「ゲーテはすべてを言った」の読後感が今一つよくなかったのもあり、待った末に図書館の貸し出し順が回ってきた文藝 2024年秋号掲載の安堂ホセの「DTOPIA」を読み始めた。こちらも頭からエッというようなシチュエーション設定で、トンデモ小説がはやりなのかこれは、としばらくは読む気がしなくなったが、そうはいってもと気を取り直し
て読み進んでいくと小説らしい心理的な駆け引きが連なる、こちらの方がよほどまともな小説らしい、場面設定はどうでも内面的なリアリティがある。こういう小説の形もありだな、確かに新しい、芥川賞に値する、やっと納得できた気がした。
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