2017年3月10日 (金)

長野でのレスキューヘリの墜落

3月5日午後1時33分頃松本空港を離陸したベル412EP双発レスキューヘリが15分ほどで松本市のすぐ東にある鉢伏山の山腹に墜落した。
搭乗者9名は全員死亡。機体は裏返しに地面に激突しており、メインロータはすべて砕け、テールは折れてテールローターは発見されていない。激しい墜落だ。
墜落位置は細かくは発表されていなMap いが報道情報を突き合わせると山頂西の図に示した谷のあたりと思われる。
現場の北西の標高1800mほどの尾根にはローターで木々の頂上部が切り取られた跡が報じられており、尾根の高いところで木と接触したと見られる。
また、機体の右後方に座っていた隊員のヘルメットカメラが回収されており、その映像から激突の5秒前までは通常の安定したフライトだったことが解っているようだ。無線連絡も一切なく機体のハード的故障の可能性は低いように見え、また、天候は、晴れで風もとりわけ強くもないMap3 ようだ。松本空港の地上の風は北3-4m程度であり、MSM気象データからは高度1500m位の風は西6m前後と推定される。
フライトレコーダは搭載されておらず原因究明には時間がかかろうが、現在までに得られている公開情報からは、
事故機は高ボッチ山の着陸地点に向かって北側から稜線の風上側を横風アプローチしていたところ稜線に近づきすぎて立ち木にローターがあたりコントロールを失って風下側の谷に転がるように落ちていった
 と想像される。
松本市をはさんで風上側には焼岳等の北アルプス連峰が南北に連なり、西風では北アルプスの乱流が及んでくることと推定される。ただ、この日はそれほど風も強くなく、乱流への警戒が緩んでいたとも考えられる。
山の風上側の上昇気流を利用してエンジンを絞り気味でフライトしていたところへ乱れで風が弱まり上昇気流が弱まって山に近づきすぎる結果となって立ち木に接触したのかもしれない。
日常的に飛行している場所の難しい気象とは思えない状況でパイロットの心に僅かなゆるみが生じ事故をもたらしたのかとも推察される。

経験豊かな山岳ヘリパイロットがホームグラウンドの空域で事故を起こす、誰であれそのパイロットのポジションにあればいつかは事故を起こす可能性があったとも思える。どうやればシステム的に事故を防止できるだろうか、警察が罪を追求することでは決して防止することはできないだろう。
AIも役に立つのかもしれない、知恵を出し前に進ことが求められているようだ。

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2016年12月17日 (土)

パキスタン国際航空の墜落事故

鹿島アントラーズがナシオナルを破ってクラブ対抗戦決勝に残ったとの報を見て、墜落事故で突然そのチャンスを奪われたシャペコエンセ相手だったらどうだったのだろうか、とつい思ってしまった。
亡くなった人々は戻らない、大きな空虚がそこにできる。


Pk661atr42500 パキスタンでまた航空機の墜落事故だ。搭乗者47名全員が死亡した。今度はパキスタン国際航空(PIA)のターボプロップ双発 ATR42-500で、12月7日現地時間16時10分頃(GMTで11時10分頃)、北部のチトラルからイスラマバードに向かっていた機体がイスラマバード北の山地にほぼ巡航高度の13,375ftから墜落した。PK661便という。
すぐにエンジンに問題のあるままPIAの運航部長の指示で無理に運航したとの報道が伝えられ、事故寸前の管制官へのパイロットの通報でも左エンジンに問題が起こったとしている。エンジントラブルに一因があったことは明らかなようだ。
現状では飛行経路や速度高度等レーダーで分かっている情報も公開されていないが、12月9日に現地の信頼できる英字紙であるDawn News がパキスタンの航空局(CAA)から入手した速報として、左エンジントラブル後数分間は比較的緩やかに
2000ft降下、その後自由落下のように急速に降下してレーダーから消えたと報じている。例え両方のエンジンが停止したとしても機体は15-25kmは滑空できる能力があることから、例えば左エンジンの爆発等致命的なことが起こって翼構造が大きく損傷し操縦不能となって墜落したのではないかと当局は推察しているようだとも伝えている(CAAは公式には速報の存在を否定しているが内容はそれらしくみえ、Dawnが入手したのはCAA内部の個人的レポートと推察される)。フライトレコーダやボイスレコーダーは回収されているので、じきに真相が判明しよう。ともかく1発のエンジンが止まっただけでは落ちることはないように双発旅客機はできている、エンジントラブルに続く何か致命的なことが引き起こされたのは明らかだ。事故後のPIA内部から出てきた声を見ると整備に十分手をかけていないエアラインのWeather16a ように見え、エンジン以外にも不具合箇所があったのではないかとも想像される。気象条件は問題ない。現状では整備に何か問題があったとみるのが妥当そうだ。

搭乗者はクルーは5名で全員パキスタン人、乗客はパキスタン人39名、オーストリア人1名、中国人1名、韓国人1名となっている。パキスタンのPOPスターも乗っていたり基本的に日常の足となっている国内線という姿が見えてくる。

これまでのところ、パキスタン最大の航空会社、フラッグキャリアのPIAが整備に問題があったと内部からの指摘が噴き出すあたりに今度の事故の特徴があるように思えている。パキスタンはまだこれ位の国なのかとも思えてしまう、そう思われてしまうところが航空機事故の厳しさなのだろう。

さて事故の真相はうまく解明されるだろうか。

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2016年11月30日 (水)

コロンビアでのRJ85の墜落

南米コロンビアで悲惨な航空機墜落事故が起きた。コパ・スダメリカーナという南米のサッカーのクラブチーム選手権の決勝を戦うべく、ブラジルチームとして勝ち残ったシャベコエンセというチーム一行がチャーターしていた機体が墜落大破した。シャベコエンセは今年特に調子がよくチーム創設以来初めてコパ・スダメリカーナの決勝に臨むところだったという。悲劇的だ。
Rj85 機体はRJ85という英国製で、85人乗りという小型ながら4発エンジンを付けているという特徴がある。事故機は1999年3月初飛行だから17.7年の機令ということになる、少々使い込んだ機体だ。運航はラミア・ボリビア航空という会社だった。(写真はwikipediaより。塗装はエアフランスが使っていたころのもの)。
サンパウロからボリビアのサンタクルーズ国際空港を経由し試合のあるコロンビアのメデジン空港に向かっており到着寸前にメデリン南方の山岳地帯に墜落している。現地時間11月28日午後10時頃(GMTでは29日午前3時頃)のことだ。
搭乗者はクルーも含めて81名でうち75名が事故で亡くなり6名が救出された、1名は病院に搬送中に亡くなったという。
Rainmap1 天候は雲が多く雨模様だったようだが、旅客機を落とすほどに激しかったようでもない。
当初電気系統のトラブルがあったと報じられていたが、その後の報道などからはどうやら燃料切れで落ちたというのが本当らしい。
早速RJ85の航続性能と飛行すべき距離を調べてみると、サンタクルーズ国際空港とメデジン空港巻の距離は直線で1605nm(2975km)あるが、RJ85の航続能力は1人当たり手荷物込みで100kgとしてペイロード=航続距離の性能図から読み取ると僅かに能力が足らない。標準の機体でそうだから17年もたった機体ではもっと劣化もあるだろう。本来含むべき余裕もとられていないようだ。そもそもが無理な飛行だったことが直ぐにわかる。
Rjrange 何ということだろうか。間違いにしてはあまりに悲惨だ。おそらく管制との厳しいやり取りが最後にはあったものと思われるが何故か発表されていない。ボイスレコーダもフライトレコーダも回収されており事故の全容は程なく明らかにされるだろうが、あまりといえば余りの状況の様だ。
ブラジルを代表するサッカーチームがお粗末なフライトプランで全滅した、言葉もない。

 

それにしても予想できない選挙結果や事故が次々に起こる、世界は信頼できない時代に入ってきているのだろうか。

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2016年7月 7日 (木)

LCCの話

つい1週間ほど前LCC(LowCostCarier 格安航空)を使って関東まで出かけた。LCCの話題にはもう10年以上付き合ってきていて、どういう仕掛けかとか何が肝心かとかは解っていた積りだが、初めて乗ってみると色々思うところがある。

基本的に東京での飲み会に出る、ついでに久しぶりに日光の鳥を見たい、という ゆるーい旅だからできることなら飛行機代は格安で行きたいと、スケジュールの許す範囲で最も安くなる便に最も安い形態で乗るということに決めていた。
行きはLCCのジェットスター、帰りは同じくLCCのピーチアビエーションとなった。機体はいずれもエアバスA320-200だ。チケットとして最安値はピーチだが、午後早くに会合があって、これにうまく合うピーチの便はなく、帰りは丁度いいピーチの便があってこうなった。図らずもLCCの乗り比べと、運営が始まったばかりの成田のターミナル3と従来のターミナル1の比較、東京駅ー成田の900円シャトルバスの評価等、移動がなかなか興味深い旅となった。

行きの福岡空港発成田空港行きジェットスターは48時間前からウエブチェックインできるので、これを済ませて空港に向かった。
施設使用料、支払手数料を含めた運賃は8200円だ。福岡―東京のJAL/ANAの片道普通運賃は43600円!だからこれでも1/5以下で十二分に安い。
手荷物は7㎏に制限されている切符で手土産を含めるとどう見てもこれを1㎏位超えそうなので、前もってキャリーバッグは宿にクロネコで送っておいた。1620円だが、手荷物超過の場合にとられる3000円よりは安く都内の飲み会も気楽に行けるので悪くはない。しかし、ピーチであれば10kgまで許容されてクロネコは使わずに済むのにとも思う、しようがない。
ウエブチェックインだから荷物の重さを量るポイントは通常は無い、手荷物が目立つ場合に特別に量るらしいが今回の便ではそんな光景はお目にかからなかった。時間もタイトで余程のことがなければ量らないとの印象を受ける。
出発時刻の20分前くらいから窓際の席からボーディングが始まる、7kgの制限のためかキャリーバック持ち込みはそう多くはない。朝の一便ということもありとりわけ遅れを後ろの便に送らないようテキパキと搭乗を進め定刻よりやや早めに駐機位置から動き始める。このあたりの手際よさは気持ちがいい。
Lcc2 満席だ。座席はANAの標準166席(28列)に比べ、180席(30列)のハイピッチだからかなり狭く感じる。シート背の物入れが無くペットボトルなどを押し込めれるようにはなってない。少しでも足元スペースを広げようとしているようだ。人の出入りには座っている人が一旦通路に出るほかなく窓際の人は事実上トイレにはいけない感じだ。チェックインの早い人から通路側の席を割り当てているように感じて、この辺りは早い者勝ちの雰囲気がある。
飲み物や食べ物は機内販売が回ってくるが少なくも200円Lcc1 以上はして、安いということはない。普通のペットボトルの水を持ち込んで手に持っている他ない感じがする。
成田には若干早めに着いて、そのためか着陸順を待つこともなくストレートにアプローチラインに乗る。予定到着時間よりもやや早く、前倒しの運航に成功している。アナウンスでは次の出発まで30分しかないという、ドアが開いたら早く降りてほしいとの感じが伝わってくる。LCCは機体の回転が肝心で細かく付加料金をとっていくところも含めて教科書通りのLCC運航を行っているように見える。
Lcc3 駐機場所からバスで第3ターミナルに向かう。まずは2階に上がって直ぐに八重洲口行シャトルバスの予約手続きをしようとするがちょっとした列ができていて見る間にすぐに出る便は満席になる。次の便の予約をもらってバス乗り場まで移動する、大した距離ではない、第3ターミナルのロビーを少しぶらぶらしてみるが何とはなしに日本のターミナルとは少し違うケバケバしさがあって乗客も外国人が多いように感じる、ちょっとした外国だ。
東京駅まで行くバスとあればそれなりに渋滞に会うだろうLcc4 から少しは遅れるだろうと思っていたが、驚くなかれぴったり予定の時間に八重洲口に到着した。渋滞時間を織り込みながら運転手が微妙に速度を調整して走っているのだろうか。信頼感のあるバスだった。

帰りは茅場町で地下鉄日比谷線から東西線に乗換え日本橋駅から歩いて八重洲のバス乗り場に行った、地図で見るとこれが一番近いルートに見える。勿論乗換などで結構歩くが暑い日なたを長く歩かずに済むのが楽だ。
Lcc6 予約していたバスの一つ前に乗れそうだったので係りの人の了解の上列に並んで前のバスに乗り込む。希望を言えば現場でよしなに計らってくれる感じだ。帰り便のピーチは第1ターミナルだ、ANAの子会社というためだろうが施設使用料がそれなりに上がりそうだ。しかし帰りの切符は施設使用料・払い込み手数料含めて5670円だ。こんなんで成り立つのかとも思うが直近の経営データではピーチはやや黒字でジェットスターはやや赤字という。ピーチのほうが手荷物10kgだったりちょっと緩い感じがして満席にしやすいLcc8 のかとも思う。
こちらは昼の便で若干遅れを引きずっているようでボーディングも10分くらい予定より遅い。チェックインは空港ターミナルで無人の機械で行うが、センサーにバーコードをかざすだけというものであっという間に終わる。
座席は同じく180席だがシートの厚みが薄いスマートなシートで足もとの広さは心持ちジェットスターより広く座席背の物入れもある。僅かなことだが乗るならジェットスターよりピーチかなと思ってしまう。ここらあたりがうまいのだろうか。
Lcc7 手荷物が10kgなだけにキャリーバック持ち込みが多い。ちょっとサイズが大きいかなというのはチェックして機内持ち込みを拒否しているようだが重さまで量る光景はない。そんなものなのだろう。機内のオーバーヘッドビン(荷物棚)の奪い合いになるかと懸念したがそんなこともなくすんなり収まる、勿論満席だ。
予定を10分くらい遅れて動き出したが途中とばしたのか風が弱かったのか到着は予定の3分前と遅れを取り戻した。いかにもLCCらしい努力だ。機内の販売はジェットスターと似たようなものだがちょっと安くて少し面白いかなという印象がある。僅かな努力の差がジェットスターの赤字とピーチの黒字を分けているように思えるがピーチの少し緩いところがいつまで保てるかとも思う。結構シビアなビジネスだ。確かにスカイマークとはちょっと違う、もっとドライなところがある。

でも一旦これで東京に遊びに行くとLCC以外を選択する気は余りなくなる、これで十分だ。
こうやってLCCはメインラインを圧倒していくのだろうし旅客機ビジネス全体が結局は拡大するのだろう。時代が動くのを直に感じる思いがしてともかくこういう旅は面白い。

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2016年5月25日 (水)

エジプト航空804便の墜落

またエジプトに関連する航空機の墜落だ。前回はエジプトからロシアに向かう航空機Jiko1 だったが今度はパリ発エジプト行きの航空機だ。もしテロならばパリ空港のセキュリティが疑われることになり影響は大きい。
事故の状況:パリ発カイロ行きの深夜便のエジプト航空機がクレタ島の南東付近の海上に墜落した。機体:エアバスA320-232
(145人乗りの機体)、エンジン:IAE V2527-A5 。機体は2003年7月の初飛行で12年10カ月の機齢、問題とするほど古いというわけでもない。5月18日21:09Z(現地時間23:09)、パリ・ドゴール空港を 出発。出発予定は現地時間22:45であったからやや遅れている。搭乗者は乗員10名(2:操縦士(飛行時間6,275hr)、副操縦士(
飛行時間2,766hr)、5:客室乗務員, 3:セキュリティ要員)、乗客56名(30:エジプト人、15:フランス人、2:イラク人、以下各1:イギリス人、ベルギー人、スーダン人、チャド人、カナダ人、クエート人、サウジアラビア人、ポルトガル人、アルジエリア人)。当然のようにエジプト人とフランス人が多い、木曜の深夜便では観光客ではなくほとんどが何らかの用事をもった客と推察される、なんとも悼ましい。
クレタ島の南東沖地中海上を飛行中の19日00:27Z ギリシャ管制の呼びかけに応答せず、00:29 レーダーから機影消える その後の捜索でクレタ島南の海上から機体破片と遺体の一部が発見。機体の飛行データを記録したブラックボックスは未発見。付近の海は2000m程度の深さがありフランスとエジプトから潜水艦が出動して捜索中、というのが25日現在の状況だ。
機体からの異常を伝えるパイロットの通信は事故時無かった。飛行中の位置高度速度データについてはADS-Bのモニターデータがflightwareのサイトで公表されているが、37000ft,534kt,緯度経度は(33.6768,28.7912),進路方向137°のデータが00:29:31Zに送られて終了している。機器の異常を知らせるACARS(Aircraft Communications Addressing and Reporting System)データは00:26Z コクピット右窓の防氷およびコクピット・スライド窓センサー、に異常、トイレに煙感知 00:27 アビオニクス室(コクピットの下にある)に煙検知、00:28 コクピット右固定窓センサー異常 00:29 自動操縦装置のコントロルユニット2故障 00:29 フライトコントロールセクション3故障 の信号を自動発信した後終了している。
Kousouzu  気象条件は、現場付近には荒天をもたらす雲の発生は認められないが高層大気からは当時ジェット気流がアフリカ北にあって事故時点で丁度これに突っ込む形でフライトが進行しており何らかの乱気流の影響があったことが考えられる。

事故原因はまだ明らかでなく、救難信号の発信もな
突然墜落したことから爆発物によるテロが疑われている。
ACARSデータからはコクピット内、恐らく右側のコパイ席側で突然火災か爆発が起こり、これにより窓のセンサーがまず異常を検知、コクピット内が火災か煙で管制にも応答できない状態となった、続けてコクピットのすぐ後ろのトイレの煙センサーが煙を感知、コクピット下のアビオ室にも煙が流れてこれを検知、火災のためアビオ室のフライトコントロール装置が次々に故障(破壊)し最終的に墜落に至ったと思われる。

飛行中コクピット内に煙が発生したというトラブルは例えば米国では年間1000件前後発生していると言われ、機体の何らかのトラブルによる突然の火災という線も捨て去ることはできないように思える。特に近年リチウムイオン電池の発火が多いと言われており、コクピット内に持ち込まれたパソコンか何らかの機器が乱気流による突然の機体の揺れで落下あるいは窓に激突・爆発的発火ということも考えられなくもない。
素直なのは何らかの方法でコクピット内に爆発物が持ち込まれ或いは仕掛けられてこれが爆発したとみる見方だが、テロ集団の犯行声明もなく、何故なのか、どうやってそのようなことができたのか、説明は難しいようにも思われる。もしかしたらパイロットの自殺か、とも考えられる。原因の特定は難航しそうだ。

何が起こったのだろうか。ブラックボックスの回収を何としても成功してほしいと思うばかりだ。もし機体側に或いは運航システムに何か対策すべきことがあるなら即刻なされなければならない。そうやって空の安全がまた向上することになれば全く無駄な死を重ねたということにもならないだろう、民間航空機という手段なくしてはもはや世界が立ちいかない時代になっていることは明らかなのだから。

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2016年3月24日 (木)

ギリシャに旅行する1---アテネへ

ギリシャに遊びに行った。
ギリシャ経済危機やら難民が押し寄せている映像やら危なそうな印象が頭にあって、今回は個人旅行はやめてHISのツアーを利用した。
ヨーロッパ文明の源ギリシャはどんな姿であっても見るべきものがあるに違いないと思っていた。
久しぶりのヨーロッパで準備がぎこちない。気候不順で風邪が抜けきらない気もした、体調がいいとはとても言えない。でも出発した。
成田発のツアーを福岡から参加するのも初めてだ、成田線の737―800は満席だった。どうみても機体が小さい。13時過ぎのデパチャーだから食事をとカレーを空港で食べて成田へ向かうが体調が良くない時にカレーはまずかった、冷えた空調も効いて腹具合が不調になってくる。先が思いやられる。
成田で3時間ほど待ってやっと集合時間となる、13人+添乗員が揃って、見ると女性のひとり旅が半分を上回る、全部合わせても男性は2人しかいない。そんなツアーかと思う、危険な匂いのするところには男は行かないということか。久し振りの海外行きはアレッということが国内にいる所から次々に出てきて、やはり面白い。

Abudabi3

エティハド航空でアブダビ経由でアテネへ向かう。
まずはエアバスA340-600だ。A340は初めてで興味が沸いていたが、座席ピッチが国際線にしてはやや狭目かという気もする。まあこんなものだろう、満席だ。2-4-2の座席の窓側2
に座る、この配置はいい。

アメニティが色々ついていて耳栓もある、4発機の後部座席はやはりエンジン音がうるさくて、耳栓は有難い。Abudabi5

各座席にコンセントがついていてipadのバッテリー減りを気 にせず遊べるのはいい。いいところもあるがコンセントにはCプラグでないと旨くささらなかったし手探りでさすしかないのは不便だ。とにかく有るだけいい。

ヨーロッパ線で最後に乗ったのがA380だったのもあって初めて乗るA340だがトイレが少なかったりうるさかったり、印象がイマイチだ。やはりもう古い機体だ。エティハドはA350を大量発注しているので今後はそちらに期待したい。
Abudabi1 アブダビ到着は予定時間よりも1時間も早い、そういえば成田出発時間は直前で10分前倒しの時間がアナウンスされ、到着もこうだ。何か定時運航成績を良くするために小細工を弄している気がする、エアラインのランキングを上げようと必死のようだ。
アブダビで乗り換え時間を潰している時にブラジルに戻る途中だという中年の男性に出会った、40年ぶりの日本帰国を果たして戻るところだという。日本からは中東経由が南米には便利のようだ。エミレーツやエティハドの急拡大をAbudabi4 見ていると石油が枯れる日を見ながら中東諸国はその地理的位置という資源をビジネスに変えようと着々と投資を注いでいると思える。エミレーツのドバイの方がエティハドのアブダビより少し先へ行っていて空港としてモダーンなのは否めないのだが、アブダビも未だ空港整備の工事を続けており、早晩肩を並べるようになるのだろう。
アブダビからアテネはA320でこれも満席だ。イラク、シリア、イスラエル、レバノン といった危ない地域を通るのが直線ルートで、どいう風に飛ぶのか、と思っていたがアラビAbudabi2 ア湾をその形に沿って北上、雪山を見ながらイラク、シリアは避けてトルコに入りトルコの中央部を西へ抜けてギリシアへ至った。とにかく誤射でも撃ち落とされてはかなわない、相当にルートに気を使っているのが伺える、リアルな戦地だ。
とにかくやっとの思いでアテネ空港へ降り立った。家を出てから凡そ32時間後になる。長すぎる、成田ー福岡をほぼ往復するルートを取っていたり、いろいろ無駄が多く福岡アテネの直行便があれば半分位の時間でも行きそうだ。B787のようなハブ=アンド=スポークをバイパスするコンセプトの機体がやはり望まれているのを実感する。しかしともかくこれくらいかかると時差ボケも和らぐというものだ。

アテネは予想通り雨模様だ。大した雨でもなく翌日からは良くなるはずだから1日くらいはいいかと思う。疲れたが次々に思わぬことに出くわして、移動するだけでもやはり旅は面白い。

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2015年11月19日 (木)

Lrs-Bの話

何気なく日経ビジネスをパソコンで読んでいたら「アメリカ空軍の次期長距離爆撃機をノースロップ・グラマンが受注した」との文字が目に入って、おや、と思ってしまった。仕事をしている頃なら何かと気になる話でとっくに知っていようものをこんなふうにのんびりと居間で読むことになるとは、というのが、おや、の感覚の出どころだが、やはり気になるものは気になる。

Uslongrangebomber Long Range Strike-Bomber (LRS-B)というのが正式の名称だが、どこの企業でこの機体が開発されるかで米国の軍需企業の今後のそれぞれの立ち位置が随分と違ってきただろう。なにしろ80B$のプログラムだ、およそ10兆円ということになる。 ノースロップグラマンはこれを取れなければ空軍の第一線機開発の仕事を当分できないことになり、技術の継続を保てなくなると危惧されるところだったはずだ。
対抗馬であるボーイング=ロッキードチームからはすかさず選定に異議ありとの申し出が出された。数年前の空中給油機の選定では同じようなパターンでボーイングの異議が通り選定がひっくり返った経緯があるが、選定した米国防省もそのときまず選ばれたノースロップグラマンも経験済みのことゆえ今回はそう簡単には行くまい。

そもそも長距離攻撃爆撃機とは何か、なぜ必要なのか。 非常に単純には現在のB-52をはじめとする爆撃機が旧式化し老朽化してくるためこれを置き換え軍事力の低下を防ぐために必要ということになろう。
何故戦略爆撃機が要るのかというのには幾つかの言い方があるように思うが、ICBMなどの核ミサイルが事実上使えない兵器になっていて、戦略的な攻撃を行うには爆撃機が必要というのが最もわかりやすい説明だ。
戦略兵器については新START条約で制限があり大型の核搭載爆撃機の数は規制されている。規制されない程度の航続能力の爆撃機を保有して将来起こるかもしれない事態にいかようにも対処できるようにしておきたい、というあたりが正直なところだろう。
要求性能等は一切公表されておらずすべてが憶測だが、コンバット半径は規制にかからない2500nm位ではないかと言われている、そんなあたりだろう。B-52より無論はるかに小さい。
1機当たりの量産価格が550m$以下というのが大きな縛りになっているようで、ノースロップグラマンが勝ったのは価格が低かったということらしい。巨額のプログラムだが普通の入札の感覚のようだ。 しかしこのすさまじい軍事費を払い続ける米国にはあきれるばかりだ。

米国の突出した軍事力プレゼンスの時代はいつまで続くのだろうか。すべてのことには終わりが来るものだがこの終わりには抑えられていたものが暴れ出す大混乱の未来があるのかもしれない。

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2015年11月 3日 (火)

シナイ半島で墜落したロシアのA321事故原因推定が一筋縄ではいかず

また巡航中の旅客機墜落事故だ。
2015.10.31,6:13現地時間(4:13 世界標準時)、ロシアのメトロジェットが運航するエアバスA321-231がエジプト・シナイ半島で巡航約30000ftの高度から一気に墜落した。
乗客はロシア人209名、ウクライナ4名、ベラルーシュ1名とほとんどがロシアからシナイ半島のリゾートに遊びに来た客だ。
機体は1997年製で18年使われておりリース会社からリースを受けている、エンジンも18年たったIAEのV2533-A5でこれも古い。
事故機はエジプト第一のリゾート都市でシナイ半島南端にあるシャルム・エル・シェイクを飛び立ちサンクトペテルスブルグに向かっていた。エジプトはシャルム・エル・シェイクの治安にはことのほか力を注いでおり数少ない安全な都市としてヨーロッパ・ロシアからの観光客を多く引き付けていた。
  事故後シナイ半島北部で戦闘しているISシナイ州と名乗るテロ集団が撃ち落としたと声明を出しているが30000ftを飛行する航空機を打ち落とすミサイルを所持しているとは到底考えられず、はったりと思われている、多分そうだろう。
機内で爆弾を爆発させた可能性は完全には否定できないが、シャルム・エル・シェイクの治安にはことのほか力が入っていることから、可能性は高くはないと思われる。
気象条件は特に問題となるようなものはない。
Flightradar24機体のフライトレコーダ、ボイスレコーダは回収されエジプト当局により解析が始まっておりこのデータが極めて注目されるが、まだ暫くは時間がかかるだろう。
現在得られているデータはADS-Bの出力としてFlightradar24が公表している高度・速度のモニターデータがあるだけだが、これを見ると墜落直前に急に高度を3000ft上げているところが目に付く。
速度は維持したままなのでエンジンを急激にスプールアップしたことになる。このような操縦は通常とは思えず、エンジン制御あるいはエンジンそのものに何らかの異常が起こったことを示しているようにも思える。
何らかの不具合でエンジン制御が暴走しタービン破裂にまで至った、これが機体に致命的な損傷を与えて墜落に至ったというシナリオが考えられなくもない。
多くの国が関わっており今後事態は どのように展開していくだろうか。事故原因の解明は難しいものがあるように予感させられる。観光産業に深刻なダメージを受けるエジプトは大丈夫だろうか。

それにしても、難民問題や、ギリシャ不安や、テロや、航空機事故と海外に遊びに行く気がしないことばかり次々に起こってくる、こんな時はおとなしくしているのがよさそうだ。こうやって世界経済は縮んで行くのかもしれないのだが。

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2015年8月31日 (月)

パプアでのATR42-300の墜落

もう2週間くらい前のことになるがニューギニア島の西半分のパプア(インドネシア領)で 満席のATR42-300が中央山岳地帯に墜落した。Atr42300フライトレコーダやボイスレコーダはいい状態で回収されたと伝えられるが一向に事故原因を示唆するような情報は流れてこない。

事故の状況は、ニューギニア島の真ん中辺の北部海岸の町ジャヤプラ(センタニ)空港から8月16日現地時間(日本標準時に同じ)14:21
Map0に南のオクシビルに向けて出発したトリガナ航空のターボプロップ機ATR42-300(48人乗)に満席で幼児2人を含むと49人となる乗客及び乗員5名を載せた機体が目的地オクシビル到着10分前に管制に降下開始を告げた直後行方不明となり、オクシビルから15km離れた山中に墜落したことが確認された、というも のだ。乗客乗員は全員死亡となった。
オクシビル空港は標
高1309mで、墜落地点の標高は2530mと報じられている。墜落地点付近にはニューギニアを東西に貫くマオケ山脈が走っており、4000m級の峰が連なるり近くにはマAirmap1ンダラ山(4760m)もある。
当日の天気は衛星写真で見る限り殆ど雲は無く、風も穏やかで事故につながる現象は見受けられないが、衛星写真は赤外映像なので薄い雲または霧が山岳部にかかっ ていた可能性は否定できない。当日のの気象予測計算では山岳部での小さな雲の発生が予測されている。
Oksibil空港は滑走路が11/29 で 3856 ft (1175 m) の長さと短い(それでも
Weather2以前の880mから近年延びたようだ)。ATR42-300の着陸必要滑走路長はカタログでは海面高度で864mであり標高が上がる分を補正するとほぼ1000m必要となる。ぎりぎりだが成り立っている。
フライトレコーダはいい状態で回収されて
いるので追って事故原因の推定は発表されるものと思われる、現状では 事故原因は何とも言い難いが多少の推定は出来る。
トリガナ航空というエアラインは他の多くのインドネシアのエアラインと並んでEUからブラックリスト指定(EU域飛行禁止)となっている、
最近の死亡事故は9年前の2006年で、運行するツインオッター機が山腹に衝突した事故により10名が亡くなっている。しかし難しい場所を貧弱な機材で飛んでいる割には死亡Winddata事故多発というわけでもない。整備に問題のあるエアラインと決め付けることは適当でもなさそうだ。
今回の墜落原因は未だ不明だが、パイロットからの何の緊急交信も無く突然墜落していること、JayapuraからOksibil NDBに向かう航路上で初めて遭遇する標高8000ftラインで墜落したと思われることから考えると、何らかの理由で(多分何らかの誤りで)巡航高度が低く山頂ぎりぎり位の高度(9000ft?)に設定されており、山域に霧がかかっていて視界の無いまま高度を下げたとたんに山腹に激突したのではないかとも考えられる。

この事故で気になるのは、便が目一杯の満席だったということだ。オクシビルへの交通手段は航空路しかないという状態で滑走路もやっと1000mを超えるまでになって街の生命線になっているこの48席クラスの機体が入ってこれるようになった、それが落ちた、そのぎりぎりの感じが伝わってくる。事故原因は解らないまま直ぐに便は再開されている。
便の出発地ジャヤプラはパプアの中心都市で先の大戦ではマッカーサーはここを占領することから反攻を初めフィリピンに移るしばらくの間はこの地に居を構えていたといわれる。海岸部は開けてきているようだが内陸部はそうはいかない。この地の歴史を調べてみると、石器時代から突然現代に引き込まれたパプア高地民族が多数を占めるこの地の未来はパプアに張られた貧弱かもしれない航空路にかかっているような気がしてくる。

こんな事故で調べ始めると知らなかったことに次々に出くわす。事故が小さな窓を開ける。こうやって世界は広くなっていくのだろうか。

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2015年7月27日 (月)

調布飛行場での墜落事故

調布飛行場から離陸したPiper Malibu Mirage PA-46-350P/JA4060が離陸直後に墜落した。
まだ解らないことは沢山あるが現在わかっていることを整理してみる。
当該機は2004年10月に札幌で着陸事故を起こしており、この際の事故報告書から、製造は1989年2月14日、製造番号4622011で現状では製造後27年たった比較的機齢のPa46_2 高い機体とわかる。パイパーのこのシリーズはMalibuの310hpのエンジンをライカミングの350hpに積み替えたシリーズで1989年からリリースが始まったようだ。シリーズ初期 の機体と思われる。製造番号の最後の11から恐らく11号機と推測される。
この機体の性能はどうか。ビジネス機の性能諸元はBusiness&Commercial Aviationにて毎年纏められているものが業界標準として他機との比較に用いられるが、手元にある2003年版の比較表では、単発レシプロ機では最も重い最高位の機体で高馬力、高翼面荷重の機体となっている。
今回の事故でまず気になるのが重量だ。標準的な装備を付けた場合、運用時の空虚重量は3,121lbsで最大ランプ重量(離陸タクシー開始前の重量)は4,358lbsだから、搭載可能重量は燃料も含めて1,237lbsになみる。5人乗っているので一人手荷物込180lbs(約82kg)とすると900lbsで残り燃料は337lbsしか積めないことになる。この機体の燃料搭載可能量(満タン)は720lbsなので半分弱の燃料しか積めない計算になる。このようなことは少し大きいクラスのレシプロ機では一般におこりがちなことで常識外れの機体とは言えない。実際にこの重量の縛りを守って今回運行したのだろうか、というのが最初の疑問点だ。とても守っているようには思えない気がしている。満タンで重量過大で離陸したのではないか。
Tio540ae2a この機体のエンジンはライカミングのTIO-540-AE2Aというターボチャジー付きエンジンで、エンジンマニュアルやチャートはライカミング(今はコンチネンタルに買収されてその一部となっているが)のホームページに掲載されていて誰でも見ることができる。
これによれば、気温上昇による馬力低下は10度Fで1%とある。この日は恐らく35°F位標準温度より高かったと見られるから12hp位低い馬力しか出なかったと思われる。

ここからは想定だが、重量超過で馬力は低い、これでは離陸性能が厳しくなるとややエンジンの上限を超えた、例えばタービン入り口温度の上限値以上で離陸する等、限界を超えた使い方で離陸したことはある程度想定できる。短時間なら許容されるとの思惑が直ぐにエンジンの不調を招き出力の大幅な低下をもたらして墜落に至った可能性があるのではないかと想像される。
同乗者への約束があったのだろう、その義務感から無理な飛行に至ったのではないだろうか。

こんな事故が起こってしまうと調布飛行場の使用は難しいことになるだろう。
首都圏の民間飛行場を失わないためにも、はやく横田基地を返還してもらうというしかないのかもしれない。日本の中央に戦後70年たっても存在し続ける異常ともいえる横田管制区がこれを機会になくなることにでもつながればこの事故も少しは報われるかもしれない、そんな風にも思っている。

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