福岡市民ホールが開館
3月の終わりに新たに建設された福岡市民ホールが開館した。これまでの市民会館が古くなったので建て替えるというくらいにしか認識していなかったが、数日前開館記念コンサートの一つを聴きに行ってちょっとびっくりした。全く新しい大きな建物が公園の木々を切り払って忽然と姿を現した感じだ。
市民ホールへのアクセスは幾つかあるが桜も満開の時期だしと天神中央公園から川の左岸に沿って鳥でも見ながら散歩して至った。鳥はキンクロハジロのメスばかりが3羽寝るように浮いていたりハクセキレイが燕のような鳥に追われて逃げまどっていたり、それなりではある。川から1本横にずれて須崎公園に向かう道を進むと見覚えのない大きな円形の建物が見えてくる、これが新しい市民ホールのようだ。建物の南側についている広いスロー プをゆっくり上っていくと入り口に至る。
この日のコンサートは「加来徹バリトンリサイタル特別出演陸上自衛隊第四音楽隊」と銘打ったものでどういう組み合わせ?と思ってしまうが、聞き始めるとなんとなくわかった感じもした、要するにホールの音響性を確認する実用試験のようだ。ほぼ満席のお客を入れた状態でマイクなしピアノ伴奏だけのバリトン独唱、ブラスバンド、ブラスバンドにマイクを使ったバリトン歌唱 と確かにこれくらいやればどういう感じに聞こえるか色々わかるだろう。バリトン独唱から始まったが微妙な反響音が少し気になる気がした、縁取りをしたような音のように感じる、聴いていると後半になると気にならない程度に抑えられる、歌い手の技術なのか、ホール設備の微妙な調整しろがあってそれをいじっているのか、多分その両方なのだろう、とにかく良くなってくる。ブラスバンドの単体の音の方は特に違和感ないのだがマイク付き歌唱になるとマイクがブラスバンドの音も拾うのだろうか随分響きが違って聞こえる、ちょっと気になる薄っぺらい響きになるような気がする、歌唱の方もマイクを通すと何かを失っている感じがしてしまう。仕方ないのかもしれないが徐々に改善されていくだろう。
音楽隊のブラスバンドはムーンリバーを演奏したりと聴きやすい曲になるよう気を配っていたような気もしたがなんといっても最後の威風堂々が良かった。こんなブラスの良さを存分に出せる曲をもっと前面に出して演奏するべきかなと思ってしまった。
生の演奏を新しいホールで聴く、こんな体験はいずれにせよ刺激的なところが色々あって面白い。