53年後の「男と女」を見たりコンサートにでかけたり
ブルーレイの録画を整理して、一段落したのでテレビ番組をみてみるとwowowで53年後の「男と女」をやっている(邦題:男と女 人生最良の日々 )。途中からだがリリックでちょっといい。見ながらipadで調べると、昔の「男と女」と同じスタッフとキャストで53年後を撮ったものという。昔の「男と女」で主役 だったトランティニャンとアヌク・エーメはもとより子役の二人もそのまま成長した子どもとして出演しているというから徹底している。勿論監督・音楽も同じクロードルルーシュとフランシスレイだ。もしかしたら最初撮影した時から50年後にこんな続編を作ってみたいという願望がルルーシュの胸にあったのかもしれない。ジャン=ルイ・トランティニャンは 役名でもジャン=ルイだ。ドキュメンタリーとフィクションの境界がぼやけていて面白い。同じ時間が観ている自分の中にも流れていったのを感じる、自分にとってのドキュメントのようにさえ思えてしまう。こんな映画は一生に一度くらいしか撮れないだろう、見ていると話の焦点がどこかボケているような気がするのもかえって生々しい。ジャン=ルイ・トランティニャンは今90歳アヌーク・エーメは間もなく89歳という。映画の中でアヌークエーメに向かってジャンルイが、若く見える、というところがあるが誰もがそう思うセリフだ、実際に再会した時こんな会話があったのだろう、女性の方が老けにくいのかもしれない、こんなところにもリアルさがある。いい映画だった。
月に1-2回クラシックのコンサートに出かけるのをまだ続けている。惰性というのでもないが続けてやっていることが身の回りに目についてきて歳をとったと感じる。 先週はアクロス合奏団の公演にでかけた。昨年夏の公演のはずがコロナでここまで繰り延べにされている。アクロス会員の延長がこの夏からのアクロス一時閉館のため効かなくなってしまったのもあって、2階の少し安い席とした。音響はいい会場だから聞くぶんには問題ないが姿をじかに見るにはちと遠い。
曲目はコレルリとテレマンのバロック、及びチャイコフスキーだ。
(コレッリ:合奏協奏曲 第8番 ト短調「クリスマス協奏曲」 Op.6-8
テレマン:4つのヴァイオリンのための協奏曲 ト長調 TWV40:201
チャイコフスキー:弦楽合奏のためのセレナード ハ長調 作品48)
バロックは感情を抑えた表現で教会音楽から派生したと思わせるところから、淡々としている。2つ目のテレマンの4つのバイオリンのための協奏曲などは、フラットで、お稽古発表会とすら思えてしまう。淡々として胸に迫るというのは結構難しいようだ。
これに比べてチャイコフスキーは抑揚が十分にあってサービス精神に満ちていて、聴きやすい、楽に聴ける。クラッシクという音楽全体を流れる時間の流れを感じてしまう、総じていいコンサートだった。
こんな風におやと思う映画を観たり、コンサートを聴いたり、散歩したりの日々が過ぎていく、どうということもない時が限りなく過ぎていく。
過ぎていく時の流れを感じることそのものが生きているというリアルではないか、そう思っている。