2017年7月30日 (日)

観音の滝を見る

毎日のように熱中症の警報がメールで送られてくる。WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)という暑さ指数が31を超えると危険と判定され外出は避け涼しい室内で過ごすことが適当とされる

Imgp1219xcomp

高度を上げて少しは涼しい山歩きをするにも雷が危ない、ここは瀧見に出かけるのがよかろう、滝なら少しは涼しかろうと、自宅から1時間少しで行ける唐津市七山の観音の滝にランチも兼ねて出かけた。日本の滝百選に選ばれている滝だ。

無料の西九州道を使って思いの外簡単に到達する。ランチは駐車場所にあるそばの店で「冷やしわさび茶そば」というのを食べる、この辺りではもともとワサビが自生していたようだ、とにかくこれがうまい。味100選店の看板もあって、一定の水準以上ということになっているようだが味 わってみても少し凝ったところがあって むべなるかなとの気がする。

滝はここから川底へ下っていくのだが、アマチュアカメラマングループと思しき一団がすぐ前を行く。
こちらは三脚もなく手持ちでスローシャッターを切ったりしているが向こうはケース入りの立派な三脚を立てて時間をかけてフレーミングしたりもしている。

Imgp1166comp

身なりもきっちり長袖長ズボンとそれなりだ。趣味は何でものめりこまなくては面白くないのかもしれないが、自分としては とんとそんな気にならない、のめりこまない趣味ばかりだ。その方が自由でいいような気がして遊んでばかりいる。

川底におり始めようとすると駐車場所に水遊び姿の親子連れが続々到着する。どこで遊んでいるのかと帰りに気をつけて見ていると滝の上の淵にある自然のスライダーで遊んでいる。滝の落ち口まではややあって安全そうには見えるが何かの拍子で流されれば助かるとは思えない。よくこんな所で遊ぶと思う。しかし涼しそうで手軽で一度やってみるとまた、ということになるのだろう。大人でやる人はいないようだが、いつか大人でもはやってきそうな気もする。この暑さだ。
毎年のような猛暑には耐えるのにも限りがある。

Imgp1206comp

岩肌もきれいだ。地質を見るとこの辺りは1億年前の白亜紀に凝固した花崗閃緑岩という深成岩でできている。マグマが深いところで冷えて固まった所謂花崗岩の一種というわけだ。目に見える滑々の岩からは水で浸食はされるものの適当に硬くていい石ということかなと思えてくる。耶馬渓では竜門の滝の滝滑りが有名だがあちらは安山岩に苔がついて滑りやすくなっているようだ。安山岩よりこちらの方が石は良さそうだ。

Imgp1183comp

すぐ南には黒雲母花崗岩の地層があって高級墓石材とされる天山石が産出しているという。大谷石ではないが掘れば売れるものが出てくるというのはいいところなのだろう。
立派な滝があるところは地層が面白い。

肝心の滝は落差45m、途中で少し段になっているようなところがありなかなか姿がいい。いかにも絵になりそうな滝だ。しかし期待していたほどには涼しくない。滝の冷気をまともに浴びる場所で見れるようになっていないからだろう。

Imgp1158x


贅沢は言えない。
色々滝を撮ったりしてこの地を後にする。しかし暑い。

逃れようもない暑い夏は、滝見くらいでは許してくれない、観念して、こんなものかと受け止めて味わうほかないようだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月19日 (水)

夢のような街かもしれない

もう10日くらい前のことになるが、アオバズクを見に遠来の孫子を連れて30分ほどの神社まで出かけた。
到着して見回すと枝を見上げている風情の人がいる、近づいて様子を聞く。そろそろ巣から子供のアオバズクが出てくるころだが未だ出てきておらずお父さんアオバズクがあたり

20170711aobazuku1

を見張っているだけだという。確かに言われた方向を見ると一羽それらしいアオバズクが枝にとまってこちらを見ている。早い年にはもう子供が出ている頃だから間もなくだと思うとも話してくれ、おまけに巣の木の穴に近いところに落ちている産毛のような羽を拾って、これがヒナの羽毛と思う 盛んに飛ばしてる、と渡してくれた。
刺激しないようにそっと小さいカメラで写真を映して静かに立ち去る。雨覆いと風切り羽根の拾ったものも渡してくれた。きれいな羽根だ。アオバズク特有のまだらのような模

20170711aobazukuf1

様はないので他の鳥の羽ということもあるが、巣の近くに落ちていたという雰囲気からしてアオバズクかなと思う。でも正確には解らない、解らないくらいがいつも気になって調べて丁度いいとも思う。
以前いくつか拾ったり貰ったりして集めていた羽根は引っ越しの時にどこかに紛れて出てこなくなってしまっていた、捨てたはずはないのでどこかに潜っているのだろう、結局出てこないこともありうる、集めなおせばいいかとも思っている。この街ではまたそれができるようだ。

宇都宮にいたころはこんな風に身近な神社の森にアオバズクが毎年来るということはなかった。福岡ではこの時期になるとあちこちからアオバズク飛来との情報が流れる、南に寄っている分渡り鳥が居つきやすいのかもしれない。
アオバズクの渡りのルートは衛星追跡発信機を装着できるほど大きくない鳥なので明快なデータがあるわけではないが対馬の出現があまり早くないようなので朝鮮半島経由ではなさそうで、

20170719cyoutombo

石垣・沖縄から続く島伝いに北上しているのではないかと想像される。ここから朝鮮半島に渡るのもいるのかもしれない。

それにしてもちょこちょこと鳥を見に行くのにいい街だ。蝶やトンボも面白い。
今日も近くの図書館を訪れた後 横の池を散歩しているとチョウトンボが4頭位現れた。夢のような暮らしかもしれない、歩きながらふとそう思った。

梅雨もそろそろ開けそうだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月10日 (水)

博多どんたくに出る

5月の連休の催しで人が集まる筆頭は博多どんたくとされて久しい。今年も主催者発表で200万人を超える人出があったことになるがいつもほんとうかい、と思ってしまう。各所のステージの観客、ドンタクパレード観客・出場者の総計ではそういうことになるらしい。延べだからパレードの分は1日当たりの倍だしステージは前夜祭も入れれば2.5倍くらいになるのだろう。それにしても多いカウントだ。
見て回るといってもステージではどこで何をやるか直前までわからない、適当に見るしかない。パレードも立ち尽くして見続けるのは少々つらくなる。どう楽しむのがいいのだろうか、毎年何かずれを感じていた。

そもそもどんたくの始まりは平安末期の平家の時代とされているようだが現存する記録として残っているのは小早川秀秋が名島城城主となった1695年、博多の町人が松Kobayakawa 囃子を仕立て年賀挨拶として行ったことがもっとも古いものとされている。小早川秀秋といえば秀吉の親戚でありながらこの5年後関が原で家康側に寝返って勝敗の行方を決めたその人ということになる、どこか軽さがあったのだろう、町人も気楽に挨拶に行けたのだろう。歴史はこんなところが面白い。

江戸時代になって黒田の殿様に年賀挨拶する行事として定着し、松囃子の後ろに趣向を凝らした出し物が続いた、これが現在のどんたくパレードの原型とされる。博多側から福岡側にパレードが繰り出すというのはその時の形が残ったのだろう。今も残るお祝いの掛け声「いをーたー」というのが古いどんたくの雰囲気を一番よく伝えているような気がする、要するに無礼講のお祝い行列が主体ということだろう。

確かに面白い歴史があるが、パレードに参加するというのが元来の楽しみ方というものだろう。そう思って、今年は公募の博多町屋ふるさと館隊に応募してパレード参加した。
Zontag
パレード参加すると見物人としてパレードを眺めるわけにはいかない、楽しみ方が随分変わる。とにかく「ぼんちかわいや」ともう一曲、振りを直前に教わってパレードを踊りながら進む。すぐに慣れてそれらしく形ができて、群衆の視線を浴びるのが心地よい。
曲の切れ目で「いをーたー」の掛け声を掛けたりするとつい愉快になる。
呉服町から天神の市役所前まで1kmほどのパレードだが、ゆっくりと景観が流れていき十分に楽しめる。
確かに参加するとこんな祭りが盛大に数百年もの間毎年続くのもなんとなく解る。

前日の突然の雷雨はこの日は免れた。予期せぬことが起こる非日常の祭りというところが本物の祭りらしくていい。

解散後、まだ祭りのざわめきが満ちている街中をゆっくりそぞろ歩いた。春もそろそろ終わりなのだろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年9月23日 (火)

タカの渡りが今年は早い

今年のタカの渡りは少し早いような気がしている。
Akahara2    対馬のアカハラダカの渡りデータを見ると去年より1週間くらい早いようだ。

ハチクマの福岡・油山の渡りデータもそのような傾向がありそうだと調べてみる。
今年のここまでの渡り数の傾向は立ち上がりがかなり早いことに特徴がある。ピークはそれほど早いということもない。一体タカの渡りを支配しているのはなんなのか考える。

Hachikumaw2 紅葉の見頃については推算式があり9月の平均気温に依存するという式が関東地方に当てはめられていて結構いい推算となっている。それを思えばタカの渡りタイミングは単純に8月の平均気温に依存しているのではないかと思ってしまう。渡り開始地として長野地方で代表させてもいいかも知れないと思って見始める。山地のデータがいいのだが気象庁のサイトにある長期間の月別平均気温は限られた都市しかデータがなく長野市でみてみるほかない。都市化の影響も含まれていそうだがしょうがない。

この3-4年の傾向は平均気温が下がる方向でこれと渡りピークの日がHachikumakion 早くなっている傾向は大体は合う。3.11の影響ももしかしたらどこかに潜んでいるのかもしれない、なにしろ福島あたりはハチクマが多数繁殖行動を行っている所だ、福岡を通過するハチクマも福島のものが多数いるに違いない。

ハチクマの渡りを支配するものもう一つは風かもしれないと思う。秋の渡りは五島列島から直接中国へ向かうルートで海上700kmを一気に飛ぶ。飛行には安定した東風が極めて望ましい。この時期東風は秋霖前線の北側で安定して吹くことになるがこの前線が丁度五島列島の南のいい位置に来る日取りを見計らって渡りを開14092108 始するのではないかと考えてみる、いかにもありそうだ。 前線の位置は気温で推し量ることができる。長野辺りの気温が急に下がり始めるころあいを見計らって出発すれば五島付近に着く頃には丁度いい位置に前線が引っかかりだすのかもしれない。今年であれば長野は9月7日に気温がすっと下がって北風が吹き込み始めている、去年は9月16日だ。4-5日遅れで福岡まで到達しているとするとおよそ符合する。この辺りが第1波の引き金なのだろう。

今年の五島からの渡りをみると21日が今のところ最多でこの時五島上空では1000mくらいまでが東風でやや低いが安定している。高度を上げすぎると定常的に吹く西風にひっかかる。1500mくらいが上限かもしれない。5-7mの風だから700kmを1日で飛びきることから逆算すると対気速度は12mくらいで飛行していると思われる。まあHachikuma140916 いい速度だ。この時期東シナ海の海水温は26度以上あって暖かい、海上の雲の吸い上げなども利用するのだろう。2013年で最大渡り数となった9月24日は福江ではほぼ北風だった。この日は台風が小笠原付近にあって東シナ海は安定した北東風になっている、これを読んで出たのかもしれない。悪くない判断だ。

アカハラダカは今年こそ見ようと9月12日に長崎・佐世保の烏帽子岳で出かけてみたが空振りだった、ここはタイミングが難しい。やはり対馬・内山峠まで行かないといけないのか。ハチクマは今年も近所の油山にちょくちょく出かけては見ていた、これは容易に楽しめる、低く飛んでくるのも時にはいて写真もまあ撮れる(添付)。しかし何となく鷹のほうも気楽で渡りの必死さがもう一つ伝わってこないような気もする、贅沢かもしれないが。

五島の大瀬でハチクマが海原に向けて決意を固めて出ていく姿を見てみたい。来年は忘れずに五島に渡ろう。それにしても秋は忙しい。先はまだまだ長いような気がしていて、のんびりとこの忙しさを味わっていくのもいい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月20日 (日)

梅雨が明けて

梅雨も終わりの時期となってきた。19日午後で自分のいるところは梅雨明けたようだ。また酷暑の夏となるのだろうかと思えば単純に喜べない。gsmデータから切りだした11日予想では梅雨明けとなろう20日が過ぎても気温がこれ以上上がるふうもない。エルニーニョのお陰ということだろうか。梅雨明け後の数日が過ぎるとまた天気が悪くなりそうで変わりやすい夏となりそうだ。

夏と言えば山笠だ。去年博多の街に戻って来たばかりだからこんな観光客の言いそうな台詞も違和感がない。

15日は今年も追い山笠を見に行こうと4時起きを目指したが、起きてみると4時40分くらいでとても4時59分のスタートには間に合わない。諦めるのは早いとゴール地点目指し車を走らせOiyama2 た。ゴールするのは5時30分頃だからまだ間に合うはずだ。ゴール地点手前で片側3車線の道路が通行止めとなっている。予想されたことだ、見回して目に入ったコインパークに車を入れる。ゴール地点(廻り止めと称する)も人だかりはしているがスタート地点の櫛田神社の混み方とはほど遠く適当に見る場所を確保できる。規制線の所で待っていると最初の山笠の前駆が到 着する、思いの外多人数が山笠と共に走っている。勢い水を散々かけらOiyama1れたようで皆びしょぬれだ。程なく掛け声とともに1番山が到着する。元気があまっていてそのまま下手に駆け抜けていく。男らしい祭りだ。
クマゼミも鳴き始めて子供たちの夏休みも始まっている、今年の夏もやはり暑くなりそうだ。もうすごしやすい夏は当分来ないのかもしれない。どういう理由であれ暑い地帯が温暖化しているのは事実のようだ。無理しなくのんびり過ごせば夏も楽しい、そう思えばまたやることが沢山湧き出してくる。
どんな夏になるだろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年9月18日 (水)

福岡で秋のタカの渡りを見る

白内障の手術は左目も終わりとりあえずのメガネも作って世の中が何十年か振りにはっきり見えるようになった。車を運転していると随分遠くの看板が分かる、何か分かりすぎて刺激が多すぎるようにも思える。目が良く見えるということは善し悪しのような気もする。
Hachikumax1 秋のタカの渡りが始まって近くの油山の片江展望台に出かけた。昨日は良く晴れて天気が安定してきたこともある。ここはサシバは殆どなくて主にハチクマだ。白樺峠や伊良湖岬を抜けていくサシバの大群はこことは違うルートを通るようだ。少し調べてみると四国から宮崎-鹿児Sasibax1 島-南西諸島へと抜けていくらしい、サシバはここを通るルートは全くといって使っていないようで不思議だ。福岡辺りにも夏を過ごすサシバは少しはいるはずだからこれはどういう風に渡っているのだろうか、やはり鹿児島へ向って南下するのだろうか。
それにしてもサシバとハチクマのルートがこうもはっきり分かれてしまうのは何故だろう、ハチクマはなるだけ好物のハチがいる陸地上空を長く飛びたいということだろうか、サシバは飛翔力から島伝いしか渡れないということだろうか、良くわからない。
ともかく昨日片江展望台でみているとまばらにハチクマが現れる。2時間ぐらい居て5羽しか見れなかった、午後3時前に引き上げたがそこまででこの日の集計はハチクマ36羽だった、どうもここは秋は数がまとまらないようだ。ハチクマだから土台そんなものなのだろう。

手術して鳥も良く見えるようになった。遠いとカラスとタカが見分けにくいように感じていたのがすぐに区別できる。鳥を見るには随分と気持ちよくなった。
Inuwasi 後で渡り鳥のコースを調べていたら今年1月に環境庁から出された「鳥類等に関する風力発電施設適正化のための手引き」という文書がいいデータを提供していることが分かった。ハチクマ、サシバの春、秋の渡りルート実測やイヌワシ、クマタカの生息分布の図も出ている。イヌワシは九州にはくじゅう山系にいるようだ。小鳥の渡りの調査もある、気象庁のウィンドプロファイラーのレーダーで捕まえられていて夜間に渡りが集中していることも示されている。

それにしても 脚光を浴びる代替エネルギーの風力発電にかこつけて細かい渡りのデータ取得にそれなりのやや手厚い予算が出ていること自体が面白い。こういうことでもないと鳥の調査には大した予算は出ないのだろう。予算投入の効果が金銭的に勘定できる活動に関わらない限り予算は厳しく査定されるようだ。それがいいことなのかどうかわからない。こんなこと全体が何かのバロメータになっている気がする、時代の切り口そのものだ、面白い。

油山でタカの渡りを見ていると時々オオタカやミサゴも現れる。よく晴れ渡った秋の日に見晴らしの良い高台で時間を過ごすことそのものが心地よい、タカが出ても出なくても秋の鳥見はタカ見に限る。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年6月24日 (日)

ホタルと時代と

ほたるの季節になった。のんびりと怠惰な土曜日を過ごしていると、去年はほたるを見損なっていたように思い出されて久し振りにほたる観に出かけることにした。場所はいつもの美術館裏だ。薄暗くなって外に出ると風が少しばかり爽やかで、ほたるが出やすいといわれる梅雨のむっとするような生暖かさがない、これではあまり期待できないか、とも思うがこの先次第に気温は下がる予想でタイミングとしては今夜だ、とばかり出かける。長岡百穴の裏の道を使って目的地に向かうが、細い道にしては結構クルマとすれ違う、土曜出勤の帰宅時間という風情だ、ノンビリ過ごしている人ばかりではない。T字路を左へ折れて暫く進むと左手に見覚えのない建物群が暗がりに浮かび上がる、老人福祉施設のようだ、かなり大きい。ここ数年 類似の施設があちこちに作られて目に付き出している、このあたりなら確かに都市部に近い割に静かで自然が色濃くていい立地かもしれない、なにしろホタルが飛び交うくらいだ。団塊の世代が老人ホームに入り始めるのはまだ10数年先のことだろうが、こんなビジネスがこれから国内需要を下支えするようになっていくのだろうか、そんな時代が目の前だ。
すぐ先の美術館裏に来てみると、人が多い。駐車場所には1台だけだが、どこからか歩いてきているようだ、ちょっと騒がしい。小川沿いに少し下ってみてもホタルは1頭も出ない。この人だかりに恐れをなしたか、環境が変わったか、或いは気温・湿度(相当温位)のせいか、と考えながら少し戻って佇んでいると木陰に光るものが飛ぶ、いた。時間がどうやら早かったようだ。人が集まってくるので少し場所を変えてまたじっと眺めていると、茂みに光がみえる、こちらは弱々しくて休む時間も長い。暗闇が増してくるとともにひっそり飛び出して次第に数が増してくる、田んぼの上にも数頭飛ぶしゆっくり歩いていると寄ってくるのもいる、2年前より僅かばかり増えているような気がしてくる。それが伝わってこんなに人が集まってくるのだろうか。殆どが子供づれだしホタルを取ってせがむ子供もいる、親も言われるがままに取ろうとする、そのうちここのホタルもとられつくされるかもしれない。しかし、こんな光景を見ていると子供が減っているという気がしなくなる、やはり老人が増えて死んでいく人の数が急に増え始めて総人口が目立って減りだしたという理解が正しいように思える。気になって後で調べてみると確かにそうだ。Syussyou
増えていく老人ホームとホタルとわがままな子供の増加、何か関係がありそうな気がしてくる、しかし随分長い糸だ、少々考えてもたぐりよせることができない。もどかしい思いがするがきっとこんな風景全体が本日現在の世界の真実の切り口なのだろう。渾然とした光景が時代そのものなのだろう。

帰り始めるクルマの前にまたホタルがスーと現れる。そろそろ夏だ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年9月27日 (火)

粟野の彼岸花

彼岸花で有名な巾着田にでも行ってみようかと地図で調べるとこれは遠い、あきらめて近場の粟野の彼岸花を見に行くことにした。以前常楽寺という粟野のお寺の彼岸花は見に行ったことがあるので別のポイントを探しながら走った。粟野では道端のそこここに咲いているのがそれらしくて感じがいいのだがクルマを停めるところが無い。遊の里というあたりに群生地がHiganban あるらしいので尋ねていくと駐車スペースにクルマが20台くらい停まっている。どうやらここらしい。遊歩道が群生地の周りにあって巾着田ほどではないがゆっくりと歩いて見れる。ほぼ満開だ。歩いていると突然女性のコスプレ3人組が写真を撮っているのにでくわす。聞くと東京から来たという。キャリーバッグに衣装を詰めてきたようだ、手馴れた風だ。巾着田は人が多くてとてもダメだと思ってこちらへ来たという、こんな田舎の風景にコスプレが出現するとは面白い時代になった、エッと思うことができるのは若さの特権だ、何だか楽しくなる、心強くなる。
日本もなかなかだ。

ことしは花がいい、随分あちこちで花を眺めた気がする。彼岸も過ぎてそろそろ花の季節も終わりを迎えようとしている、どんな冬になるだろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年6月20日 (日)

人とホタルと

先週の木曜日はむっとした夕方になった、今日は雨も無い、ほたる観にちょうどいいかと宇都宮美術館南の小川にでかけた。だんだん億劫になって今年も近場で済ませるようになってしま。駐車場所に着いてクルマを降りるが誰も居ない。まだ薄明かりが残るためか歩き始めてもほたるは見えない。ゆっくりと小川を下って行くが蚊ばかりが襲ってくる。空振りかとあきらめ心地で、折り返して戻り始めると目の前に3頭がふわふわと飛んでくる、ホッとした気持ちで見入る。そのうち5頭くらいになってからんだり田んぼのほうにスーと走ったり、動きがあって面白い。しかし蚊が多い。蚊をたたきながらあきず観ているとやっと一グループが現れた、ともかく人が少なくていい。小川を上ったり下ったりと行ききしてもういいか、と思う頃ドッと大家族一行が大きな犬を3匹連れて現れた、ほえたりして感じよくない。暗がりに犬はどうかと思う、狼に戻りそうだ。
 ほたる というと日本のものとのイメージがあったが最近netで 米国北東部ペンシルバ800pxphoturis_lucicrescens ニア州辺りの住宅の芝生には陸生の蛍がやたらといて珍しくもない という記述に行き当たった。(図は陸生のホタルPhoturis lucicrescensyori 、Wikipediaより)。もう少し調べるとゲンジボタルやヘイケボタルは水生だが世界のホタル約2900種のうち水生のホタルはアジアの日本、中国、台湾、タイ等に見られる僅か10種だけで殆どのホタルは陸生という。水生のホタルというのが日本的な情緒のある蛍の大事なところだったのか、と思い至る。水田耕作文化とかかわりがあるようだ、発光するのが田植えを終わって稲が育ち始める時期、というのも人に感慨を与える背景にありそうだ、水田という生息場所を得て水生のホタルは東アジアで永らえたのだろう、芝生の上のホタルには文化が無いのかもしれない。
地球の生態系に人はどうしようもなく組み込まれている、人によって栄える種もあれば絶滅する種もあるのは当然のことのようだ、人の手で生態系を”護る”ことそのものも生態系のダイナミクスの一部なのだろう、そんなことをはるかに超越するようなめくるめく種類の生き物の連鎖がまぶしくもある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年12月 9日 (水)

蕪栗沼・伊豆沼の眺めが

12月の初めの週末、マガンの群れを見に蕪栗沼・伊豆沼に出かけた。これで3回目になるが、高速1000円ならあの空を埋める圧倒的光景を見ないのは損な気がしていた。高速を長者原で降りて化女沼を少しばかり見るが風が弱いと猛禽類は出そうに無い、早々に蕪栗沼に向かう。いつもの北側の駐車場に停めてプレハブで様子を聞くと11月にはマガンが7万羽いたが今は5万羽に減っている、秋田のほうへ行っているようだ、という。5万羽でもすごいと、日暮れ前の沼の様子や、今まで行ってなかった南側の駐車場からのアプローチを試したりして日暮れを待つ。雲が低く 予測では16時前に降り始める雨模様だった、強い南風との予想とは違い風は殆ど無い、土手の上から見ることにする。ほぼ予想通りに16時少し前から小雨が降り始める、こんな時には当たってほしくないが雨のねぐら入りも少しばかり興味がある。マガンは雲が厚くて暗いためか日没の1時間近く前からぱらぱらと戻り始めている、日没は16時16分のはずだが15時50分頃から主に西側の空が無数のマガンで埋められる、東南側からは(去年より更に)少ない、化女沼にでも行っているのだろうか、雨のせいではなさそうだ、雨そのものはあまり影響を与えていないように見える。ガガッガガッという高周波の音を含むマガンの鳴き声が辺りの空気を震わす。なんだか心が落ち着く風景だ。雨ではビデオや写真や録音の電子機器は使えずただカッパを着て佇むだけだが悪くない。体で感じればそれで十分だ。
宿は瀬峰の駅前旅館とした なんだか普通の家に泊めてもらっている雰囲気の宿だ、大正時代からの宿だという、昔からこうなのだろう、部屋は新しく変えているが今の世の中には置いていかれたようなところがあってこれでは苦しいか、と思ってしまう。時間の流れが現実に場所によって違っているようでそれも面白い。
Imgp9432翌朝の飛び立ちは、雨が上がったこともあり、なかなかの壮観だ、確かに 数が多い、何波にも分けて群れが飛び立つ、霧がかかって少しかすんだところもいいし、残月に雁が飛び交う様は絵になる感じだ。何度見ても圧倒的だ。(蕪栗沼、マガンの飛び立ち、YouTube);去年と同じで近くの東北線の電車が通るとこれをきっかけに飛び立っており、日の出が遅くなっているにもかかわらず昨年と同じ時刻に飛び立ってImgp9430 いるようだ、やはり人の生活と結びついた里山だ。
昼間は伊豆沼の周りを鳥を求めて動き回る、それにしても昼間のマガンはもう沼の周りの田には居ない、昨年11月の時に見られた場所には一羽も居ない、サンクチュアリセンタの話では餌を食べつくしてもっと遠くの田に行っているらしいが探せども見つけたのは30羽くらいの群れのみで大群はついに発見できなかった、大量すぎるとまた動きが違ってくるようMagan だ。同じ様にみえる渡りも毎年毎年違った様態を見せる、自在に変化できるところが恐竜時代から生き残れた鳥類の真骨頂なのだろう、人間も国境を挟んで固定化した生き方を続けていくようでは長くは持ちこたえられないかもしれない、国境なんて早く取り払わないと、と思う。地球はそんなに甘くは無いだろう。蕪栗沼・伊豆沼の眺めはいつも色々考えさせてくれる。

| | コメント (0)