ローマ展を見る
正月から3月までの期間にはいろいろ博物館や美術館で興味深い展示があって、見なくてはと思っているうちに時がするすると過ぎ去ってしまって少々慌てている。すぐにも終わりそうな「永遠の都 ローマ展」というのをまずは見に行った、大濠公園にある福岡市美術館での開催だ。例によって放送大学の学割で入る。そんなに混んでいない。ローマのカピトリーノ美術館所蔵が中心という。よく知らなかったが世界的に最も古い美術館といってもいい歴史があるらしい。コロッセオの北西600mくらいのところにあるようで、フォロロマーノのそばでもありいかにも古い都の中心部にある美術館という趣があるようだ。
福岡展の目玉はカラヴァッジオの洗礼者ヨハネの絵画となっているようだが、展示として印象的なのは数多くの彫像やレリーフだった。20数年前にローマを訪れた時に感じた彫物芸術がローマの特徴というのを改めてここでも感じてしまう、圧倒的だ。カエサル、アウグストゥスといった支配者の像ばかりでなく女性の胸像や老女像といった生き生きとしたその時代を感じさせる像もあり像として残すということが色々なレベルで行われていたというあたりが感じられて興味深い。現代は残すといえば写真ばかりだがそのうち立体写真や像で残すということがはやり始めるかもしれないなどと思ってしまう。それとは別に美術系の教育で用いら れる石膏像スケッチの原点が実はここにあったのかと思い至るのもちょっと面白い。カピトリーノのヴィーナスが東京だけの展示で福岡には来なかったのは残念だった、とか色々思うがまたローマに行ってみるのもいいかもしれないと感じさせてもくれる。
いい展示だった、見れてよかった。添付は展示彫像で上からカエサル、アウグ
ストゥス、トラ ヤヌス、ハドリアヌス、女性の胸像、老女像、マイナスを表す浮彫の断 片、ディオ ニソス の頭部。
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