町田康の口訳古事記を読む、これはいい
くだけた関西弁の言い回しで書いてある異色の口語訳古事記ー町田康著口訳古事記ーが人気が高いようで図書館の貸し出し順を随分待った挙句やっと番が回ってきたので読んでみた。これは面白い、一気に読めて全体が俯瞰できるところが素晴らしい。8年くらい前に読んだ逐語訳の口語古事記に比べても圧倒的に頭に入りやすい。これは高天原族による日本征服物語かな、と読めてしまう。古事記の物語としての内容は原文になるべく沿うようにして書かれているが最後が仁徳天皇で終わっているのはちょっと残念だ。続く履中天皇から顕宗天皇までの間も古事記には物語部分がありそこまで書けば全容はカバーしたといっていいのだがと少々惜しい気がしてしまう。そこまでは贅沢かもしれないのだが。