奄美の旅 その2 2日目以降
奄美の旅 2日目
この日は滞在する4日間のうちで最も雨が降りにくい日と予想していたので、前回行けなかった湯湾岳周辺の昼間の野鳥を見てみようということ
にした。
朝は食事が8時からなので、昨日遅かったとはいえ6時頃には目が覚めてしまって宿の前にある浜辺をぶらぶらする。山の方からアカショウビンの声が盛んにしてくるし、宿に居付いているイソヒヨドも元気に声を出している。鳥がにぎやかだ。宿の山側の方
へ少し歩いてみるが、道があまりよくないしハブでも出てきたらと気になって集落の中を歩き回ってみる。
ガイドブックにフクギの並木というのが出ていてどこだ ろうと見ると集落のあちこちにフクギで守られた路地がある、このことらしい。敷地境界を示し 火災延焼防止用にに植えられたフクギが今は目にも優しい並木となっている。ヒルギが大きな木になったような植物で如何にも南国らしい雰囲気がある。集落の中を散歩するのも楽しい。
朝食後一休みして湯湾岳へ出かける。昨晩のナイトツアーで大体の道の感じは解るが夜と昼ではまた違う。緊迫感がないが気楽だ。ヒカゲヘゴが目に付き
だしたあたりでクルマを止めて赤ひげのコーラスやアカショウビンの鳴 き交わしを録音する。
路上には兎の糞がごっそりある、クロウサギのものだろう。そのうちアカショウビンが音もなく道路を横切る。いいところだ。
マテリヤの滝の場所まで行って昨夜はよく見れなかった滝を見に行く。遊歩道は板張りでハブは大丈夫そうだ。カワトンボのようなトンボがひらひら飛んでくる。
後で調べるとリュウキュウハグロトンボのようだ。これも琉球列島の固有種だ。生き物すべてが珍しい気がする。 ここで一眼レフ のSDカードが一杯となっているのに気づく、残り枚数をチェックするのを怠って出てきてしまって、おまけに予備カードは宿に忘れてきてしまっている、あとはコンパクトカメラに頼るしかない。まあしようがない。一応映像は何かしら残せる。それにしても起こってほしくないことは嫌な時に起こりがちだ、旅らしい。
所々で止まって録音したりしながらフォレストポリスのキャンプ場を経由して湯湾岳の登りにか かる。突然頭上すぐそばでサンコウチョウの声が響き慌てて車を止めるがもうどこかへ飛び去っている。
どこへ行ってもなかなかサンコウチョウの姿は見るのは難しい。西表島でも見れなかった覚えがある。
途中道は舗装はあるものの細くて荒れていてその上所々で路肩が崩れている。
白い棒とロープで危険箇所がわかるようにしてはあるが、止まってよく見ると舗装の下までえぐれが広がっているところがあり、これはとにかく道の真ん中を走らないと危ないと分かる。対向車は来なかったが来れば確実に安全なところまで下がって離合するほかない。アカヒゲ等の野鳥の声はうるさいほどでいいとろではある。頂上下の駐車場に着くと雨がパラパラ降ってくる。あまり長居もできなくてフォレストポリスまでまた戻って管理棟で昼食をとる。鶏飯はできないがカレーなら出来るという、贅沢は言えない。雨は山頂付近だけのようで直ぐに止んだ。下りは別の道も試してみようと北西に子音に向けて山を降りて行く道を選んでみる。こちら側の道は野鳥の声はほとんど聞こえず期待外れだったが、まあしようがない。
しばらく降りて行くと突然砂利道になった、土砂崩れをやっと開通させたという感じの道でハンドルを取られそうになるくらい砂利が深い、おまけにガードレールも無く左は崖だ。これは危ない道だと緊張したが程なく舗装道路に戻ってことなきを得た。一応通じてはいるという感じで二度と通りたくない道だ。やっとの思いで海岸沿いの道に出る、ここはいい道だ、これをもう少し西の方へ走ってみる。今里というところまできて、海をのんびり眺めて引き返す。トンネルも立派で結構お金のかかっている道路だ、離島振興で予算が色々つくのだろうか。海岸線をドライブして宿まで帰る、途中で眺めのよさそうな遊歩道も見えて、時間があればまた来てもいいと思う,奄美は無計画に遊んでもいくらでも時が過ごせる感じがする。
宿で一休みして今度は近くの宮古岬の遊歩道を歩いてみることにする。昨年の大河ドラマ西郷どんの冒頭シーンで使われた景観のあるコースだ。岬の根元の駐車場にクルマを置いて歩き始める。最初は木が多く森のはずれのような雰囲気があるが道がしっかりしているのでハブは問題なさそうだ。アカショウビンの声がしたり鳥の声がいい。蝶も多くイシガケチョウがやたらと目に付
く。久米島で先月初めて見て印象深かったが奄美ではそこら中にいる感じだ。
岬までの距離は1.5km位あるようで20分で行くという説明がネットやガイドブックにあったが上り下りもあり20分では相当きつい感じがした。程なく草原になり西郷どんのシーンの地点に来る。眺めは確かにいい、とにかく行けるだけと先へ進む。ここまでか、というところまできて写真を撮ったりタイタニックポーズをとってみたりして遊ぶ。珍しい生物がいるわけではないが旅らしくていい。同じ道を引き返してくると往きには見えなかったものも見えてくる。道は往復歩くべきだ、そんな風にいつも思う。木々の間からキツツキの声がして特徴的な丸い頭が見える。オーストンオオアカゲラだ。アマミコゲラもいる。自生バナナの木もあって小さい実をつけている。
宿に帰るとオカヤドカリがあちこちから顔を出す。どうしようもなく豊かな自然を
感じてしまう。
次の日は事前の予想に反し結構天気が持ちそうなのもあって龍郷の奄美自然の森に行ってみる。前回も来たがその時は雨が降ったり止んだりだったこともあり鳥の姿は殆ど見られなかった。前の日に訪れた人の話ではルリカケスやアカヒゲの写真が撮れたとあり鳥の姿に期待する。
自然の森 の中では同行者と離れてあちこち鳥を探す、しかし鳴き声はすれど姿は見えない。前回と同じだ。そのうち同行者と合流するとルリカケスやサンコウチョウの姿が良く見えたという、難しい。リュウキュウアカショウビンの姿は見れたが他は見損なった。どうもこの森とは相性が良くない気がして引き上げる。
宿に早めに帰りついたがシュノーケルをやってみるには日差しも弱いしちょっと疲れている。のんびりしていると宿のカヤックを漕いでみないかと促されて身支度をして少しやってみる。シーカヤックは10年以上前にハワイでやって以来だが直ぐに思い出す。
穏かで風も弱く如何にも海で遊んで居る風でいい。楽しめる海だ。
翌日は戻る日だ。早朝5時から、近くの舗装された山道を歩いて登っていき鳥を見たり蝶を見たり植物を見たり興味のままに散策す
る。ルリカケスの姿も何度か見るが写真には撮れない。アカショウビンやアカヒゲの声は始終している。奇妙なナメクジ(アシヒダナメクジと後で判明)を見たりシリケンイモリの泳ぎ回る姿を見たりズアカアオバト、オーストンアカゲラの姿も見たりキオビエダシャクやアサギマダラやミナミキチョウを見たりゲットウやノボタンの花を見たり、ナイトツアーの明るい版のような散策だ、興味が尽きない。
食事後清算をしてのんびりと買い物などしながら北の空港近くのエリアに行く。田中一村美術館に立ち寄ってみるが前回来た時と少し出し物が違う。オオトラツグミの絵があったはずだが見当たらない。メインの絵で切符にも刷られている絵も見当たらない。色々巡回しているのだろう。喜ぶべきことだけれどもちょっと残念でもある。
昼食後少し時間があるので大島紬村に行ってみる。ガイドブックには必ず出てるし庭が広く鳥も色々いるらしい、ルリカケスはいつもいるとどこかで前読んだ気がしていた。まずは大島紬の製造過程をつぶさに見る。設計図に従って生糸を一本一本染め分けてこれを織って大島紬を仕上げている。こんな手間のかかる織物は高くて当然だが、泥染めのために暗い図柄でいまひとつ魅かれない。今の技術では同じものが簡単にできそうな気がするがそれはできないのか、そこら辺が良く伝わってこない。狭い世界でしか価値が解らないような気がしてならない。
ルリカケスは庭を飛び回っているので待てば現れると思いますとのことでお茶を飲みながら待ってみるが一向に現れない、そんなものなのだろう、いる時は居る、めぐりあわせの悪い時はいない、そんなものだ。
まだ時間が少しあるので大瀬海岸を見てみようと走り出して間もなく右明神岬展望台という看板が目にとまってこれもよさそうだからと入り込んでみる。細い舗装路をしばらく走ると駐車場があってここから歩いて上るようだ。舗装してある歩道でハブの恐れはなさそうだが見ると急な坂だ。とにかく少し上ってみるがどこまで登れば展望台につくか解らない。いい加減なところまでいって先が解らず引き返す。あと5分なのか15分なのかもう少し道標があればとも思ってしまう。熱意のある人のみに開かれている、そんな奄美の雰囲気が感じられる。そんな島だ。
大瀬海岸に向かう。行くべき場所が正確には解らずナビでとにかく進むと駐車場に行き当たり、近くには櫓のような展望所もみえる。風が強くなっていて、鳥は居る雰囲気ではないがと見渡すと河口付近にクロサギが3羽見える、1羽はいわゆる白いクロサギのようだ。初めて見た。しばらく眺めて立ち去るが条件が悪くても熱意があれば応えてくれる、最後まで奄美らしい。
いい加減な時間になってレンタカーを返却し奄美空港から帰途に就く。
疲れたが面白い島だった。また行ってもいい、今度はシュノーケルも、と思ってしまう、それにしてもいつまでこんな旅ができるだろうか。
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