2012年11月22日 (木)

物を捨てる、売る

物を整理し始めると、捨てても捨ててもわき上がる様に物が出てくる。疲れる。しかし今まで出くわしていなかった世界にも行き当たったりもする。それもちょっとした楽しみだ。

たまった航空雑誌を整理しようとまずは発行本の殆ど全てがある航空ジャーナルから始める。1974年に創刊され既に20年以上前に廃刊になった雑誌だが内容には信頼感があった。何処か引き取らないかと神田の航空雑誌を扱っている古本屋に電話してみるが航空ジャーナルは在庫がたくさんあり引き取りはしないという。雑誌はなかなか難しい。月刊誌なら買い取ることは可能と電話で答えてくれた近くのブックオフに持ち込んで見積もってもらうが、ページの上部に日焼けしたような変色が入り始めており状態が良くないとして結局引き取ってもらえない。そんなところが分かれ目かと知らされる。内容というより痛み方ですべからく査定される形だ。どうやらゴミとして捨てるほかないようだ。数冊見てみても手にした当時の面白さが抜けている、そんなものなんだ。市内の資源ごみ回収業者を探して持ち込む。ちょっと無残だが最近は読み直すことも無いし恐らく死ぬまで見ないだろう と綺麗さっぱり捨ててしまった。航空情報もあらかた処分したがこちらはブックオフで値がつくものがあって1冊20円弱で50冊くらいは売れる、とにかく再利用してもらえるならと少しは気が楽だ。子供の読んでいた単行本のマンガもブラックジャックだとかコチ亀だとかアラレちゃんだとかまとまったシリーズを全て処分する。こちらは奈良の買い取り業者に送料無料で送ってそちらで見積もってもらうが航空雑誌よりはかなりましな値がつく。売れるというのがともかくうれしい。
パソコンも難しい。古いMacのパフォーマを10年以上ぶりに動かしてみる。ちゃんと動く、色も綺麗だしMacのフロッピーも普通に使える、捨てにくい。更に昔のMSXパソコン(sanyo PHC-30)も出てくる。これはテープベースだし動くまいと思って試しにテレビにつなげてみるとちゃんと動く。昔作ったBasicのプロPc30 グラムもテープをセットして読み込ませるとちゃんと走る。驚いてしまう。グライダーの重量推算プログラムなんかも出てきてワールドクラスに応募した顛末が蘇ってくる。遠い昔でもないがあの頃は自宅で動かすにはMSX位しかなかった.。航空機の運動計算も質点系+バンクならほぼリアルタイムでシミュレーションできてコマンドを入れて飛行させたりしていた、勿論ルンゲクッタで連立微分方程式を解きながらのシミュレーションだ。あっという間に高性能パソコンだらけになってしまった世の中を思い返す。ともかくこれも捨てられない。
ピアノはもうこのところ遊んだことがない、これを運ぶのは少々大変と売ることにした。ネットで7社くらいに査定してもらうと思ったより値がつくし、直ぐにも現金払いで引き取りに来るという。専門のメンテ業者が手を入れた後 殆どは欧米、アジア等海外に出されるとの説明が買い取りサイトにある。中古車同様日本の中古ピアノは売りやすいようだ、日本という国に眠っている価値はまだまだ沢山あるように思えてくる。売り払ってもともかく世界に繋がっていくイメージがいい。

整理は遅々としているがじりじり進んでいく、過去が現れては去っていく。その先なにをやろうか、やりたいことは山のようにある気がしてきて、また捨てなくてはと思い続けている、しかし捨てにくい。

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2011年2月 4日 (金)

一月がやっと終わり

寒い一月がやっと終わり春に向かって走る2月が始まった。

ipadがブレークして以来電子書籍がはやり始めたようだ、そうはいってもパソコンで読む本は今のところ青空文庫が一番便利なように思っている。タダだし内容豊富で気楽だ。今見ているのは寺田寅彦の雑文だ、昔読んだ時はちょっとかび臭いところがあったが、今読むと アインシュタインやら気象の話や紀行文やら色々あっTeradat てそれぞれに面白い、1930年代の時代の雰囲気が切り取られているようでそこが今となっては興味深く思えてくる。アインシュタインの話の頭には レーニンとアインシュタインをバードランドラッセルが現代で一番えらいといっているくだりがあって そんな時代だったのだと今更のように感じてしまう、本文よりそちらのほうが印象が強い。囲んでいる時代の雰囲気の現代から眺めるズレが時の流れを敷衍しているようでちょっといい、文章の面白さはそんなところにもあるのだろう。凍雨と雨氷の話も今からでは当然の理屈が説明されているが、最後に岡田博士の雨を読むべし、というようなことが書いてあり岡田博士とはどんな人だろうと思わせる、調べると岡田武松という気象分野の草分けでいかにも寺田寅彦が関わっていたような人物だ。日本海海戦の天気晴朗なれど波高しという台詞は岡田武松氏によるものだそうだ、坂の上の雲の時代だ。雨が解らないと長く雨の研究をしたようでもある。あちこち飛び火しながら本を読む、文字の中に遊ぶ感覚があってそこが寺田寅彦の文の味わいでもあるのだろう。こんな風に暇つぶしに読むのにはいかにもデジタルが向いている、乾いて読める。思い直すとデジタルな世界が本というアナログの世界に回帰しているように感じられてそこが面白いのかもしれない。

春の香りがかすかに流れて心が少し軽くなる、文字も僅かばかり楽しくなる。いい季節だ。

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