芥川賞 鳥山まことの「時の家」を読む
令和7年下半期の芥川賞が1月半ばに発表になり直ぐに掲載誌を図書館に予約したが待ち行列はたちまちできており10日ほど前にやっと「時の家」の掲載されている群像8月号のほうの番が回ってきて読んでいた。読み終えたが読後感は微妙な感じだ、確かに新しい書き方ではあるが、とっつきにくいし読みにくい、読んでいて引き込まれる感があまりしてこない、こんな芥川賞もあるのかなあというものだった。著者は建築の大学院を出た1級建築士で建築設計の仕事が本業ということになる、人生に建築以外の軸が欲しかった
それで小説を書き始めたとインタビューで語っている。確かに建築する側の視点を濃く感じる小説だ。家が主人公であり設計者自身のために建てられたこの家で以降その家を使っていくことになった人に起ることが書きつづられるという形で話は進む。読みにくいのは例えば家を使うことになった3代目にあたる圭さんの話が突然始まる、この人だれ、と思ってしまう、読んでいても話がどう進んでいこうとしているのかが解らなくなる。理系の目でものに接して書いているというのが節々に感じられて、そこは惹かれるところを感じるのだが、何かもう少し何とか、と思う気持ちが抑えられない。全体が詩のような、と思えばいいのかもしれない、今はそう思っている。
読了感は今一つすっきりしないが、それにしても今後どういう風に作者自身の人生が展開するのか、そこのところの興味は尽きない思いがしてくる。どうなるか。











