ジェット気流の波うちと少子化と
このところ早春にしては極端に暑いが続くかと思えば少し前には極端な寒気が北半球のあちこちに記録された。記憶に新しいのは米国大統領選挙に向けたアイオワでの共和党予備選挙の日の極寒だ。1月15日北米中部は記録的な寒さに襲われ、州都デモインでは午後6時で-19.2℃、午後9時で-20.6℃(投票開始は午後7時)という気温だった。この日の最低気温は-27.2℃という恐ろしい値だ(デモイン国際空港での計測値)。
勿論こんな寒さは波打つようにして北から寒波が下りてきた結果だが、今年はどうにもこの波うち(解りやすくはジェット気流の波うちということになる)が激しいような気がする。もとはといえば地球表面の温度分布が北極と赤道では大きく異なりこれを何とか平準化しようとする(すなわちエントロピー増大させようとする)物理現象の結果ということができる。波うちが大きくなっているように感じるのは赤道付近と北極付近の気温差が歴史的に見ればじりじりと大きくなっているの だろう、これを平準化する地球の努力も次第に激しくならざるを得ないのだろう。こんな寒暖差を人為的になくそうとする努力は台風をなくそうとする努力のようなもので人間にできないということはなかろうが途方もない企てになるだろう、変化を予測してそれに耐えるよう備えるというのが政治家の務めだろう。チグリスユーフラテスの洪水に備えたのが人類文明を進化させたように地道な努力が人類を前に進める知恵を生み出すのだろう。能のない政治家あるいは活動家ほど悪いのは温暖化だといいたがる、とんでもない。
歴史的に見れば人類という生物の地球支配は過度になっているのではないか、人口が増えすぎているのではないか、そう考えるのはもっともなことではある。もし自然界がこのような一生物の暴走を防ぐように仕組まれているものならば、その歯止めの減少が自然に現れてきてもおかしくはない。そう考えると近年各国で進む少子化は実はそのように仕組まれた結果なのではあるまいか。いい生活を求めようとする基本的な欲求が出生率を次第に抑えるようになり人口が減少するに至る。減少は過ぎると他生物の増大を招きどこかでまた人類の人口増加に移るだろう、ジェット気流の波動のように地球には環境を保とうとする物理的仕掛けが幾つも仕組まれているおかげで長期にわたって安定した状態を保ち続けているのだろう。そう考えると何やら気楽になる。温暖化も少子化も当たり前のことが起こっているだけだと安心できる。のんきに日々を過ごすことが幸せというものなのだろう。
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