季節が几帳面に
秋らしく帯状の高気圧が横たわるようになってきて乾いた晴天が久し振りに続く。やっと出かけられるようになったか、と思う。暑い時期は平地で日中動き回る気にはちょっとならなかった。やっと普通の日に遊びに行ける。
ここ数日は鳥を見ながら紅葉を見たり散歩したりしている。3日前は自宅から直線距離で南東へ8kmほどの春日公園に出かけた。ぶらぶら散歩にちょうどいいと思ってだが、去年の今頃ノゴマが来ていた、今年はどうだろうかということもある。
平日なのに駐車場はそれなりに埋まっている。あちこちに幼稚園のお出かけ活動があったり小学校の遠足があったりして子供の数が多いが、広い公園内では少々の数では全く気にならない。右に回り始めて赤くなり始めたモミジバフウの木のところに来るとギチチチと聞きなれぬ声がしてなんかいるようだ。カワラヒワと腹の白い小鳥が動き回っている。写真に撮って図鑑と照合するとコサメビタキが写っている。あんな鳴き声は聞いたことないなとも思ったがそんなものかと、広い公園を一回りする。ジョウビタキの姿やシロハラの声にそんな季節になったなど感じながらのんびりまたモミジバフウの木のところに戻ってくると、今度は大きなカメラを抱えた人など4-5人が真剣な面持ちで鳥を追っている。さっきの変な声の鳥のようだ。動きが速いのと木の葉が邪魔してなかなか姿が見えない。どうやら変な声の鳥はオジロビタキでこれにコサメビタキが混じっているらしい。オ
ジロビタキは見たくもあるが一向に見えるところに出てこないのでいい加減なところで切り上げて引き上げる。
帰り道に野多目池に寄ってカモ類の渡来を見る。福岡は溜池が多くて、朝鮮半島から渡ってくる冬鳥には格好の環境があちこちにある、住宅地のすぐそばで色々な渡り鳥が見られるところが面白い。
道脇にクルマを止めてしばらく見ていると、カイツブリ、カンムリカイツブリ、ホシハジロ、キンクロハジロ、マガモ等のほかカワウの20羽位の群れやダイサギ、アオサギ、コサギそれにカササギ、ジョウビタキ、と、それなりの種類と数が見える。少々遠いが時々少しは近づいてきたりもして、これものんびりしている。いよいよ冬鳥の到来の季節が来たようだ。
翌日も良く晴れている。春日公園のモミジバフウが赤くなり始めているのを見てそろそろ
紅葉がはじまっているようだと背振山に様子を見に行く。夏の間は工事中で通行止めだった道も普通に走れて難なく頂上直下の駐車場に着く。それなりに訪れている人がいるが、ほら貝を吹いている人もいて、日常的でもない。多くは山頂を目指すようだがこちらは木もないので、ブナのある稜線を歩いて色づき始めた木々を見て行く。もみじはまだ青々している中でブナの黄葉は傾きかけた日差しの中で美しい。十分だ。時々こんな景観の中に身を置きたくなる。時折カラ類の高い鳴き声がして秋らしい。
次の日はのんびりと近くの植物園に出向いた、まだ晴れが続いている。
秋バラがいいかとバラ園のあたりに差し掛かるとまた鳥見風の一団に遭遇する。何かが出てくるのを待っているようだ。聞くとノゴマがつつじの茂みに隠れてるらしい。ノゴマが出た去年の春日公園と雰囲気が似ている。しばらく眺めても一向に出てくる気配がないので、バラ園のバラをのんびり見たり温室を見たりしてまた鳥見集団のところに戻ってくると一点を集中して真剣に見ている。ゆっくりと近づくとどうやらまた隠れたようで緊
張がふっとほぐれる雰囲気が伝わる。ノゴマのメスと確認ができたようだ。
また見損なったがまあいいかと散策しているとアトリ(花鶏)の20羽以上の群れが木立に見える。今季初めての遭遇だ。山から降りてきたウグイスも二羽見つける。冬がそこまで来ようとしている、そんな季節の巡りを実感する。
温暖化とか異常な気象とか言われても、めぐる季節の几帳面さと生き物の同期が、確実に機能していることがうれしい。未来は悲観しないものに幸いをもたらす、そんなものかもしれない。
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