市野あゆみ・安永徹による室内楽をアクロスで聴く
月1-2回クラシックのコンサートを聴くことにしている、今月は2回で2つ目は 安永徹&市野あゆみ珠玉の室内楽 と銘打ったアクロスのコンサートを10/28に聴きに行った。土曜日の15時開演ということでそのあと外で夕食というのもいいか、丁度もらったグルメチケットが手元にあって使うのにいいタイミングかなと気楽な気分だ。
ちょっと不安定な天気でクルマでがいいかもと出かけた。街はどことなく混んでいる。
演奏するのは安永徹&市野あゆみに九響の若手弦楽奏者が4人加わった形で、臨時編成メンバーだ。そもそも安永徹(vi)&市野あゆみ(p)という名前はどこかで聞いたような位だった が聴き終わった後調べてみると二人ともかなりの経歴の持ち主で安永はベルリンフィルの第一コンサートマスターをつとめていた、福岡市出身、ともある、それに二人は夫婦だともいう、年齢は70歳前後だ。へーという感じがしてしまう。
この日の演奏は、ミヨー、ヒンデミット、トゥリーナ、ワインガルトー という4人の作曲家の作品を順に演じ、現代音楽から時代を遡っていく感じのプログラムとなっている。ヒンデミットの曲など典型的な現代音楽で、安らぎは得られない心地がする、しかし音色そのものが美しい。ワインガルトーまでくると、聴きやすいが、第一次世界大戦前の古くて植民地支配の上に乗っていた滅ぶべきヨーロッパの最後の幻影のような感じがしてくる、生々しい当時の欧州の姿が浮かんでくるようだ。音のバランスを含めた音の響きそのものは美しい、曲の選定の巧みさといい、終わった後の心に残る印象といい,いい演奏だったように思う。アンコールは無い、それは求めすぎというものだろう。17時過ぎに演奏終了。ゆっくりと歩いて予約していたレストランRoji銀に向かう、この食事も予想以上だった。こんな秋の日は何度でもいいと思う。
この日の演奏:
出 演
ピアノ/市野あゆみ
ヴァイオリン/安永 徹
ヴァイオリン/山下大樹(九州交響楽団)
ヴィオラ/ブライアン・ルー(九州交響楽団)
チェロ/山本直輝(九州交響楽団)
コントラバス/皆川直輝(九州交響楽団)
曲 目
ダリウス・ミヨー:2つのヴァイオリンとピアノのためのソナタ op. 15
パウル・ヒンデミット:弦楽のための8つの小品 op. 44-3
ホアキン・トゥリーナ:ピアノ三重奏曲 第1番 op. 35
フェリックス・ワインガルトナー:ピアノ六重奏曲 ホ短調 op. 33