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2024年2月13日 (火)

笠置シズ子の砂古口による評伝がなかなかで

朝ドラで笠置シズ子が演じられていてなかなか興味深い、ドラマではいろいろ脚色もあるだろう、本当はどんな人だったのだろうと図書館に笠置シズ子の評伝を2つばかり予約してみた。すぐ来たのが「昭和の日本を彩った「ブギの女王」一代記」 というのだったが、それほど印象深い気もせずに内容も忘れたころ次の「ブギの女王・笠置シヅ子 : 心ズキズキワクワクああしんど 」が回ってきた、こちらは予約がだいぶ入っていて2か月以上待った感じだ。砂古口 早苗(さこぐちさなえ)という女性ノンフィクションライターが丹念な資料調査や現存する関係者インタビューに基づいて書いた本で、かなり細かい。おそらく笠置シKasagisizuko ズ子の最も確からしい評伝と思われる。ドラマは勿論創作は多々あるが凡そ事実に従って進んでいるとわかる。
笠置シズ子の名は子供のころには知ってはいたが淡谷のり子の方がテレビで時には歌っていたこともありまだ頭に残っている。淡谷のり子はおばあさん歌手でどこがブルースの女王か、と当時いぶかしげに思っていた。この本を読むと笠置シズ子はマネージャーの大金持ち逃げ事件があったり美空ひばりが入れ替わるように出てきたこともあったのか絶頂期を少し過ぎたあたりで早く歌手を引退したという、それがためにその印象がその後の世代にあまり伝わらなかったのかなとも思ってしまう。これとは別に美空ひばりと山口組田岡会長との深いつながりやひばり母の君臨など戦後の芸能界の良く知らなかった裏事情が細かく書いてあるのに興味を惹かれる。笠置は闇社会とのつながりを拒絶し通して生きてきたという、こんなところもマスコミのひばり母や闇社会への忖度で笠置のポジティブブな印象がその後の世代に伝わりにくかったということに影響しているような気がしてくる。だんだん分かった来るような気持ちになる、なかなかの本だ。

実際はどう歌っていたのだろうか、もう少し笠置の音源や映像を探してみねば、そんなことばかり湧き上がってくる。

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