2024年8月26日 (月)

暑い日が続く、なんでこうも暑いのかたらたらと考える

暑い日が続く。なんでこうも暑いのか気にはなっていた、なんとなくやり過ごしていたものの、地球温暖化だ人為的CO2増加だといういわば短絡的な思考にはどうにも何かそぐわないものを感じていた。数日前の朝ぼんやり衛星画像を見ていたら沿海州から北海道に大きな雲の渦運動が近づいている、右回りだ、高気圧の渦ということになるがそんなところに高気圧などなかったが、と天気図を見る、高気圧は見当たらない。いくつか解析図を追って行ってついにこの渦運動が250hp高度の大気の流れの計算値とよく対応しているのに行き当たる、ジェット気流の激しい波うちの予測Xx2024082212zyy
計算結果が可視化されていてこのあたりで右回りの渦のようになっている。250hpは高度11000mくらいにあたる。下層の高度の計算値とはだいぶ違う。衛星写真は高度の高い雲はやや強調されてあらわされる傾向にありそれで目に付いたのだろうか。

こんなこともあるのかと、公表されるゾンデ計測データからいつも描いている高度9500mの等圧線図(下図左気圧青線)と高度250mの気温・等圧線図(下図右、気温を暖色彩色)も眺め直していると、確かに9500mでの等圧線の波うちは顕著だが、これに合わせるように地面付近の気温が分布している。高高度の高気圧と地上の高温がきわめてよく対応している。何だこんなことかと思ってしまう。高層の昇温が高層の高気圧によってもたらされこれが地上まで下りてきて地上の高温となっているのかと思うがどうも変だ、上層大気の垂直方向温度変化を眺めていると、基本的に気温は上か25095002024082112za ら下までおなじような傾向で上層の温度が高い時は下層も高 い、平行移動するように高温側にずれる、 どの地点でもほぼ同じだ。気温と気圧の関係 は気温が高いと空気分子の運動が激しくなり当然気圧は高くなる、高層ほどこの関係はシンプルになる、考えてみれば当然だ。どこにも驚きはない。ジェット気流の挙動と地上気温が深くつながっているというのも当たり前といえばそうだ、物理現象は当たり前だらけた。大気の加熱は基本的に地球表面で行われる、こうも暑いのはなぜという疑問は地球表面温度は熱収支で決まるだけだという当たり前のところに戻って来る。やはり温暖化ガスの影響は大きいということになる。co2が増えていけば温暖な地球が現出するが46億年の地球の歴史を俯瞰すると歴史的には現在の数倍のco2だった温暖な時代では地球は生命で満ち溢れていてとても地球の危機がすぐ来るとは思えない、地球にとっての害虫のような人間が生きにくいといって地球の危機では全くないのだろう。
co2の騒ぎは利害が絡んでいる、そんな気がしている。そうやすやすと乗せられてたまるか、そう思っている日々が過ぎて行く。

たらたらととりとめもなく考えを走らせる、それが生きている証のようで面白い。

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2024年5月26日 (日)

シンガポール航空SQ321便の乱気流事故

数日前ぼんやりテレビを見ていたらシンガポール航空の機体が乱気流に巻き込まれ乗客1名が死亡したというニュースが飛び込んできて驚いた。乱気流で旅客機乗客が死亡したという事故は聞いたことがなかった。事故の詳細を調べにかかったが、シンガポール航空側が細かい説明を公表していないようでなかなか起こったことにたどり着くのに時間がかかった。本日現在分かったことは以下の通り。
2024年5月20日21時38分46秒UTCにロンドン・ヒースロー空港をシンガポールに向けて離陸したシンガポール航空SQ321便(乗員18名乗客211名)ボーイング777-312ER(登録番号9V-SWM)はミャンマー上空を37000ftで通過飛行中はげしい乱気流に巻き込まれ多数のけが人と一人の死亡者を出しバンコク国際空港に緊急着陸した、というもの。亡くなった一名は心臓系の持病があったようだとも報じられている。事故当時は食事が出されていてシートベルト着用サインが出た直ぐ後だったといわれる。発生時刻は21日7時49分UTC(14時49分バンコク時間)で地上では場所によっては雨が降っていた模様。飛行時の高度速度上昇率データはリアルタイムで機上から送信されるADS-Bデータに基づきSq321flt1a  FlightAware またはFlightradar24のサイトで30秒ごとのデータとして誰でも見ることができる。今回の事象はおよそ1分間の間の激しい上下運動で30秒毎ではつかみきれないがこの間のより細かいデータ(3.75秒事毎のデータと思われる)がFlightradar24のサイトにグラフで公表されている。これによれば短い時間の間に1600Ft/min(8m/s)の上昇から逆に1600ft/min(-8m/s)の急降下が波状的に起こっておりこれではシートベルトをしていなかった乗員乗客は相当の被害を受けたのも当然と納得される。この時の気象条件は必ずしもまだ明らかにはされていないが、37000ft上空での前線というものは考えにくく午後の時間帯の強い日射で地上付近で立ち上がった積乱雲のTopが成Sq321flt01  層圏に入り込んだのではないかと想像される。赤道付近は定常的に雨雲が発達しやすくこの日のこの時刻頃もミャンマーの事故発生場所付近には南北に雨域が伸びている。そういう意味ではこのような事故は特に赤道付近では今後も起こりSq321fltame0a1  Sq321fltamea うるとも思われる。「何はなくともシートベル」につきるのだろう

2024.6.12追記:事故発生時刻頃(2024.5.21 7:30UTC)の広域雲解析情報図(TSAS1)では50000ftまで伸びる積乱雲が事故地点付近R240521071x に観測されていた。

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2024年2月21日 (水)

ジェット気流の波うちと少子化と

このところ早春にしては極端に暑いが続くかと思えば少し前には極端な寒気が北半球のあちこちに記録された。記憶に新しいのは米国大統領選挙に向けたアイオワでの共和党予備選挙の日の極寒だ。1月15日北米中部は記録的な寒さに襲われ、州都デモインでは午後6時で-19.2℃、午後9時で-20.6℃(投票開始は午後7時)という気温だった。この日の最低気温は-27.2℃という恐ろしい値だ(デモイン国際空港での計測値)。
勿論こんな寒さは波打つようにして北から寒波が下りてきた結果だが、今年はどうにもこの波うち(解りやすくはジェット気流の波うちということになる)が激しいような気がする。もとはといえば地球表面の温度分布が北極と赤道では大きく異なりこれを何とか平準化しようとする(すなわちエントロピー増大させようとする)物理現象の結果ということができる。波うちが大きくなっているように感じるのは赤道付近と北極付近の気温差が歴史的に見ればじりじりと大きくなっているのDagik2024011600utc850temp だろう、これを平準化する地球の努力も次第に激しくならざるを得ないのだろう。こんな寒暖差を人為的になくそうとする努力は台風をなくそうとする努力のようなもので人間にできないということはなかろうが途方もない企てになるだろう、変化を予測してそれに耐えるよう備えるというのが政治家の務めだろう。チグリスユーフラテスの洪水に備えたのが人類文明を進化させたように地道な努力が人類を前に進める知恵を生み出すのだろう。能のない政治家あるいは活動家ほど悪いのは温暖化だといいたがる、とんでもない。
歴史的に見れば人類という生物の地球支配は過度になっているのではないか、人口が増えすぎているのではないか、そう考えるのはもっともなことではある。もし自然界がこのような一生物の暴走を防ぐように仕組まれているものならば、その歯止めの減少が自然に現れてきてもおかしくはない。そう考えると近年各国で進む少子化は実はそのように仕組まれた結果なのではあるまいか。いい生活を求めようとする基本的な欲求が出生率を次第に抑えるようになり人口が減少するに至る。減少は過ぎると他生物の増大を招きどこかでまた人類の人口増加に移るだろう、ジェット気流の波動のように地球には環境を保とうとする物理的仕掛けが幾つも仕組まれているおかげで長期にわたって安定した状態を保ち続けているのだろう。そう考えると何やら気楽になる。温暖化も少子化も当たり前のことが起こっているだけだと安心できる。のんきに日々を過ごすことが幸せというものなのだろう。

 

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2023年12月21日 (木)

荒れ模様の天気が続く

北の寒気が張り出してきて雪になった。このところ荒れ模様の天気が続く気がしている。特に今年は北海道付近を次々に低気圧が発達しながら東へ抜けていくパターンが多い、東へ向かって勢いを増していくようだ。暖流の上に到達すると対流が一層活発となって発達するのだろう。
この先この低気圧というか前線はどうなっていくかというと、おおよそそのまま東へ進んでアメリカ大陸の東岸に到達するようだ。実際に米東岸のシアトルでは冬は32日雨が降るとさえ言われてそんなせりふをプリントしたTシャツが売られているのを現地で見たことがあった。南のカルフォルニアまで来ると少しは弱まるようで雨が続くことはないようだが時々冬のまとまった雨が降ることがある。最近ではつい昨日の12月20日に時間27mmのまとまった雨がサンフランシスコで降っている。元をたどれば12月12日頃関東東北に雨を降らせた低気圧だ。こんなのを見ると地球はつながった運命共同体だとつくづく感じる。戦争を止められない、陣取り合戦の様な殺し合いを止めることのできない人類というものもつくづく情けなくなる。こんな地球の自然というか有様と調和できない様では、地球の時間軸でそう遠くない未来に滅びるべき運命が人類を待っているのかもしれない。
2023122009utc 図は2023.12.20 09:00utcの降雨レーダー衛星観測結果ーJAXA GSMaPサイトより

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2023年8月26日 (土)

スズメバチがまた巣をツバキの木につくる、これも温暖化か

温暖化してくると生き物の動きが活発になるような気がする、そのせいかこのところスズメバチを時折庭で見かけるようになった。そんな季節かとも思っていたら、3日前、裏のツバキの木の中にスズメバチの2-30cmの立派な巣があるのを見つけた。前の日までは全く巣があるなど気付いても無くてびっくりした。そういえば2年前の2021年5月にも、今回とSuzumebachi0822aa1 同じ木にコガタスズメバチの女王バチがトックリ型の巣を作り子育てを始めこれを見つけて直ぐ取ってもらったことがある、ものの10分くらいの作業だが18000円位かかった、やれやれまたかの感もある。今回はちょっと大きくなって働きバチも育ってハチの数も増えているようなので2万円+くらいかと踏んでいた。電話した翌日現れた業者は、料金表を見せてスズメバチなら44000円くらいとの値を言う、それはない20000円台くらいではないか他の業者を探すと言い返すと折れて25000円でやるという、大した根拠はない料金のようだ。まあいいかとここに頼むことにした。30分もかからずに作業は終了する、使う資材も僅かでいい稼ぎのように見える。一方で死んだ蜂達を見ると可哀そうになる、申し訳ない気持ちになる。次はもう頼まないで自然に居なくなる秋まで待とうか、そんなことを思っている。業者はすぐ近くにもう1件依頼が来ていると言って去っていった。ともかく温暖化してくると色々なことが起こるということなのだろうか。
 
今年の夏は蒸し暑さがとりわけきついような気がしている。地上付近の気象の様子を具体的に理解しようと 発表される各地点の気象ゾンデデータを高度250mで切って、気温、気圧、水分量、などをマップに描くというのを日課のようにしているが、昨年と比べても日本付近の高温化、高湿化は明らかだ。
(図は左から今年8月24日21時及び前年同月同日同時刻の250m高度での気温分布/等圧線の図、及び同じ日時での今年と去年の水分量の図)。

23082412h250mtemo 22082412h250mtemo
23082412h250mtemxrvkp 22082412h250mtemxrvkpそれにしても去年の図と今年の図の比較で気になるのは今年は日本海側の輪島、松江、と潮岬の計測データが欠落していることだ。日本海側がフェーンで高温になりがちな今年の状況が充分には計測されていない。この3か所に釧路を加えた4地点のゾンデによる観測は機器のトラブルで今年はずっとデータがない。釧路は昨年(令和4年)2月25日に自動放球装置に火災が発生し当分の間の休止という状態が続いている。輪島は今年(令和5年)1月13日に同様の火災が発生してこちらも休止している、また同型の自動放球装置を使っている松江と潮岬の観測も点検が終わるまで休止とし令和5年8月現在も休止状態にある。火災は自動で水素を気球に充填するあたりで水素に火が回ったと推測されるが詳細は公表されていない。自動放球装置による観測は日本ではどんな状況にあるのか、ネットで少し調べてみる。事故の起こる前の状況は気象庁のHPのラジオゾンデによる高層気象観測 (https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/upper/kaisetsu.html)のところに記述があり、これによれば
Vaisala1 Meisei 高層観測地点16か所の内自動放球装置によるものがいまは11か所(釧路、輪島、館野、松江、潮岬、福岡、鹿児島、八丈島、名瀬、南大東島、石垣島)で他の5か所(稚内、札幌、秋田、父島、南鳥島)は人の手で放球しているという。自動化しているところでも何故4か所(釧路、輪島、松江、潮岬)が問題なのか、これも少しネットで探ると、自動放球装置導入経緯にかかわっているようだと分かってくる。最初に自動装置が導入されたのは平成15年6月八丈島で17年3月南大東島(写真左)と続き、機器はフィンランドのヴァイサラ社製の装置だった、この後平成18年3月に石垣島、平成19年3月に名瀬に設置されこの2か所は国産の明星電気社製だった。(「気象庁の離島4官署に導入した 自動気球放球装置の紹介」 というレポートに最初の頃の導入状況についてはやや詳しい。) この2社で暫く分け合っていたようだが次第に明星電気に置き換えられたようで、現在は釧路、輪島、松江、潮岬のみにヴァイサラ社製が残っているということの様だ、この装置に不具合が起こりやすいということのように見える。2つの火災はいずれも厳冬期に起こっているので機器を温めるヒーターとも関係があるのかとも思ってしまう、一般に厳しい寒さの環境では問題が出やすいということかもしれない。
南大東島のヴァイサラ社製は2019年には明星電気製に置き換わって(写真右) 休止にはならずに済んでいるようで、ともかく予算がつき次第機器を置き換えていけば4か所も観測休止という現在の事態は解消されていくものかとも思われる、それにしても何とも歯がゆい。
 
地球の歴史を眺めれば温暖化していく気候は少なくも数万年単位で続くと思うのが普通だろう、いろんなことが起きてくるだろう、とても今行われているCO2対策の様な小手先の仕掛けでは止められるとは思えない、何が起こっているのか確実に計測し理解し難しくても受け入れ続けることが重要な気がしている。

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2023年6月30日 (金)

このところ雨の降り方がきついが

昨日今日と大雨に警戒とマスコミで流される。このところの東アジアの天気の動きはいつもと少し違っているような気もしている。夏至の頃になるとシベリアは白夜に近くなって夜気温が下がるということが無くなり気温が上がる。太平洋も気温が上がり挟まれた日本列島は気温の谷のようになってベーリング海につながる、この谷が梅雨前線の正体なのだが、雨そのものは太平洋の高気圧の周りをまわる時計回りの風が温暖で水分の多い空気を南から運び込み続けてこれが谷の冷たい空気にぶつかって雨がもたらされることになる。今日降っている雨をグローバルにGPM衛星群202306301213jstamekumo_b で観測した結果で(添付左、2023.6.30 12-13JST)見ると、中国大陸奥地から伸びる明瞭な雨の帯が九州・本州に伸びている。ぶつかり合いが激しくて巨大な線状降水帯を形成しているといってもいい。これでは警戒しろとおふれが出ておかしくない。
いつもと違うように感じるのはこの雨の帯が北から下がってきているあたりだ、いつもなら黒潮の流れに沿うように梅雨の雨域帯は北上してくるように思える(添付右下、2022.7.04 21-22JST) 。今年はシベリア奥地の気温が高くてベーリング海の寒気との境目に南北にできる雨域帯が明瞭でそれが東に進むとやや横向けになり南からの前線と合体してこれを引っ張り上げより活発になるようだ(添付左、2023.6.30 12-13JST) 。
宇宙的に見れば地球という星のこれくらいの気象の揺らぎは通常のことという他ないが、大雨を受け止める身になると、大丈夫かなと202207042122jstamekumo_a いうことになってしまう。人類の生存はそれくらいもろいものとしか言いようがないのだろう。だからなのだろうか、いまだに人類のような存在につながりうる生命体が宇宙で確認されたことはないというのは。いくら探してもそんな生命体はいないのか、いたとしてもわずかな期間しか生き延びられないのかもしれない。
先のことは心配してもしょうがない、色々考えると人類がこの宇宙で遥か未来まで生き延びられるとはとても思えない、大雨が降るのもしょうがないことだと構えのんびりと今を楽しむのが一番なのだろう。

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2021年7月12日 (月)

梅雨前線を引くのが

梅雨も終盤を迎えてあちこちで豪雨被害が出ている。


気象を眺めていてこの時期頭を悩ませるのが梅雨前線の引き方だ。通常の温帯低気圧、古典的ないわゆるベルゲン学派モデルの低気圧、では暖気2021071012spas_ と寒気の境目は気象データから読みやすく、その境目である前線を引くのはそれほど困難なことではない。しかしこの時期の梅雨前線はその上下が注目される割に気象データや数値予測データから前線位置を見定めるのはそれ程容易ではないように感じている。前線前後の気温の差もそれ程明瞭ではなく相当温位の分布図も多分に入り組んでいる。よく気象庁は引いているよと思うことがこの時期多い。
2021071018tanki_ 例えば今年7月10日21時(JST)の前線位置は速報天気図では図のように示され、これを解説した短期予報解説@12日am3ではその下の図のように今後の動きの予測を示している(図の数字(FT)は10日21時から何時間後かという値)。この予測図のもととなったであろう850hp相当温位の予報図をみると相当温位線が集まったところを拾っても前線位置にはならない(さらにその下の図)、薄っすら見える風の変わり目がその根拠のように見える。しかし気団を分ける前線がこんなフワフワしたものかとも思ってしまう。もう少しマクロに500hp高度の相当温位線を見てみると明らかに境目が日本列島に沿って見えてくる(右下の図)。これを見てもう一度850hpの相当温位図を見ると、そこらあたりの風の変わり850hpte21071012a 目が上空まで伸びて前線を形成しているとのイメージが出てくる。それならこんな風に引いてもいいかと思えてくる。
いつでもこんな手順で引けるわけでもない、南の太平洋の気団とオホーツクの気団の境目がどこかにあるはずだと色々なデータを見比べてやっと引けるような気がしている。こんな風に気象データを眺めるのもこの時期の楽しみでもある。

梅雨の終わりに近づき次第に日本上空のジェット気流が弱まり風も見にくくなってきている。そろそろ500hpte21071012utc3 梅雨も明けるということになるのだろう。

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2020年8月16日 (日)

コロナの日々は気象のことでも


先日、気象予報士会のリモートの支部会(ズーム会議 )で線状降水帯の説明があって、そうだったのかと少しわかった気がしたが、線状降水帯発生条件のところに出てきたFLWV(Flux of water vaper)の日々の計測値は一体どうなっているのだろうと気になって、この値をゾンデデータから計算してマップに書いてみようと始めた。
立方米当たりの水分量(gr/m3)に風速(m/s)を掛けた量で表される時間あたりに流れ込んでくる水分量がFLWVになる、この値が150を超えると線状降水帯が出来やすくなるという。作図はこれまで描いていた混合比分布図(大気1㎏当たりの水分量(グラム)の分布図)を風速や大気密度を掛けて改修すればそんなに面倒なことはなくできそうではあった。
混合比や気温分布図はこれまで地上に準ずる高度として250m高度で切って作図していたが、文献ではFLWVは500mでみているようなので高度が少し高い、500mで風や気温・混合比・気圧等を改めて切ったデータを作ることから始めた。エクセル上の補間でゾンデデータから作ればいいので難しくはないが思い出しながらやるのでそれなりに手間はかかる。
MSMによるFLWVの予測値と実測値の鉛直方向比較も福岡について毎日やってみることにする。福岡という街は計測データが高度方向にもあって都合がいい。1日仕事で図ができ始めるとそれなりに面白い。

2020081118kinou まずMSM計算のFlux予測値との比較だがその日の午前3時JSTベースの21時JSTのMSM予測値とその日の21時JSTの実測値とを比較してみると、地表付近の風速分布の予測精度があまり良くないせいで結構合わない。予測はまだこんなものなのだろう。また250mで切ったのではやはり下過ぎるような気もする。
マップのほうでは、混合比は特に大きくないが風速が大きくなるところでFluxが大きくなってしまって、ここでは雨は降らないだろうというところもFlux大と表示されて見やすくもない。手始めに見てみた13日の図では中国東部から朝鮮半島に延びる線状降水帯様な状況はFluxの高まりで確かに検出できるが、同様にFluxの大きい八丈島付近では雨は計測されず勿論線状降水帯もできてこない、一つの可能性の資料としてみる位のような位置づけとの気がしてくる。混合比図に書かせてある風ベクトルを眺めてここらあたりが風も集中し湿舌も伸びてきて危なそうだとした方がリアルでわかりやすいような気もする。
202008132122ame 2020081321jstflwv 手間が増えるがともかく暫く見て行こうと思う。今年は日本だけでなく中国から朝鮮半島にかけて線状降水帯が現れやすくなっているようにもみえる。自分で作図するとまた新しい感覚で気象を眺められるのが面白い。

こんな風にコロナの日々は淡々と過ぎていく。

図は右上FLWV予測計算値(MSM)と計測値の比較、福岡8月12日21時JST

上左8月13日21時-22時降水レーダー計測値、下右8月13日21時500mのFLWV計測値(青線)分布、黄色エリアは150g/m2/s以上。

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2020年7月27日 (月)

梅雨もやっと終わりが

Kaimenondo0725 長かった梅雨もやっと終わりが見えてきた。今日の海洋データを見るとペルー沖の海水温度が平年より低めでラニーニャ気味のためか小笠原高気圧 が弱く梅雨前線がなかなか北上しない。

それに成層圏付近の高層の大気の流れが時々極めて激しい波打ちをしたりもしている。日本付近から北極付近まで一気に流れ込む状況も1週間ほど前には観測されて地球大気のミキシングをいつもの年より地球が強く求めているようにも見える。

Kousouzu0720 それだけ北極付近と赤道付近の大気の熱量差が大きくなったということだろうか。この程度は地球に暮らす以上遭遇する物理現象として耐えねばならないということになるか と思ってしまう。

 

こう雨が続くと日常の生活は、自粛自粛が続くこともあって微視的なことに面白さを見つけるようになっていくと感じている。最近体験した実にトリビアルナことは例えばサーキュレータの首振りだ。
もう10年くらい使っているサーキュレータ―(HFT-115-BK)の首振りがガタガタとスムーズでなくなって気になっていた。これはできることなら修理したい。
ファン部分の前カバーを外してみたり、裏返しして隠しネジを外し底板を外して5-56を振りかけて見たりするが良くならない。あきらめてネジを元のように締めて動かすとかえって動きが悪くなり殆ど首を振らなくなった。変だ。暫く眺めていると水平な板同士がこすれあって回るのが良くない気がしてきた。少し傾けて当たりを変えた方がいいかと、何かの輸送用のパッケージに入っていて不要となっ

たプラスチックを底板の片側にかまして傾けてみる、と、うまく首振りを始めた。やはり水平に擦れ合うのが良Hft115bk くなかったようだ。一応一件落着だ。
全く大したことではないが何となくわかって解決すると気分が少しいい。

もう2日もすればとにかく梅雨明け状態にはなりそうだ。少しは日常も変わってくることを期待している。

暫くサーキュレータにプラスチックをかませて傾けて使っていたが、ちょっと邪魔くさい、これは底板の隠しねじのカバーとなっている4つの突起をいじって傾きが少し出るようにすればいいかもしれないと思い至り、早速試してみた。右の2本を引っ張り出し左の2本を押し込んで傾きを作ってみるとこれでうまくいく。そもそもそういう風にしつらえてあったのをネジを外してまた復元した時にフラットにしてしまったのかもしれない、ここがノウハウとなっている製品なのだろうか、なかなか味なことをやると思ってしまう。トリビアルなことが面白い日々が過ぎていく。

Fanura0816a1a

 

 

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2019年8月15日 (木)

ウスバキトンボ

毎日その日撮った写真をインスタグラムにアップするということをこのところ続けているが、思いの他毎日新しいことを見つけることになって刺激的だ。
最近ではウスバキトンボというトンボに少し驚いている。この一ヶ月くらいあちこちの公園で黄色いトンボをたくさん見かけるようになった。最初Usubakitonbo0809 はアキアカネの羽化したてのトンボかと思っていたが、インスタグラムに上げようと写真に撮ってよく調べるとウスバキトンボというトンボでアキアカネではないと解る。更に世界的に多い種で海を渡って北上して来たトンボとも解る。もちろん1世代では長い渡りはできない、途中で世代を引き継いでの北上となっているらしい。不思議なのは冬を越せない位寒いところまで北上して戻りがない片道切符の渡りとなっているいうところだ。一体何のための北上なのだろうか、明快な説明はなされていないようだ、謎とされているようにいえる。
面白いので少し考えてみる。北上するという習性は多くのウスバキトンボに共有されているようで、経験が引き継がれたのではないことが明らかな以上何らかの形でDNAに書き込まれた行為としか思えない。
種の多くの個体を存在せしめ続けるのがDNAの目的ならば南方で過剰なほどに孵った個体は、無駄な縄張り争いをするより何割かは北上して居場所を増やしてくれた方が都合がいいということだろうか。その子孫が死滅しても毎年北に送り込めれば地球上の広い地域をカバーして夏場の地球全体の個体数を数多く維持できる、夏場だけでも目的は達成されるということだろうか。
結果的にはそうでも何だか変だ。これは、現在よりはるかに温暖な時代があってその時代の行動様式を未だに保ち続けている、それができている、ということではないかて思ってしまう。今も続く氷河期のサイクルが始まってまだ3百万年くらいしか経っていない、トンボという種はそのはるか昔から地球上に存在していてその頃はずっと暖かく北に行っても冬を越せない程の低温になることなどなかったということは十分考えられる。温暖化はトンボにとっては氷河期という環境破壊がやっと終わりかけてくれるという事なのではなかろうか。ウスバキトンボにとってはこの日のために渡りの習性を温存できたという事ではなかろうか。
温暖化による環境破壊だと己の生き残りのことばかり叫びたがる人類はもっと謙虚になるべきなのではなかろうか、そんなことも思ってしまう。
ウスバキトンボ一つでも奥が深い、この世は面白くも興味深いことで満ちている、生きて感じることすべてが貴重だ。

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