芦屋で砂の彫像展を見る
玄海灘に面する芦屋で砂の彫像展があっているという。芦屋というとすぐに思い出すのは芦屋からの飛行というアメリカ映画があったことだ。芦屋飛行場は昭和28年まで米軍の朝鮮戦争の前線基地であり芦屋の街は当時米兵で溢れていたらしい。今は航空自衛隊の訓練基地で何度か街を訪れたことがあるがあたりにミリタリ色はあまり感じられない。
芦屋の砂像展は数年前にも開かれていた記憶があり一度は見てみるかと思っていた、天気のいい日に出かけてみた。場所は芦屋海浜公園(アクアシアン)内特設会場で夏は泳ぐのにいい浜に設置されているようだ。オフシーズンの催しとしてということかもしれない。入って眺めていくと迫力のある砂像の制作者の中心は海外勢だった、思いもよらない感じがする。さっぽろ雪まつりの砂版かと思っていたらそういうことではないようだ。
入場の時に渡されたパンフレットを後でよく見てみると、国内のあちこちで開かれる砂像展の仕掛け人は概ね同じ人(茶圓勝彦氏)のようだと分 かってくる。去年訪れた鳥取砂丘にある砂の美術館の企画・プロデュースを行っているのもその人だ。世界的にも一定の数の砂像彫刻者が存在し続け彼らとつながりの上にこのような砂像展が開催できているということなのだろう。砂像彫刻はさっぽろ雪まつりのように自衛隊などが出て大勢で作るものではなく基本的には普通の彫刻と同じで一人で作るものらしい。制作には大体1-2週間位かけるようだ。日本には数えるほどしか砂像彫刻家と呼べる人はいないようでもある。
作品を歩きながら見ていく、それぞれによくできている。
今回の砂像展はテーマが昆虫で、海外の作家の作品にも日本の昆虫を調べてそれらを組み合わせ砂像を完成させたのが幾
つかあったりする、会期が終わったら壊されるというのでは惜しいとも感じさせた。
訪問後しばらく経つと作品のディテールは頭の中からどこかへ飛び去ってしまう、でも知らない世界に触れた思いは残り続ける。少しでも知ってる世界の境界線を拡大したい、その気持ちが眼前に展開する自分にとっての世界を支え続けているような気がしている。
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