2024年4月15日 (月)

大谷翔平通訳騒動と笠置シズ子マネージャー事件がどこか似ていて

近頃メディアを賑わしている事件の一つに大谷翔平の通訳賭博騒動があって事実関係の調査の結果通訳による大谷の資産の横領・銀行詐欺ということが明らかになっている。似たような話を最近どこかで出くわしたような気がして思い出していたら笠置シズ子のマネージャーがトランプ賭博にはまって笠置シズ子の資金を使い込んだ事件があったと評伝で読んだのを思い出した。評伝はもう図書館に返してしまっているのでネットで少し調べると昭和25年に350万円の使い込みをしていたことが発覚、マネージャーを解雇された、とある(wikipedia)。当時の350万円は大卒初任給比較からは現在の価値では約30倍の1億円相当と考えることができるようだ、大谷通訳の62億円には及びもつかないが構図は似たところがある。笠置シズ子は当時長者番付で芸能界第2位のポジションにあり、一方大谷には巨額の契約金が動いている、誰からもわかる大金所有者だ。その近辺にこぼれる金を狙った黒いお誘いが飛び交うのは避けようがなく通訳にしろマネージャーにしろごく身近のものが賭博の世界に引き込まれていったという構図が見えてくる。
同じような構造の誰にもわかるお金の集中には将来も同じような事件が起こりそうに思える。
笠置シズ子はほかの理由もあってその後次第に輝きを減じ埋もれていったが大谷はどうだろうか、将来にいいお手本を示すことを期待している。

| | コメント (0)

2023年10月 7日 (土)

ノーベル文学賞受賞者ヨン・フォッセの「だれか、来る」を読んでみる

ノーベル賞の季節だ。2日前テレビをぼんやり見ていたら文学賞の発表が速報で流されて今年の受賞者はヨン・フォッセと報じる。全く聞いたことのない人だ。どうも劇作家らしい、とにかく何か読んでみたいものだと市立図書館を検索する、1件だけ引っかかったが、もうすでに予約が入っていて3番目だすぐには来ない、それにインタビュー記事のようで作品でもないようだ。それではと代表作の一つとしてwikiなどに出てくる「だれか、来る」の載っている雑誌はないものかとグーグル検索してみると、見つかった。舞台芸術 という京都造形芸術大学舞台芸術研究センターが出している雑誌の05号に全文が掲載されていることがわかる。これこれとこの雑誌を市立図書館の蔵書で探すと、この05号が1冊だけ見つかった、すぐに予約する、待ちはない。1日置いて今朝Butaigeijyutu 一番でネットで調べると近くの図書館に届いているとわかる、便利な世の中になった。午前中に借り出してさっそく読んでみる。
詩のような短い言葉のやりとりだけで構成されていて37ページくらいなのでそれほど時間をかけずに読んでしまえる。「小説は言葉が多くなる。言葉の向こうにある世界を書きたかった」というヨン・フォッセの言葉がこの雑誌の主宰者である太田省吾によって紹介されているが、まさにそのような、通常の戯曲からコアの部分だけを取り出したような作品だ。登場人物は3人、彼、彼女、男 と書かれ名前はない、場面も海辺の家の外と内でほぼ同じ、それでいて直接的リアリティがある。要約することが難しい。1996年オスロで初演だから最新の、とは言えないが、新しい。
でも、これがノーベル賞!、というのが偽らざる最初の印象だ。舞台を観なければとも思う。日本初演は太田省吾によって2004年になされており、今後も注意していれば観る機会を見つけることもあるだろう。
ボブディランやこのヨン・フォッセが受賞する時代だ、村上春樹はなかなかかな、そんなことも感じてしまった。面白い時代だ。

| | コメント (0)

2023年8月13日 (日)

ハワイ・マウイ島の山火事が

8月8日頃からハワイマウイ島で発生した山火事は居住地域に拡散し多くの被害が出たことが伝えられる。調べると、ハワイは通常この時期、赤道域で上昇した空気塊が中緯度で降下し乾いた北東の風(貿易風)をハワイに送り続けている、ハワイの風が心地よいのはこの乾燥した緩い風ということとになる。ここへ今回はハリケーン「ドーラ」(Hurricane Dora)が南方を通過、このため強い東風がハワイ一体に吹き、これがもたらすフェーン現象が山の風下側に強い風と更に乾いた高温をもたらし多くの山火事を発生させたということのようだ。アメリカ国立気象局(National Weather Service)は6日の段階でこのことを察知し警告のツイートを発していたが防げなかったということのようではある。西へ向かったハリケーンドーラは日本時間12日午前9時(ハワイ時間11日午後2時)日付変更線を超えて台風8号となった、5年ぶりの越境台風ということらしくこんなハリケーンは滅多にないようなのでハワイでも対応が遅れたということかもしれない。
山火事というと地球温暖化とすぐ結びつけたくなるがこの山火事はそうではないようだ。人類はこんな地球と付き合い続けねばならないということなのだろう。

2023080621a 2023080811a 2023081021a
図はhttps://earth.nullschool.net/で示される8日前後のハワイ周辺の風の状況(ハワイ時間6日21時、8日11時、10日21時)。小さく遠いハリケーンが明らかにハワイに強風をもたらしている。マウイ島の山火事発生域と発生始めた8日の写真、いずれもCBCのニュースサイトによる。

Hawaiiwildfire Hawaiiwildfire1

| | コメント (0)

2022年3月14日 (月)

ウクライナの戦争

ウクライナの戦争が解らない。
ロシア側の言い分にネオナチに支配されているウクライナというようなところがあって嘘だろうと思っていたが調べていくと、ネオナチの活動がウクライナはヨーロッパの中で最も活発というのは本当のようだ。ウクライナの政府機関がネオナチを含む極右をアゾフ大隊(azov battalion)として吸収しているともwikipediaに出ていたりする。wikipediaが全て真実とは限らないが何かあるようだ。netでは海外・国内からのazov battalionについての情報が色々ひっかかるが、大手マスコミでそのことが報道されている姿を見たことがない。マスコミはそBlacksun01 れは反ウクライナだから取り上げないのだろうか。暫くそう思っていたらつい昨日見たnewsweekのサイトにNATOが出した写真でウクライラの女性兵士の胸にネオナチ/極右のシンボルマークとして使われている「黒い太陽」の胸章が写ってBlacksunいて(添付拡大写真)慌ててNATOが修正したと報じられていた。どうも知らされていないことがウクライナにはあるようだ。
ロシアの言論統制も極端で前時代的だが、日本のマスコミの報道にも明らかに手が入っているように感じる、本当のことをそのまま伝えるのは報道機関のやることではないと思っているように感じられてしまう。報道の姿勢がまずあってその姿勢に即して報道されていると感じる。そんな威張ったマスコミの態度は胸糞が悪くなる。海外ではCNNに特にそんなところを感じる、3.11の報道が感じ悪かった記憶が未だにある。
こんなことがおこるようでは、一旦停戦させて紛争を調査できる国際的・強力・透明な中立機関がどうしても必要のようだ、言ったもの勝ち攻めたもの勝ちの世界は是正さるべきだ。
ロシアは明らかにやり過ぎだがウクライナ側にもおかしいところがある。しばらくニュースはなるべく見ないようにしよう、煽られてしまう。ともかくどう考えてもこれは内戦だ。骨肉の争いだ。

平和な平成、戦乱の令和、そんな言い回しが頭をめぐってしまう。落ち着いて見ていかねば。

| | コメント (0)

2021年6月 2日 (水)

中国クロスカントリー事故が気になって

5月22日に中国・黄河石林で催されたクロスカントリー大会で気象が急変し21人の死者が出た、という報道があり耳を疑った、21人という人数の多さだ。一体何がと調べ始めた。
このクロスカントリーレースは黄河石林山地马拉松百公里越野賽(黄河石林山岳マラソン100キロクロスカントリーレース)と呼ばれ今回が4回目であったようだ。このイベントは、景泰県が主催し、白銀市党委員会と市政府が後援し、イベントの運営は甘粛省盛京体育文化発展有限公司が管理しているという(Bai-du百科による)。
Photo_20210601235201 場所は、緯度経度では北緯47度東経104度付近の黄河西側で標高2000m程度の山岳部分を巡るコースだ。
Baidu百科にあったコース図を転載する(右)。参加者は100kmコースでは172人だったという。最短の5kmコースでは非常に多くの(1万人レベルの)一般ランナーが参加する大規模なイベントのようでもある。現地時間午前9時にレースは開始されたが正午ごろ天候が急変し20kmから30km地点(チェックポイント2から3の間、急な吹き曝しの上り)で一部 の参加者の連絡が途絶え、競技は中止となった。
この時の気象は具体的にどうだったのか、まずはJAXAの世界レーダー雨量分布図で見てみる(左下、2021.5.22.現地10-11時雨量分布)、確かにこの時202105220203utcamekumo1_間帯に帯状の前線とみられる降水帯が現地を通過している。地表の気温、風等のデータとしてsynopポイントのdataを調べる。問題の発生したチェックポイント3(CP3)はグーグルマップの地図と照らし合わせると(北緯37.0,東経104.22)と読めるが、近くのsynop点の計測値はなく、100km位離れた地点のデータしかない。(Huajialing、(35.38,105.0)標高2450m)。ここでは11時で気温10.4℃が17時で1.2℃に急落、11時-14時で2mm、14時-17時で10mmの雨、風速は8時ごろの前線通過後次第に強くなり北から8-12m/sの強風が吹き続けている。緯度経度の差を考えると問題の起こったクロカンコースではこれより若干早く同様の気象変化が起こったと推定される。
前線状の降雨帯が通過した際、ひょうが降ったという証言がある、予想以上の激しい積乱雲が発生したようだ。マクロな気象予測計算では850hp高度で気温が下がる部分が通過するもののここまでの急激な変化は予測していなかったようでもある(右下図)。2021052206850hp2
しかし、データを見る限りでは異常気象というような天気ではなくメイストームと称されたりもする5月頃の変わりやすい山の天気の一つくらいの感じがする。ここを短パン・ランニング姿で駆け抜けようとしたことが無理だったということの様に思える。いずれにしろ天候の急変は想定すべきであったのに主催者側がきちんと対処しなかったとみえる。


調べるに当たって中国の新聞やネットへの書き込みを中国語で見つけて翻訳ソフトで読んだりしていたが、幾つか思うところがあった。まずはクロスカントリーという現代的スポーツが思いの外中国で盛んなようなことだ。日本では市民マラソンはあってもこんな大規模な市民参加のクロスカントリーレースはあまり聞かないような気がする。もう一つは事故後直ぐに参加者の具体的体験がネットに書き込まれたり、また主催者の非を糾弾する声が一斉にネットに出てくるという思いの外オープンな社会の雰囲気だ、これにちょっと驚く。中国も開かれた社会とすべく前へ進んでいるような姿がリアルに分かってどこか安心を覚えた。世界の未来もまだまだ捨てたものではないかもしれない。

| | コメント (0)

2008年6月21日 (土)

事件が起こると

事件が起こるとテレビは事件で埋まる、無理にでも埋められる。秋葉原の事件が不可解08syaknga で、連日報道される解釈がどうにもピントがあっていないようでニュースをみるのが嫌になっていたところへの地震だ。北米プレートが南に延びた半島のようになった真ん中で起こっている、両側から押されて表面の殻が割れたように思える、北日本にかぶる北米プレートは細長くて変な形をしていていかにも圧力に翻弄されそうな感じがする。四川地震もプレートの真ん中で起こっていてプレートの縁で起こった中越沖地震などとは明らかに違う、このあたりのユーラシアプレートがまわりのプレートから圧力を受けて真ん中へんの殻がわれたような感じだ。地球の東アジアあたりのプレートを押す圧力が何故か高まっているようで、2つの地震も何か関連しているようにも思える。地震や火山の噴火の説明は100万年に1度といった確率の議論ではなくもう少しそれぞれの地震や火山活動を関連付けるものであって欲しいと思う、とにかく自分で考えたくなる。
秋葉原の事件は日本の自殺率が旧ソ連を除けば世界一高いというのと関連しているのではないかとの見方があって一つの核心を突いているように思える。自殺に向かう、もう終わりにしようというエネルギーが外に向かった、ということになるのだろうか、そんな気もする。近頃のネットによる集団自殺や硫化水素自殺の騒ぎそれにいつもの人身事故による電車の乱れ、確かに息苦しさがにじみ出ている。統計では自殺は平成10年から急増している。気になって自殺率の国際比較を調べてみるとWHOにデータがあって日本は10万人中24.6人で確かに高い、低いのはエジプトやシリアだ、低緯度の国やイスラム圏は概して低い、緯度と宗教の強さとが自殺には関係があるようにみえる、旧ソ連が高いのも、緯度が高くて、ロシア正教が復活するまでソ連は無宗教が基本だったのと関係があるように思える。そうであれば中国の自殺率も高いはずだと思うがWHOのデータでは思ったほど高くない、少し調べていくと中国の衛生局がことし2月に開いた自殺フォーラムで中国の専門家が出してきた10万人あたり23人という数字があった、日本と同程度だ。こちらの方がもっともらしい、やはり宗教と関係があるように見える。統計のほうも難しいところがある。ともかく日本の自殺率がこのところ高いのは、素地があるところへ格差社会が持ち込まれておかしくなってきたということか。秋葉原のような事件は気を緩めると起こる土壌があるというべきかもしれない。かといって宗教の力が増すのもどうかと思うが。

地震にせよ事件にせよ起こっていることの理由を知りたくなる、理由をひねりだしたくなる、しかしどうしても無理がある。起こったことは素直にあるがままを受け止めるべきなのだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)