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2024年3月19日 (火)

九響/小泉によるベートーヴェン2番と英雄の生涯を聴く

3月はコンサートに行ったのがこれだけとなった、3月という月は忙しい月ということかもしれない。
九州交響楽団の音楽監督(首席指揮者にあたると思っている)・小泉が今回のコンサートがその立場での最後となるというのもあって聞いておかねばということもあった。アクロス福岡で夜7時からの公演だが食事は自宅で済ませて行く、ちょっとした手違9kyouteiki03152024 いで夕食ができてしまっていたのだが、こんなこともある。席は一階の最後部の真ん中だ、オーケストラの全体が良く見えるのでそう悪い席でもない、聴く分にもバランスがいい。最初のベートーベンの交響曲第2番はほとんど聞いた記憶がない曲だ、聴いてみるとベートーヴェンらしさに満ちている、管楽器と弦楽の古典的ともいえる掛け合い、メロディの多彩さ、リズム感、いかにもベートーベンらしい。形式美的なところもある響きだった。休憩後リヒャルトシュトラウスの英雄の生涯となった、がらりと曲想が変わり、オーケストラも 倍増に近い管楽器やハープ2台など大幅に増強される、演奏者数も70人くらいが95人くらいと増える。時代が進んだのがはっきりわかる、これほどまでの差とは思っていなかった。シンプルでややかたい感じの2番に対しこちらは複雑だが柔らかくいかにも聞きやすい、楽章の切れ目がなくずーと音の海を漂うように移ろっている感じがして心地良い。わかりやすい終結がきて拍手万雷となる。充実感が残る、いい演奏だったといっていいのだろう、有難うと素直に感謝する。
それにしてもこんな風にコンサートを毎月楽しめる生活が後何年続けられるだろうか、10年は無理かな、すべてを受け入れて思いのままに流れるように生きていければ幸せだな、そんなことをつらつら思いながら会場を後にした。

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