2016年11月 9日 (水)

トランプが勝って

トランプが次期米大統領に選出された。正直まさかと思ったが、ちょっとデジャヴの感じがある、勿論英国のEU離脱の国民投票だ、同じような感触だし、ほとんど国論を2分していたがまさかと云うほうへ結果が出てしまった。
Kakusakasane さらに思い出すのは、ピケティの21世紀の資本に出てきた格差は米国、英国で1980年以降特に顕著に進んだ、という図だ。
他の欧州各国や日本と比べて明らかに米英両国で格差拡大が急速に進展している。
資本の力がとりわけ両国で強かったということだろうし結果的に国内での亀裂がどうしようもなく大きくなっているということなのだろう。
今回の結果も米国の時代の終焉の始まり、ということになるのではなかろうか。もう弱い米国を隠しようがなくなったということだろうか。
2016年は時代がコーナーを回った年として記憶されることになりそうだ。
次は何が起こるだろうか、本当に米国が国内に引いていくなら、日ロの和解、日中の和解、そして南北朝鮮の和解、そんなことが次々に起こってきてもおかしくない。何やら興味深いことが起こりそうでそれも面白くもある。

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2016年7月11日 (月)

地球史を学ぶ

仕事を離れたら時間を持て余すと聞いたことがあったが、実際にそのような状態なると全くそのようなことはなくやりたいことが増えるばかりだ。


学ぶことも遊びの一つで、この春からは放送大学大学院の学生証を手にして学んでいる。

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といってもそれほど多くの時間を割くことはできないので放送大学では「地球史を読み解く」という講座のみを正式に履修している。
平たく言えば我々はどこからきてどこへ向かっているのかを科学的に宇宙スケールで明らかにしていこうということになる。

始めるとなかなか興味深い。
東工大特命教授の丸山茂徳という人の講義だが姿やしゃべりはあまりテレビ向きでない。しかし話の内容はすこぶる面白い。
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話は本来どうやってこのような研究が進んできたか具体的にどのように研究なされているかという研究手法が結構重要そうだが、そこらはあまり深入りしない。岩石の年代決定手法や同位元素の分析法など実証の具体的手法の知識が骨格を成すような気がする、そこはない、その意味ではどこか消化不良の講義であることは免れない。



太陽系の誕生と地球の誕生がはじまりだが、宇宙150億年の歴史を俯瞰すると太陽系が誕生した46億年前は銀河系で星の形成率が高まるスターバーストの時期にあたっていたという。

スターバーストは銀河同士の衝突で引き起こされるとされており、46億年前は銀河系と矮小銀河との衝突で起こったと最近は考えられているようだ。

太陽の周りにスターバーストで生じた物質が円盤状に集まり 重い岩石は太陽に引き寄せられて内惑星を作り、飛ばされた軽いガスは離れた軌道に外惑星を形成、内惑星は衝突を繰り返し成長、地球、火星などが形成された、と考えられている。
地球のもとになった惑星は隕石の落下で次第に大きく成長していき最後に火星位の惑星との巨大衝突を45.6-45.3億年前に起こしたとされる。こ衝突はジャイアントインパクトと呼ばれこの時月がとびだしたともされているようだ。


ここからが地球の歴史の始まりとなり、まずは冥王代とよばれる原初の時代が始まる。
地球の水はどこから来たか。地球の水の同位体比--重水素/水素比の値を調べると太陽水素の値や彗星の値とは大きく異なり炭素質隕石の値に近いと解ってきた。

一方地球(および月の)岩石は構成する元素の同位体比率からはエンスタタイトコンドライト(Mg系輝石であるエンスタタイトを主要鉱物とする石質隕石)と呼ばれる隕石物質と一致し炭素質コンドライトとは一致しなかった。
即ち岩石をもたらした隕石と水をもたらした隕石は別々のところからきていることになる。
まずエンスタタイトコンドライトが集まって地球の本体部分が出来上がってきた、そこへ水と大気を持った炭素質隕石が降ってきたことになる。
そんな調子のいいことが何で起こるの、と思わざるを得ないが内惑星が生成後木星の引力の影響で外惑星に近い側の小惑星帯の炭素質の多い隕石が落ちてきたという説明があるだけで今一つ合点がいかない。まだまだ諸説が飛び交っている状況のように思える。

地球に残る最古のかけらは44億年前のジルコン結晶でこの中に含まれるウラン元素の崩壊から年代が推定できており、更に、40億年前前後のジルコンに含まれるセリウム元素の価数分析から40億年以前は酸素の少ない還元的な環境(即ちエンスタタイトコンドライトがもたらす環境)でありその後は酸化的な環境(即ち炭素質コンドライトがもたらす環境)に変わっていったことが物的証拠として示されているようだ。

46億年前という太陽系誕生の歴史は隕石の年代測定から得られたもので太陽系全体がほぼ同時期にできた、それが46億年前であったということのようだ。僅かに残された試料から重要な結論が導かれるところは感心するがどうしても半信半疑のところがある。


それにしても現在落ちてくる隕石の多くが普通コンドライトでありエンスタタイトコンドライトや炭素型コンドライトは少ないとされる、ハヤブサが探査したイトカワも普通コンドライトであると解っている、46億年から40億年前頃に今は少ないコンドライトが惑星を作るほどに落ち続けたのはどういうことだろうか。
少しかじっただけでも疑問は尽きない。



生命の発生に至る過程は更に面倒で、原初の、隕石でもたらされた大量の水は地球の殆どを4kmの深さで覆っていたがこれがプレート運動で次第に地中に引き込まれてそのかさを減らし、現れた陸地の岩石粒子が海水と反応して強酸性だった海水を中和していった、濃密だったCO2もマントルに固着してプレート運動で地中に運ばれて薄くなり太陽の光が地面まで届くようになった、水際では各種複雑な環境が現出し多くの元素が出そろい、間欠泉のような場所で有機化合物が次第に合成され最後に生命の誕生に至った、ということのようだ。

まだ実験室内では生命の誕生までは実現されておらず、本当にこうなのかは解らないが、かなり生命の発生はハードルが高いようだ。最近相次いで発見されている太陽系外のハビタブルと思わせる環境の惑星でもめったなことでは生命は生まれないのではないかと思わせる。

地球の冥王代には多くの生命の形態が有りえたが、大量死を繰り返し結局動物の祖先となる古細菌と植物の祖先となる真正細菌のみが生き残りこれが30数億年生き延びてカンブリア紀に理想的ともいえる環境が出揃ったことにより爆発的種の拡大に至ったということらしい。
ここらあたりまでくると化石が残されていたりでそういうことかと思わせる。


勿論この先も展開は続くのだがここまでの過程でも,人類のような知的生命体が存在しうる天体が地球以外に本当にあるのだろうか、と思ってしまう。地球しかないといわれてもそれはそれで真実かもしれない。
命の宇宙的重さというものを感じてしまう。

確かに学ぶということは面白い遊びだ。

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2016年6月29日 (水)

怪しいメールと英国の没落と

今朝メールを開くと、昨日の晩遅く23時もだいぶ過ぎたころに自分から自分あての怪しいメールがniftyの受信ボックスに送られていて、zipファイルが添付してあるのに気づく。ちょっと怪しい。よくみると、nifty.co.jpとnifty.comの両方に同時刻に入っている、ますます怪しい。
ネットで調べると同様のメールが3月頃にやはりあちこちに送り付けられていて、こちらはトロイの木馬型のウイルスメールだったとある、今回も恐らくウイルスメールだろう。
niftyに特化しているようで持っている他のアドレスには送られてきていない。
何だか次第に危険が身の回りに迫ってきた感じがする。
カードで支払いをする度にカード情報が抜かれるかもしれないとの危うさをフッと感じることがある、段々それが大きくなってきたような気がする。怪しい雰囲気の店員相手にはカード決済をしたくないが、丁度手元に現金がない時にはしょうがない。
いつかはやられるかもしれない。危ない時代になってきた。


Uk 最近の気になる事件の中で、ちょっと衝撃的だったのがイギリスのEU離脱だ。誤った弁舌に誘導されたとの反省もあるようだが、これだけ高い投票率に基づく国民の選択とあらば、一種の錯誤があったにせよ明らかに重大な何かを現しているとみるべきなのだろう。それは何か。
大英帝国没落の最後の一撃と思う。イギリスの衰退は長く指摘されてきたが、ロンドンの金融が世界で重要な地位を占めるに至り、金融の力で国を支える、という形で弱体化した産業を存続させてきたと思える。しかし金融業から距離を置く人々には目に見える恩恵感を与え続けることができず、海外との競争に押され自国民の仕事を奪われて生活が苦しくなったという実感を多くの人に与え続けたように思える。その不満がEU離脱へ向かったと考えるのが妥当ではないか。
そう思うとこれは大英帝国が国民みんなにささやかな幸福感をもたらす力をもはや保てない程に没落したことを国民が明らかにしたととるべきと思える。
求心力が失われていることが明らかにされたととるべきなのだろう。
スコットランドは分離し、ロンドンもシンガポールがマレー半島から分離したように分離するかもしれない。上流階級による国家のかじ取りが限界に来たことを示しているとも受け止められる。英国は過去に西欧世界を支配したギリシア、ローマやスペインの道をたどっていくことになるのだろう。
残った世界をどう世界は運営していくべきか。


ひたひたと世の中の変革が迫ってきているようだ。10年後にはいったい何が起こっているだろうか。それはそれで面白いという気がもする。健康に生きて見届けねば。

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2015年7月14日 (火)

台風が次々に

台風が次々に現れる。エルニーニョではフィリピン近海の海水温が例年より低めとなって台風は発生しにくいはずだが、今年のエルニーニョではそうでもない。前回の2009-2010年のエルニーニョでは2010年前半の台風発生が極端に減っている。今回のエルニーニョが本格化するのはこれからで、まだ台風発生数に影響を与えるというほどになっていないのかもしれない。
今年は1-4月の間に5個の台風が発生した。昨年も5個だったが1951年以来の統計ではこの時期の平均が1.7個となっていて今年去年が極端に多いことになる。この65年間では5個というのが最大であり今年を含めて4回しかない、それが2年続けて起こっている、少し変だ。確実に南の海が温暖化してきているということかもしれない。
ともかくエルニーニョでもそれなりにフィリピン付近の海水温は高く台風発生の目安28℃以上となって台風が続々と発生している(図は2015.7.12海水温度分布)。150712seatemp
一方でエルニーニョで日本の近海は例年より水温が高く、台風は例年より発達して日本にやってくる、たまらない。この先どうなるだろうか。

 

7月7日からひまわり8号の画像が気象庁のページでひまわり7号に変わり用いられるようになった。高精度の衛星画像そのものは全球では10分毎、日本付近では2.5分毎に送られてくる。動画はNICTのページ(http://himawari8.nict.go.jp)で少し遅れて公開されているが、見ると太平洋に写る太陽のぼんやりした像まで動いているのが解り、動きが細かくて、あたかも自分が宇宙に居るようにさえ感じられて、生々しい。
確かに直感的に現在の台風の勢いや動きは理解できるようになったのだろう、予報は時間との勝負で観測や計算のデータを集めて理解しては次々に発されねばならないからこのような直感に訴えやすい画像は強力な支えとなろう。

 

Himawari8 ひまわり8号は、あのスーパー301条による国際入札を乗り越えた三菱電機製の衛星バスを用いる国産衛星だが肝心の光学センサーは米国製だ(Exelis社製)。米国をはじめ多くの国がこの会社のセンサーを使っているようだ。やはりスパイ衛星の製造で技術が磨かれた米国のメーカーにはかなわないところがあるのだろう。
日本の衛星メーカは三菱電機、NEC,東芝3社の時代が続いたが、三菱電機が頭一つ抜け出し今年になって東芝が脱落し、2社時代になった。国内を相手では需要が小さく国際的なビジネスをつないでいける技術を保ち続けるには相当の体力と熱意が必要ということが誰の目にも明白になってきたということだろうか。高度化すれば限られたプレーヤーしか残れないということだろうか。

 

技術は確実に前に進んでいる。しかし「この先どうなるのだろう」という不安に答え 的確に未来を予測できるようになるにはまだまだ道は遠い。ほんの数日先の台風の位置でさえ未だに随分な幅を持ってしか予測できない。こんな段階でも技術の担い手は次第に絞られてくる。
人のやれることは何処かで限界に達するのだろうか、解らない、しかし少し不安になる。

 

「2001年宇宙の旅」のような未来は2001年には実現しなかった、夢のように語られていた21世紀ももう1/7は過ぎた、こんなものかという思いがある。

 

嵐の季節にはこんなことを考える時間ができてくる、それも自然の摂理の一つではなかろうか、手のひらから抜け出すことは出来ないと思い知らされているのだろうか、そんな気がしてくる。

 

。。。。。難しいことを考えるのはもう止めにしよう、息が詰まる。どのみち呑気に生きるほか無いのだから。

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2015年5月26日 (火)

この夏のエルニーニョを眺める

この夏はどうみても明瞭なエルニーニョのようだ。日本にとっては太平高気圧が弱く、夏らしい夏にならない、というのがエルニーニョの夏だ。

エルニーニョとは神の子(男子)の意味でペルーの原住民が使っていた(神の子の祭りである)クリスマスの頃にやってくる暖流を指していたようだが、現在はもっと大きくペルー沖の赤道付近の広い範囲の海水温が高くなる現象に使われている、クリスマスとは特に関係しない。

東太平洋の海水温の上昇は赤道付近の西風が強くなり西太平洋の温暖な海水が東に吹き寄せられた結果として起こる(そうでなければペルー沖には南極からの冷たい海水が浮かびWorldtemp 上がってくる)。
インドネシア付近の西太平洋では暖水の東への流出により海水温が低下し上昇気流がいつもより弱くなる。
赤道の上昇気流で上がった大気が中緯度で循環して下降気流になって降りてきたものが太平洋高気圧の正体だったため、エルニーニョでは元になる赤道付近の上昇気流が弱まり太平洋高気圧が弱まる結果となる、という次第だ。

現在の海水温分布で(添付図)既にペルー沖の海水温は例年に比べ十分高い、もうエルニーニョ状態に入っている。これがこの先更に高くなる予測だから身構えてしまう。

梅雨前線が長く日本上空に居座るかというとそうとも限らない、現在のように太平洋高気圧が弱く梅雨前線がずっと南にあっても晴れが続けば暑くなりうる。現在の弱い太平洋区気圧も既にエルニーニョの結果とみなせる。まともな入梅、梅雨明けが無く、定まらない天気が夏中続くと覚悟しておいたほうが良さそうだ。南からの湿舌による豪雨よりも北の寒気が時折降りてきて不安定な雷雨となるのを警戒すべきかもしれない。

梅雨だから長雨、梅雨明けだから一気に暑くなるということにはならないだろう、空梅雨っぽい雰囲気があって思い出したように雨となる、そんな雰囲気かもしれない。
こんな時は梅雨でも雨と決め打ちしないで遊ぶ予定を入れるのが理にかなっているようにも思える。

こんな風に未来を予想して時の流れを眺めていくのも、仕事を離れてのんびり過ごす身には楽しいことの一つだ。さてどうなるか。

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2014年6月29日 (日)

XPが終了して

WindowsXPのサービスが終了してもXPを使い続けている人はいまだにいくらもいるようだが、手元のまだ十分使えるAcerのaspire-1はXP終了以来使っていない、XP搭載機種だ。多分大丈夫なのだろうがセキュリティが問題となるとどうにも使う気がしない。
しかし携帯用のパソコンの1台くらいは欲しいがと色々悩んでいたら、Lenovoの10.1インチのFlex10がドコモのネットショップで安く売られ始めたのを知りこの機会だからと、エイッと買ってFlex10 しまった。Microsoftの都合で出費させられるのは不愉快だがどうしようもない。ドコモのポイントなるものが知らないうちに貯まっていてこれも使って3万7千円位だ、最新のOfficeが付いてくる割には安いというべきなのだろう。これまではずっと昔に買ったexcel2000を使ってきていたが気象の計算などで時々困ることがあっていた。
程なく送られてきて使い始めるとイライラすることが数多く出てくる。パソコンがうまく動かず設定に悩むと本当に体に悪い。随分以前 使っていたデスクトップのパソコンのディスクが壊れかかって不調になった時は風邪をこじらせて気管支肺炎にまでなってしまった。因果関係はどうあれパソコンのトラブルは体を悪くする、いまだにそう信じている。
Windows8.1搭載のFlex10はタッチパネルとキーボードの両方が出来ていいのだが使用法を書いたものは殆どない。これはipadも同じなのだがipadはこんなものかといじっていくとなんとなく解ってきてストレスが少ない。Windows8.1は変な押し付けが多く素直にやろうとしても中々機能し始めない。例えばログオフの方法が直ぐにはわからない、なんで解らなくするのかが解らなくてイライラする。変なスタート画面で選択できる”メール”は いわゆるwebメールに限られていてあまり使い物にならない、何でこんなもの押し付けてくるのか意図が解らない。win7まであった すべてのプログラム という選び方ができない、いちいちトップ画面をめくって探さなければならない、こんなことを変える必要がどこにあるのだろうか、等々。Helpは日本語とは思えない日本語が並んでいていらいらするばかりで殆ど役に立たない。Windowsはどっちに向かっているのだろうか、独占の弊害がもろに出ている気がしてくる、Microsoftはやることがなくてまともな仕事がなされていない感じだ。
ネットで使い方の書き込みを調べて疑問を解いて先へ行く、という繰り返しで少しずつ慣れてくるが無駄なことをさせられている感触がどうにも拭えない。
こんな先に未来はないだろう、これまでのWindowsの遺産を否定するような革新的進歩はMicrosoftからは生まれようもない、どこかでMicrosoft流の仕事は破綻するだろう。
どこから壊れていくだろうか、恐らく誰かの頭の中からその源は発せられるのだろうしもうどこかで始まっているのかもしれない。それともLinuxがとってかわることがありうるのだろうか。そんなことを思い巡らすのが面白くなる。100年先、1000年先はどうなっているだろうか。

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2013年8月31日 (土)

航空機やロケットの 事故や不具合が

航空機やロケットの事故というか不具合が何故か目に付くようになってきた。
アシアナ航空のサンフランシスコでの着陸事故の後米国の民間輸送機に2つの着陸事故が起こっている。
一つはサウスウエスト航空のB737がニューヨーク・ラガーディア空港に着陸しようとして機首下げのまま前輪から先に接地して前輪を壊し前のめり状態で滑走した事故ともうひとつはUos1354 A300貨物機がバーリントン空港の着陸で滑走路のはるか手前で接地して大破した事故だ。前者は死者は出なかったものの脱出時に軽傷を負った人が数人でた、後者は乗員2名が死亡している。
いずれの事故も機体システムになんら問題は見つかっていない、アシアナ航空の事故と同じだ。正常な機体が通常に着陸しようとしてとんでもない事故に至っている。
天候はA300事故では問題なかったもののサウスウエスト航空では進入中にそれまで背風だったのが滑走路付近では迎え風に変わったとされておりマイクロバースト状(局所的なダウンバースト)のものがあったとも推定されている。この事故では着陸寸前の高度400フィート(120m)でそれまで操縦していた副操縦士から機長が突然操縦を代わっている、マイクロバースト手前のガストへの対処かとも思われるが結局はマイクロバーストに突っ込みゴーアラウンドはしないまま操縦を誤り事故となった、この段階で操縦を代わるのはきわめて異例のことでこの事自体が事故に結びついていたのではないかとの推測も出ている。着陸寸前に急に操縦を代わるほどならその時点でゴーアラウンドをすべきだったのだろう。人同士および人と機械の対話がうまくいっていないように感じる。
A300の事故ではアシアナ航空の事故と同様ILSが使えない状態の滑走路への着陸だった。事故そのものは昔JALがインドで起こした事故と似ているようで高度に何らかの誤認があったものと思われる、滑走路を視認して僅か4秒後に木または地上の物体に接触している、この状態でのこの滑走路の最低決心高度は556ftと定められているので滑走路視認がいかにも遅すぎる、そこまでの間 高度の錯誤をしていた(まだ決心高度に達していないと思っていた)ことになる。ヴィジュアルの経路角確認装置PAPIはこの滑走路にも設置してあるが(パスが随分手前から大きく外れていて)この機はこれを使用していなかったようだ。どうみてもパイロットミスだ。パイロットは2人だがどちらかは薄々何か変だと感じていたのではないだろうか、前のケースと同様どこか会話の足りなさを感じる。
まだ航空機の着陸はヒューマンエラーが介在できる箇所だらけとしか思えない。千変万化の風の中で或いは着陸支援設備が不十分の状態で、パイロットの技量に頼って着陸するのは安全上の問題が未だに十分には解決されておらず、安全を支える技術が随分と足りないように思える。自動化が決め手の一つのように思えてしまうがそうはいっても簡単ではない。

自動化すればいいかといえばそうでもないトラブルが最近のイプシロンロケットの打ち上げで起こったようだ。

Epsilon_rocket_2 イプシロンロケットの打ち上げが直前の誤信号で自動的に停止した。昨日の発表では打ち上げ管制のコンピュータとロケット側のコンピュータの信号授受タイミングが僅かにずれていたために自動停止したとされる。リハーサルは何度もやるはずでリハーサルでここまでのステップを現実のハードで忠実にやれてなかったということになる、どこかに考え落ちがあったのだろう。そういう(人の)開発システムの問題のような気がする。
これとは別に、この打ち上げをテレビ中継で見ていてソフトの問題らしいと感じていたが、ソフト上の問題ということで思い出されたのが昨年11月JAXAのパソコン1台がウイルスに感染しイプシロンロケットの仕様や運用に関わるデータが外部へ流失した恐れがある事件だったhttp://www.jaxa.jp/press/2012/11/20121130_security_j.html。イプシロンロケットの特徴のひとつはパソコン2台で打ち上げ管制ができる簡素さにあった。その後の詳細は発表されていないがもしこの件と今回の打ち上げ中断が関わっていたとするとやや深刻なことになる、そうでないことを願うばかりだった。ロケットの打ち上げがパソコンの自動シーケンスで簡単に行えるというのは考えようによっては危険なことかもしれない。今回はそうでなかったとしても万一ハッキングされればどこへ飛んでいくか分からない、とんでもないことが起こりうる。他からの侵入やウイルス感染の恐れを排したアナログな原始的なシステムでの打ち上げのほうが実は安心できるような気もする。電磁干渉やアナログの不安定という別の問題はあるが贅沢なアナログの時代がここにも必要とされているようにも思える。

世の中は複雑化していく一方で人間の感覚とどこかでギャップが出てきてしまう、こんな問題はいい古されてはいるが今後も当分つきまとうのだろう。人間の感覚にあうのは結局は対話でありアナログであるように思われる。しかし、今後少なくとも数千万年は続くと思われる人類の未来を思えばいつかは収まっていく問題なのだろう。結局大した問題でもなくなっていくのだろう。

未来へ残っていく問題とは結局何になるのだろうか、人そのものだろうか、考えていても解らない、そんなことへと想いが発散していくのが面白くもある。

(画像はいずれもwikipediaによる)

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2013年8月29日 (木)

筑豊の記憶

暑さもようやく収まりつつある。日没も随分早くなって夜が長くなってきた。
筑豊の田川の近くにちょっとした用があってその帰りに伊田にある炭鉱歴史博物館というところに寄った。世界記憶遺産となった山本作兵衛の炭鉱の絵が多く展示してあるらしいというので月曜だったが行ってみたのだが 恐れていた通り休みだった。博物館の周辺に色々炭鉱の遺物が Entotu2 残されているのでせっかくだからと見てみて周ったがこれがいい。

幼い時の記憶では伊田駅は蒸気機関車が入れ替わり立ち代り黒い煙を吐きいかにも炭鉱の街という景色だった。頭の片隅に残っているのだが勿論今はそんな活気はどこにも無い。

大きな煙突が2本立っている、傍の説明板に旧三井鉱山伊田縦鉱の巻き上げ機の動力煙排出用だと書いてあるがそれに続けて炭坑節に歌われたのはこの煙突だとも記してもある、あれ、という感じがしないでもない。
小さいときから炭坑節というと月が出た出た月が出た三池炭鉱の上に出た と教わっていて伊田の炭鉱とは思ってもみなかった。この記述が正しければ最初は 三井炭鉱の上に出たと でも歌っていたのだろうか。
帰ってネットでみると最も詳しいとみられる炭鉱歴史博物館のページでは確かにそのように三井炭鉱の上に出たとなっているが他の普通のサイトでは、うちのお山の上に出た とある、更には三池炭鉱の上に出たとの歌詞を載せているサイトも未だにある。多分ここで始まったのがそれぞれの炭鉱の固有名詞に変えてそこで歌われていったのだろう、三池炭鉱が最後まで残ったんだろう。ここの煙突は1908年に作られているからかなり早い。炭坑節は伊田と後藤寺で本家争いがあった後伊田が本家と決着したとの記述もネットにある。しかしそんなことはお構いなしに幾つかの歌詞はどうしようもなく並行して流布され続けていく、それが言葉というものだろう、生き続けるということなのだろう、なんだか面白い。
この煙突なら月も煙たかろうと思うほどの立派な煙突だ、厭おうなしに未来に向かって栄えた過去を主張し続けている、しかしどこか空しい。このほか巨大な竪坑やぐらや蒸気機関車、炭鉱住宅なども保存されている、しかしあの活気は伝わってこない、おとなしい遺物でしかない。

筑豊というと子供の頃のイメージは菓子箱いっぱいの巨大な成金饅頭だった、どうだ、という主張があった。ほとんど無くなりかかっていたが近年復活してきているようだ。消えてしまう記憶遺産も多い。
使われなくなった固い固形物の遺産よりも巨大な成金饅頭や炭鉱節のような柔らかいもろい遺産の方が時代の雰囲気を伝え、むしろ生き残って形を変えながら未来を作ってくれるかもしれない、そんな気もしている。

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2013年4月11日 (木)

気象の予測範囲が未来に伸びていく

気象庁から毎日公表される気象予測数値データ(GPVデータ)が3月の終りから予測範囲が従来の8日後までが11日後までへと3日分先の未来まで延びた。11日先の予測が出れば何処かへ出かけようという行動予定には相当に有益だ。宿の予約も気楽に変更したりもできる。しかしどのくらいの信頼度なのか気になるところではある、しばらく眺めて実感を感じるほかない。読み出すソフトの改修も楽ではないが、このところ時間を割いてデータ切り出しソフトや表示ソフトを変更していた。データの説明文書は得られないのでこれまでのデータの組み立てから想像して変更するほかない。一昨日くらいからやっと表示できるようになって見て 264yosoku2 いる。今月の17日にちょっとした用があるのでそこを見ているが一昨日の段階の9日先のデータでは福岡は雨だったが今日見ると曇りくらいで済むと出ている。天気図でみると前線を伴った低気圧が17日に北部九州にくるはずが少し南にいくという予測に変わってきている。全体としては太平洋の高気圧が弱まる代わりに日本海に高気圧がくるという予測に変わってきているが シベリヤや中国の状況はあまり動いていない。特に太平洋の高気圧・低気圧の変化が大きい。考えてみると太平洋の高層気象予測にはその予測の基本となるバルーンによる観測データが殆どない、特に北半球でも太平洋の北側部分は皆無の状況だ。僅かな南の島と北の陸地の観測点の値から広い海洋上上層の気圧や気温、湿度を推定していることになる、ちょっとした初期条件の変化(すなわち日々の観測の変化)が9日も先の予測には大きく響いてくるのはいかにもありそうだ。夏や冬の比較的安定した時期ならば予測も当たりそうだが春や秋の動きの激しい時期は難しそうな印象がある。
思い直せば所詮未来予測だ、きっちり当たらないほうが生きていて気楽かもしれない。明日には明日の風が吹く と呑気にしているほうが 10日先までそんなことは決まっているじゃないか というより はるかに楽な人生が送れるような気がする。
きっと100年後になればそれくらいの予測は当たるのが当然の世の中になっているだろう、500年もたてばどこまでいってしまうだろうか、幸せな世の中に向かって人類は進んでいるのだろうか、そんなことも考えてしまう。

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2013年1月22日 (火)

787のトラブルが収まらない

787のトラブルが収まらない。いくつかトラブルが続いたがバッテリーの火災は深刻なものが感じられて飛行停止となった。電気系統はどうなっていたんだっけとネットで少し調べてみる。問題はバッテリーを含む電源回路なのかバッテリーそのものなのかというのが最初の疑問になる。

787は燃料消費の少ない機体であることが最大のポイントでこれまでの機体のようにエンジンの圧縮空気(抽気)を抜いて機器を駆動したり与圧に使ったりはしていない。エンジンの効率をフルに生かした エンジンから抽気を抜かないジェット旅客機というのが大きな技術的アドバーンスになっている。これで20%の燃費改善のうちの3%分を得ている計算になるという。エンジン出力を電気に変えて各機器を動かしており、通常の機体の2倍の発電機をエンジンとAPUが駆動して電気を作っていて、総電力は1.3メガワットにもなる。このバックアップに電池が必要になるのだが当然負荷が高く 高効率の電池が求められてリチウムイオン電池の採用となった。同じサイズのニッカド電池の2倍の容量が得られるという。787搭載のユアサのバッテリーは酸化コバルトの使用でエネルギー密度が高いといわれ安全性の試験も十分に行われたといわれるがこの事態だ。787にはこ787system1 の63lbs(28.5kg)のバッテリーが前方と後方に1個づつ積まれているが、ボストン空港で出火したのは後方バッテリーで、APUを起動するのがその役目となっている。ボストン空港着陸後25分で出火していることからエンジン停止後APUを起動した直後に出火したとみられる。高松空港に緊急着陸した機体は前方のバッテリで離陸後まもなく出火している。こちらのバッテリーはシステムのバックアップが主要な役割となる。バッテリーの電力を使用するフェーズとは思えず過充電状態になっていたのではないかと推察される。バッテリー自体の保護回路と電源システムの両方が疑われるが、ボストンでの出火ではバッテリーは過充電状態になっていないデータが出ていると伝えられ、バッテリーそのものが疑われている状況にある。未だ2つのトラブルの共通の原因には到達しきっていないようだが結局はバッテリーにも電源システム側にも何らかの安全対策が施されることになって行くことになり、飛行再開までには相当の期間が必要となろう。
この他の燃料バルブの誤作動や風防ガラスのヒビのトラブルも対処は簡単でもないように見えるが、この間に解決されていくとみられる。バッテリーのトラブルも含めて初期故障といっても間違いではないが設計の狙いに関わるだけに深刻な状況のように感じられる。
今年夏に初飛行予定のエアバスA350はどうなるだろうか、先進的なシステムの航空機で同様にリチウムイオン電池を使っている。787の事態をみながら少しはましな対応ができるようになるだろうか。

こうやって前に進んでいく。先進的な機体でこれまでにない遅れとトラブルが続くという現実は 次第に前に進むのが容易ではなくなってきていると感じさせる。次の量子的ジャンプが出現するまで壁のようなものを感じながら進んでいくのだろうか。人類にとって時はまだ十分にある、後戻りさえしなければそれで十分なのかもしれない。

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