2023年3月 4日 (土)

2023の福岡市南区あたりの桜開花予測

毎年この頃にな ると桜(ソメイヨシノ)はいつ咲くのかと気になる。毎年福岡市のアメダスデータ(中央区の大濠公園)に基づいて推算していたが、住んでいる南区あたりは若干海岸線より距離があり気温はわずかに異なる。今年は海岸線との位置関係が近い福岡空港のアメダスデータと若干東寄りのGSMメッシュ点(東経130.5°,北緯33.6°)の推算値を用いることにしてみた。計算法自体はいつもの温度変換日数法でチルユニット補正はしていない。(厄介な割には精度があまり上がるようでもなかった記憶があって)。開花日は3月18日、満開日は3月25日と出た、さてどうなるか。2023sakura

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2022年12月25日 (日)

ことしも第九を聴く時期になってしまった

寒い寒いとこぼしていたら北米の方がもっと寒く中西部に北極のKionchikyuu122314 寒気が深々と下りてきてゆっくり東へ動いていった。ニューヨークに到達するころになってNHKをはじめとする日本のマスコミもやっと騒ぎ始めた。どう見ても今回の寒波は北米への進出が極東をはるかに上回っている。北極をめぐる渦流(極渦)の強さはゆっくりしたサイクルで振動していて北極振動と呼ばれるが、このところ強さが弱まり北極に閉じ込められていた寒気が各地へ流れ出している、そんな訳で世界のあちこちで寒い寒いと声が上がりそれらしい映像が世界をめぐっている。そろそろ極渦も強くなりだしているようで今回の寒さは一まずの区切りとなりそうだ。

そういうこともあるのか今日は昼から日が差して暖かく風も弱まり、散歩すると汗ばむほどだ。近くの池ではウグイスが元気に飛び回っている。今日は年末恒例の第9交響曲をアクロスまで聴きに行った。まだまだと思っていたらたちまDaipanf9202212 ちこの日となった。のんびりした日々を送っているような気がしているが時はのんびりとは進んでくれない。
のんびりした気分で自宅を車で出発したがさすが師走の日曜日の午後だ、渋滞があちこちで起こる。余裕があるはずだったが席に落ちつけたのは開演5分前となって肝を冷やした。3階まで満席だ。滅多に見ない混雑ぶりだ。
第一楽章、聴きなれたフレーズが流れ始める、暫くすると中央やや左のティンパニーがずっとたたき続けている、そうだったっけ、こんなに長く連打し続ける曲だったっけと新鮮な気分になる。1階後ろめの席で全体がよく見えるということもあるのだろう。今日は演奏のDai91225aa1 細かいところがよく見える気がする。するすると進んで4楽章の合唱部分に入る。合唱はきちんとして旨いのだが男声に凄味というか圧倒する何かが弱い、そんなことを感じる。もっとバラエティのある型破りの声も加えた方がスケール感が上がるのではないか、そんな風にもつい思ってしまう。勝手なものだ。
あっという間にフィナーレになって拍手喝采で終わる。まだまだと思っていたのがもう今年は6日しか残っていない、もう終わるのか、という感慨がオーバーラップする。

いつもの様だがまた新しい年の終わりを迎える。確実に過ぎて行く時が何だか頼もしい。

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2022年9月20日 (火)

台風14号が過ぎて秋が本番

久し振りの大型台風が通り過ぎてやっと秋らしくなった。もうすぐお彼岸だ。猛暑だ猛烈台風だと騒がしいがいつものサイクルで季節が巡る。
今度の台風は色々面白いところがあった。まずメディアの騒ぎ方だ。
目が殆ど福岡市付近を通ることは予測計算で大分前から明らかだったがその時点でも上陸の可能性があります、程度のアナウンスでぼかしていた。そんなに自信がないのかいと思ってしまう。旅行業者から圧力でもかかっているのだろうか。
近づいてくると手のひらを返したように経験したことのない大型台風が来ると危機感をあおる。誰の経験なのだろうか、予報官の人生での経験なのだろうか、言葉がクリアーでない、理性的でない、説得力がないようにも思えてしまう。九州では大量の水蒸気フラックスが宮崎のあたりにぶつかり続けて災害を引き起こしたが、こういうことをきちんと予測し表現し伝える努力をすべきのように思ってしまう。漠然とした危機感を煽るだけではアバウトすぎる。もっとも予測技術もそこまでたどり着いていないのかもしれない。
今度の台風で奇妙に思えたのは、数値予測のMSMとGSMで風速の予測が大きく違っていたことだ。(MSMはMeso Scale Modelの略で、日本付近を5kmメッシュの細かい網目で大気をモデル化し数値計算したもの、GSMは Global Spectrum Model (全球モデル)の略で20kmメッシュの網目で地球全体を計算するがここでは日本付近の解として発表されるものを指す。)
例えば福岡市ではほとんど目が通るという予測にもかかわらずMSM予測計算値は6m/s程度の風速しか事前には示しておらず、吹き返しの風予測も4m/s程度だった、一方でGSM予測値では目の通過前で約15m/s、吹き返しで15m/s弱の値を予測していた。アメダスで計測された風速は目の通過前で10m/s強、吹き返しで15m/s弱で、目の通過前では全体としてはMSMにやや近く通過後の吹き返しではGSMがいい値を予測していたことになる。ゾンデ計測データを見るとMSM計算値は1000mより上空ではまずまずではある。地形の影響で地上付近の風はきっちり弱くなるようにモデル化されているようでありMSMは陸上付近ではすべからく弱めの風を予測しているようだ。GSMでは地上付近を弱めるモデルが大して入っていないため目の来る前の風が山地を抜けて地上を伝ってくるような場合には風が強めに出るように見えてしまうが、目が通った後海上を吹き抜ける北風が吹き返しで入るようになると地形による減衰がなくおおよそ予想通りの強い風が吹いたことになったと思われる。
数値計算による風の予測が完全ではないところに台風の通過では予報はなんかあってないなと感じる元があるように思えてしまう。こんな予測技術の現状では災害予防の立場から大げさに言わざるを得ないのだろう。


所詮未来予測だ、きっちりはなかなか予測はできないのは当然だ。まだまだ人類の科学技術など幼稚な段階にあるのだろう。

100年後には気象も地震もぴたりと予測できるようになるだろうか、もっと先までかかるだろうか、いずれにせよ少しずつ前へ進んでいけばいつかはそこまでたどり着けそうな気がする。そんな未来が見れなくて、残念ではあるが自分のDNAの一部がそこまでたどり着けばそれでいいような気もしている。

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(添付図 上左:MSM福岡計算/計測比較 上右:GSM福岡計算/計測比較 いずれも台風14号通過前後  下:MSMによる地上風推定図9/18 22:00JSTの図、台風中心は川内市付近、九州内陸部は殆ど薄い青:5-10m/s、海は大半が薄い緑:15-20m/s以上と予測している )

 

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2022年7月26日 (火)

2回目の梅雨明けと生き物達と

今年は梅雨明けが2度あったような気がしている。勿論梅雨という呼び名は人間が勝手に名付けたものだから自然はそんなこと知ったことではない。1回目の梅雨明け(ここでは6月28日とされた)は太平洋の高気圧の張り出し(500hp高度の5880mの張り出し)、ジェット気流の衰退、どれをとっても所謂梅雨明けだ、暫く暑い日が続いた後太平洋の高気圧が弱まり日本海に切離低気圧が寒気を伴って暫く居座り、梅雨を特徴づけるオホーツク高気圧による寒気ではないが、兎に角北の寒気と南の暖気の境目となる停滞前線が日本の上に暫く居座り丁度梅雨のような天気になった、そして今また太平洋の高気圧が勢いを戻し、日本海の寒気もやっと弱まり、2度目の梅雨明けの様な暑さがやってきつつある。これは長そうだ。ともかく本格的な夏だ、クマゼミがうるさい、6月末の1回Kumazemi 目の梅雨明けではクマゼミはまだついてこれず地中から抜け出せずにいたがやっとクマゼミのうるさい夏が来た(右)。

鳥の方も様々だが今は子育てに忙しい時期だ。若いスズメは群れになって遊びまわっている、砂浴びで遊ぶのも今の時期だ、寄生虫退治という説明がされるが、砂浴びしているのは多くが嘴の根元が黄色い若い雀だ、遊んでいるとしか思Suzumesunaab えない、見るのが楽しい(左上)。ムクつけきムクドリも若鳥は初々しくて嫌味がない。

アオバズクは毎年この時期決まった神社に現れるので、覚えておいて見に行けば会える。今年もそれほど時期は変わらず見ることができた。子供の数は3-4羽で家族で移動している、子供が家族を越えて群れになって遊ぶということはまず起こらない。しかし家族そろって巣から現れるとなんだかうれしい(左下)。

今年は市街地の街路樹にササゴイのコロニーができているというので、行けばわかろうと現地といわれるところに見に行ってみた。が、見つけられない。もう巣立ったのかもしれない。 近くの川でササゴイの飛行は見れたので、外れでAobazuku はないが、結構活動的で忙しく動いていて写真には撮れずじまいに終わった。5年くらい前の夏に自宅近くの公園にササゴイの若鳥が飛来して写真に収めたことがあった、夏場にはこの辺りを徘徊しているのは変わらないようだ。

梅雨明けが2回あろうと生き物たちは着々と日々の営みをこなしている。こんな様は何か心強い、地球はまだまだ大丈夫そうだ。

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2022年6月25日 (土)

毎日気象を見ているが梅雨が終わりそうなパターンに

ぐずついた天気が続く。先週の週末19日頃気象を見ていると次の週は太平洋の高気圧がみるみる張り出していって、梅雨の終わりが見えてきそうだと思えた。ジェット気流も急に弱まってきている。まだ6月も後半だ、終わるには早い。しかしこの分では25日までの週のどこかで少なくも奄美は梅雨明けしそうだ。この雨は梅雨末期の豪雨Tenkizuxx かと思う。(添付上の図、6月18日12UTCのGSMによる24日3時JSTの500Hp予測図、夏の大気のせり出しの指標の5880mラインが日本のすぐそばまでせりあがってきて梅雨の終わりのように見える、下の2枚は9500m高度の等圧線に風を重ねがいたもので、色付けが風速の強さの程度を表す、左が6月18日12UTC、右が’6月14日12UTC、左はジェット気流が北9500mwind061412 9500mwind061812  へ上がり弱まっていて梅雨の終わりがけのように見える。)今週になって梅雨はやっぱり終わりそうに思えている、何しろ南から押し寄せる暑さが半端でない。

人為的かそうでないかは問わず地球大気が温暖化してきているのは間違いないように思う。暑い夏は普通だと思わなくてはならない。大事なのはそれを食い止めようとする努力ではなくそれを受け入れ適合する努力だと思える。宇宙的には非力無知な人類が地球の系と戦って勝ち目はない。そこらあたりが世にいう温暖化対策というのが信じられないところでもある、止めようという努力は本当に報われるのか、それより危機をやたら強調するようなヒステリックな議論を止めて正確に正面から何が起こりそうか見つめることが肝要なのだろう。海水面が上がったり下がったりするのは地球の歴史では普通のことのように思える。それを前提に住む場所を変えるとか助け合うとかしなくてはならない。海面の変動を人の都合で止めるのは所詮無理だ。

こんな早い梅雨明けもそれそのものはそんなものかと受け止めればどうということもない。長い夏を何して遊ぼうか。

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2022年3月23日 (水)

このところウクライナの天気を見ている

ウクライナの戦争はなかなか終わりにならない。プーチンの思惑とは異なりもはやソ連時代ではないことが如実に現れているだけかもしれない。
テレビやネットの情報はどれが正しいのか解らない。自分で得られる情報は天気くらいか、とも思ってしまう。
ウクライナから発信される気象の計測データは止まっているものと続いているものがある。ロシア軍侵攻とともに止まったのはゾンデを上げて計測する高層大気観測データだ。2月24日00UTC(現地午前2時)のデータが最後になっている。地上での観測データであるsynopデータは今もキエフをはじめウクライナ国内28か所から3時間おきに発信され続けている。さすがに激戦のマリウポリ(34712)からは2月26日12時UTC(現地午後2時)が最後になっていてこの頃都市機能が喪失したと思われる。

2022031200z2022032300z 肝心の気象は、キエフでは暫くは気温零度前後とモスクワより寒いくらいの低温の日々が続いたがこのところゆっくり持ち直して暖かくなってきている。戦場にも同じ様に春が来つつあるとみえる。(図は850hp高度(約1500m高度)の気温分布推定値、気象庁GSM全球モデル、左が3月12日00時UTCウクライナに真冬の寒気が入っている,右が3月23日00時UTC春の暖気が入りつつある )
もっとも雨は暫く無くて湿度が低く乾燥しているようだ。戦車で攻めるロシア軍には有利な天候かもしれない。
synopデータも東部のIzium(34415)は3月3日6時UTCが最後の発信となっている、この頃制圧されたのだろう。それにしても恐ろしい。ウクライナの農村では小麦の種は撒けたのだろうか、今年の秋の世界の穀物供給はどうなってしまうだろうか。とんでもない日々が世界を待ち受けているように思えてしまう。

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2022年3月11日 (金)

福岡市桜開花予想2022

今年もまもなく桜の季節が到来する。この時期いつものようにこの地福岡市のソメイヨシノ開花予想を試みる。手法は日ごとの平均気温実績及び予測にファクターをかけて積算していき一定の値に達したら開花するという温度変換日数法を例年通りに用いる。開花は2月1日からの積分値が24.6とすれば過去の結果からはおおむねよいようで、昨年これをSakura2022yoso2x  2020年の値に変えてみて失敗した、今年はこのままとする。予測では3月21日開花、3月28日満開となる。さてどうなるか。

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2021年11月28日 (日)

多相な時の流れが

冬らしくなってきた。東北以北では大雪のところもあるようで本格的冬の到来が今年は早いような気がする。

世界的な寒さのサイクルは北極振動である程度説明されている。すなわち、北極回りの渦(極渦)が強い(指数Ao1127 が+)と寒気が北極に閉じ込められて北極以外の北半球は暖かい冬となるが極渦が弱くなる(指数が-)と寒気が流出して北極以外の北半球は寒い冬となるというメカニズムだ。北極振動の今後の予測は2週間先までは米国NOAA(アメリカ海洋大気庁)の予測が公開されていてこの先一旦+側に振れ2週間後にはまた-になるとある。(添付図1,右端の赤線が予測)。2週間で1サイクルということになる。日本では具体的にはどうかというと気象庁の2週間予測データ(GSMデータ)で例えば福岡では、寒暖を2サイクル繰り返すと予測されている。北半球全体の振動より短い振動があるようでその影響がこの先2週間の日本では強いようだ。(添付図2 Kionsuii1127 上層の気温推移予測、黄色が850hp(高度1500mあたり)の気温で地上気温の指標とされている)。なんでこうなのかはよくは分からないが全地球の寒暖サイクルと局地のサイクルは必ずしも一致するものではないことを示しているようだ。あちこちの世界的な極端な気象を報ずる煽りのような報道が走ることがあるが、それはそれとして身の周りのことは落ち着いて考えるべきなのだろう。多相な空間がここにはある。

少し前に三浦百恵の著作の本を見ていた。
山口百恵が結婚引退してもう41年にもなる。ちょっとした感慨がMomoe あって図書館に百恵著のキルト本の貸出を予約していたらやっと順番がまわってきて借りてきて見ていた。「時間(とき)の花束 Bouquet du temps」だ。キルトとは?、と思っていたが見ると何となく感じが分かる、刺繍のような作業を布単位でやるのがキルトということになるのだろう。刺繍という言葉は詩集に通じる。詩集、言葉をモザイクのように合わせて世界を作る。キルトもモザイクのように組み合わせて自分だけの世界を作っていく、そう感じた。現在の本人の写真もある、姿が10代の時と大きく変わっている、当然ではある。以前のシャープなどこか作られた感じが取れて、ふつうの姿になっている。40年間世の中は色々なことがあった、この間の世の中の変動と百恵という個人の変動のサイクルもやはり別物だったのだろう、だから面白いのだろう。多相の時間が流れている。

たらたらと時を過ごしていた。人と接する機会を減らしてきているこのコロナ時代も同じように多相な時の流れが流れ続けていることに新たに思いを致している。

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2021年8月21日 (土)

雨が続き「人新世の資本論」にあきれる

雨が続く。オリンピックが終わると待っていたかのように雨が降り出して止まない。一体どうしたのだろうと遡ってみると、台風9号が化けた温帯低気圧の置き土産がきっかけだ。台風の西側にできる北風の強い領域が北の冷たい空気を容赦なく引きずり込んで南の暖湿な空気に厳しくぶつけていた。この境目の前線が台風が去っても動かない。北からの冷たい張り出しが収まらない、これは物理的な必然だったのだろう。
梅雨前線の様な停滞前線だから、いまごろここに現れるということは北の寒気がこの時期にはないほどに南の暖気を押しているということになる。1.2万年前の氷河期の終わりに現れたヤンガードリアス期の荒れた気象とどことなく似ているような気もする。この時は解けた氷河の真水が海表面を覆い部分的な寒冷化をもたらしたことが原因とされている。温暖化による北極の氷の解け出しが似たような状況を創り出しているのかもしれない。

このところ「人新世の資本論」という本を読んでいた。ベストセラーになっていて図書館の借り出しも1年はかかりそうな待ち行列で、あきらめて買って読んだ。資本主義は明らかに行き詰って貧富の格差は開くばかりで人類は新しい原理を見出さざるを得なくなってきているように感じていた、何かのヒントを得られるかとの期待があった。読んだ結果はがっかりだった。殆どアジ本で現実味がない。ソ連や中国のマルクス主義が硬直化した自由を奪う強大な官僚機構を必然としていたことへの回答を何ら示すことなくやはりマルクス主義がいいという。コモンという具体性に乏しいシステムが機能するという幻想が書かれているだけだ。
地球物理学的な気候という現象を人間の経済活動の抑制だけでコントロールしようという恐れを知らない認識もそこにはある。それ程に人類は賢いのかと言いたくなる。

もっとリアルに地球の気候変動には対処しなければ人類は生き残れないだろう。例えば恐竜は鳥という姿になって広範な移動の自由を得て現代まで生き延びている。それくらいの発想の転換がなければ、と思う。

国境を廃止出来ないような人類では生き延びれる訳がない、そんな思いが頭から去らない。どうすれば国境は廃止できるだろうか。居住移動の完全な自由と無制限の多様性の維持の実現、そこらあたりに答えが潜んでいるような気がしてならない。

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2021年7月15日 (木)

カナダの"熱波"を少しだけ調べる

ニュースを見ていたらカナダ西海岸が異常高温で山火事が頻発しているという。
カナダ東海岸の気温を調べて見ると報道のあったLytton(北緯50.233 西経121.583)での49.6℃は確認できないがその近くのAgassizのsynop点(北緯49.250 西経121.767) のデータがみつかり、2021.7.29 0:00UTC(現地時間28日14時)に気温40.4℃が確認できた。相当の高温には違いない。
20210629950hptemp どういうことだろうと、世界の850hp(約1500m)高度の気温分布(GSMデータ)をダジックアースで球面表示して、去年の同じ日の気温分布と比べてみる。
去年は米カナダ国境付近で止まっていたネバダ砂漠の熱気が今年は国境を越えてカナダに大きく侵入した形だ(米国のこのあたりにあるデスバレーは20世紀の初めころより長らく世界最高気温計測地点として知られていた)。(左図、左が今年、右が去年)

上空の気圧(500hp高度)をみると、その分布が今年はこの地域で高気圧的となっていることと関係しているように見える。(上が今年、下が去年)。20210628900utc500hp2
地球を巡る大気の波動が今年は少しずれたようだ。大雑把に見るとこんなことは何十年かに一回くらいは起こりそうだ。

20200628900utc500hp2100年に一回でも地球の歴史の時間では非常に短いサイクルに思えるがカナダという若い国にとってはびっくり仰天ということかなと思ってしまう。

地球温暖化議論はあくまでも平均気温の議論なので、これがいわゆる人類活動の結果CO2が増えたことによる温暖化のせいと簡単に言い切ってしまうことはできない。

単に人類が無知なだけのように思ってしまう。刺激的なニュースのみが求められる現代のネット社会ではあらゆることが驚きで測られているような気がしてきている。それに即して有象無象のメディアがびっくりニュースを垂れ流しているようだ。
そんな風景が面白くもある。

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