去年スイカの種から発芽させてスイカを実らせようとして失敗したことが少し引っかかっていた。今年はスイカの苗からやってみようと苗を買ってきて育て始めた、6月の半ば過ぎのことだったと思う。初めから思い出してみる。
近頃は少し前に起こったことも記憶からぽろぽろこぼれていくような気がしている。普通の日記を手書きで書いた方がよさそうだが、日記というと何か暗いイメージがある、秘密を抱え込んでしまうイメージがある。ブログの方が随分ましだ。しかし実名記述ができないことやプライバシーが出てしまうことは避ける様に書かねばならない等、どっちみち気楽でもない。でもこのスイカの話では気を使うこともない。
スイカの苗は大きめの鉢に入れて育てた。花が咲いてくると問題の人工授粉をやらねばならない。最初の雄花は捨てて、雄花と雌花が次々に咲きだしたころ合いに雄花をちぎって雌花に押し付ける。多様性を保って生き延びるべく同じ株から自家受粉するのはなるべく避けたいという植物の願望から雄花と雌花の咲くタイミングは微妙にずれている。しかしとにかく1株しかない、ちぎって時間遅れに合わせて雌花を見つけて受粉させる。同じような花だが根元が少し膨らんだのが雌花だ。数日で雌花の根元がはっきり膨らみを増し受粉成功が解る、一安心だ。
あとは日差しを受けやすくして水やりを欠かさないようにして見守るだけだ。途中3泊4日の旅行に出かけて水を切らすが、どうということはなく育つ。乾燥には強いようだ。
半月を過ぎたころからスイカらしくなってくるが大きさが小さい。葉や茎も少し元気がない。肥料もやったりして眺めているとアリがやたら多いのに気付く。甘い植物だからだろうと思っていたが多すぎる。アリが養分を吸い取っているのだろうかとせっせとアリを手で駆除してみる、少々気持ちが悪い。でもアリが吸うかなとネットで調べるとアブラムシだと気づく。よく見ると葉の裏側にアブラムシがたくさんくっついている。手では取れないので水で吹き飛ばす、また日が当たるのを嫌がるというから葉を少しひねって裏側に日が射すようにもしてみる。色々やっては見るがスイカの大きさはあまり大きくなっていかず、概ね受粉して
40日を迎える、収穫時期だ。アブラムシに気づいたのが遅すぎたのだろう、しょうがない、随分小玉だが収穫する。中はどうなっているだろうかと2つに割ると一応赤い。恐る恐る食べてみるとまさしくスイカだ、十分甘みがあっておいしい。これ位の小玉でも売っていれば買ってもいいと思う位だ。
来年こそは大玉を実らせよう、そう思っている。でも今年でもまだいけるかもとまた買ってきて食べたスイカの種を植えている。発芽してくると頼りないが生き物らしい生きようとする姿がよくてとにかく育てている。花が咲くまで位にはなるだろうか。行けるところまで行ってみようという気になる。生物の進化を学んだところでもあり、育
てるのは面白い。いくらでも面白いことがこの世にはある、また思ってしまった。