スズメ10±、ドバト30±、ムクドリ10±

2Magamokiageha0911a 023.9. 14:30 晴れ 風力1-3 2Cu050 福岡市城南図書館裏西ノ堤池の野鳥 マガモ14、ホシハジロ♀1、バン2(成鳥+若)、スズメ5+、

2023.9Aosagi0911ba1 .11 15:30 晴れ 風力1-2 3Cu030 福岡市南区長丘周辺の野鳥  中公園:メジロ声2、アオサギ1、 新市楽池:マガモ1、メジロ声1、スズメ6 、鹿助池:カワウ1、マガモ2、ドバト声、

2023.9.14 15:40 曇り 風力1-2 8Cu020 福岡市南区長丘周辺の野鳥  中公園:メジMejiro0914b12a1 ロ/エナガ/シジュウカラ/コゲラ約20混群、 新市楽池:バン若1,

2023.9.Sijyukara0914e1 15 14:00 曇り 風力1-2  福岡市城南図書館裏西ノ堤池の野鳥 カワウ2、マガモ4♂♀、アオサギ1、

2023.9.18 17:15 晴れ 風力0-1 6Cu/Ac070 福岡市南区長丘周辺の野鳥  中公園:ゴイサギ若1、 新市楽池:マガモ1,

2023.9.20 16:30 曇り 風力0-1 7Ac070 福岡市南区長丘周辺の野鳥  中公園:チュウダイサギ1、コゲラ疑ドラミング1、ムクドリ3-4、 新市楽池:なし 鹿助池:マガモ2、

2Hoshigoi0918aa1 023.9.24 13:00 晴れ 風力1-3 1Ci200 福岡市南区長丘周辺の野鳥  中公園:ハクセキレイ1、スズメ4、 新市楽池:バン1、ハシボソガラス1 鹿助池:チュウダイサギ1、アオサギ1、マガモ1♂、ドバト12、スズメ、シジュウカラ1-2、ムクドリ7+、

2023.9.27 1Cyudaisagi0924a 1:30 晴れ 風力0-2  福岡市城南図書館裏西ノ堤池の野鳥 マガモ7、イソヒヨドリ♂1、ホシハジロ♀1、ドバト30+、

2023.9.28 13:00-14:00 晴れ 風力1-2 4Cu050 福岡市油山片江展望台の野鳥  メジロ声

2023.9.29 16:10 晴れ 風力0-1  福岡市南区長丘周辺の野鳥  中公園:なし 新市楽池:マガモ1

2Tobi0930a2 023.9.30 11:00 晴れ 風力1-2  福岡市城南図書館裏西ノ堤池の野鳥 マガモ2、バン3、ドバト30+、スズメ5、トビ1


写真は上左から  ホシハジロ(9/1西の堤池)、バン親子(9/4新市楽池)、マガモ・キアゲハ(9/11新市楽池)、アオサギ(9/11中公園)、メジロ(9/14中公園)、シジュウカラ(9/14中公園)、ホシゴイ(ゴイサギ若)(9/18中公園)、チュウダイサギ(9/24鹿助公園)、トビ(9/30西の堤池)

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